冬枯れの胎金寺山      

胎金寺山  
摩気の里から胎金寺山を望む   

■目的地:胎金寺山(423.5m)<山域:丹波・京都府園部町>
■2.5万図:埴生・園部
■日にち:1999年1月23日(土) 
■天気:晴れ時々曇り 少し暖かい
■同行者:単独
■コースタイム: 

 竹井 発(12:30)〜摩気神社〜口の天狗杉(12:50)〜奥の天狗杉(13:00-13:15)〜
 山頂(13:35-13:45)〜約400m地点(13:55-14:15)〜北西尾根〜約305m地点(14:50)〜
 竹井 着(15:20)

【胎金寺山】 深山の北東に低いながらもぴょこんとかわいいトンガリを見せる山。
前々から行こう行こうと思ってました。
 見所は二つ。北麓の摩気(まけ)橋と山腹の天狗杉。今は掛け替えられて往時の姿を
どれだけ残しているのか定かではないが、摩気橋はかつて時代劇のロケ地として使わ
れていたらしいのです。
 しかし、この二つに加えて人との出会いや冬枯れのいい尾根道を堪能できました。

【摩気の里】 静かないい里です。清い流れが民家を縫います。
摩気橋は木の欄干と擬宝子が微かに面影を残している様ですが、橋桁はコンクリート
になっています。前方に山頂が顔を出しその谷の裾に摩気神社がある。神社の右手に
林道が入っていて、日陰の谷道を登っていく。屋根を葺くのに使うのか、3mばかりの
茅がトンガリ帽子の様に束ねてある。やがて左の沢に古い堰堤が一つ、二つと現れる
と山道に変わる。
杉の森  
林道から見上げる杉の森 
【ふたつの天狗杉】 前方の視界がわずかに開けると山影をバックに大きな杉の木が
林立している。左にせせらぎの音を聞きながらゆるりと登れば、「園部町指定樹 胎
金寺山 口の天狗杉」という白い標柱が道脇に立つ。それらしい木はどこかなぁ、と
ぐるりと見回すと沢の方に立派な木が伸びている。ちょっと判りにくい標柱だが、
これもまた良い。左に曲がってナメ滝を過ぎて登ると分岐。左へ。立派な植林の中を
ふかふか絨毯の杉の落ち葉が気持ちいい。やがてさっきと同じような白い標柱がある。
「奥の天狗杉」とあるが、ここでもそれらしい木はすぐに判らず。

【奥の天狗杉】 真っ直ぐの沢筋の先にそれらしい影があるが、道が荒れ気味だ。名
のある木だから、もう少し踏まれているだろうと右の植林の中を登る。苔むした倒木
もあり、低いわりになかなかの自然度。前方からラジオの音ともに年輩のご夫婦が
下りてこられた。「奥の天狗杉は見られましたか?」「いやぁ、それが判らなんだ。」
「そうですかぁ、それならやはり、こっちですかねぇ。」と植林を少し巻いて沢筋に
戻る。少し登るとあった、あった。立派に天を突いている。近くはあまり踏み込まれ
ておらず、なによりだ。奥さんの方は、もう少しわかりやすい指標にしてくれたらネ
と仰っておられたが、私はこれくらいで良いだろうと思った。しばらく北摂・丹波の
山々の話に花が咲き、ご夫婦は下へ私は沢を詰めに分かれた。
半国山  
山頂から半国山方面を望む 
【北摂を見晴るかす】 苔むした沢の源頭部になって登りがきつくなってきた。右に
トラバース気味の踏み跡があるのでしばらくこれを辿る。やがて怪しくなる頃に稜線
上の山道に出た。いい感じの雑木林の道をぐるりと左に大きく弧を描くように登って
いく。最後にわずかの急登で祠のある山頂。その手前に三角点。立木が多くて展望は
なし。三角点から南の方へ踏み込むと木が低くなり、北摂の山並みが見える。こんな
角度から見れるのもなかなか良い。深山、天狗山、半国山と並ぶ。その向こうに薄く
頂がのぞくのは剣尾山だろう。

【白夜の貴公子さん参上】 昼食をと思ったが、座ると見晴らしが良くないので適当
な所を探しに来た道を戻る。約400m地点の斜面で明るい林となり木の間から山並みも
見えるのでここで妥協しよう。簡単にすませて、山頂から南西に伸びる尾根に入るべ
く道なりに下りていくと、一人の男性。こんな山に今日はよく人が来るもんだなぁ。
精悍な顔立ち。「摩気の方から来られましたか?」「そうです、どちらから? ひょっ
としてかねちゃんでは?」 メールではやり取りしたことのある白夜の貴公子さんだ。
とうとう、こんな場面が来たかと思いつつも、あまりの偶然に次の言葉が出ない。
(ちと大げさか^^) この山に来たのは、私のHPを見てとのこと。昼飯は今からとの
ことでレポートを楽しみに分かれる。

【尾根ちがい】 さてその尾根、山道から左に逸れて適当に(^^)左の踏み跡に入るも、
すぐに落ち込んで切れている。ありゃ、間違えたかと元に戻って、さっきの山道を
白夜の貴公子さんを追うかのように登り直し、昼食を摂った地点に来る。ここから
左へトラバース気味に横の尾根に取り付く。踏み跡あるも倒木ばかりで歩きにくい。
セーターをヤッケに着替える。しばらく歩くがなんか地図と様子が違う感じ。
 しかし、歩きやすくて静かな尾根歩きが楽しい。たまに出くわすタヌキの貯め**
には驚くが...。(^^;;
冬枯れ  
冬枯れの落ち葉に西陽が射す  
【西陽射し】 左側が切れ落ちた土手になっているので、景色が見える。早春の様な
陽が射し、高圧線が向かいの山に見える。2.5万図「埴生」に示される様子とはどう
見ても違う。まぁ間違っていても里には下りれるわと安直にそのまま歩くことにした。
 少し登り返した小高いピーク(約305m地点)に着くと、木の間から山頂が見えたので
コンパスで方向を見ると計画と正反対の北西尾根のようだ。山頂から白夜の貴公子さ
んに会うまでの山道は、谷の源頭をぐるりと半周しているが、頭の中の方角はこれに
ついていっていなかったのである。昼食時に既に計画のルートは過ぎていたようだ。
2.5万図「園部」も持っていたのだが、横着してリュックから出していなかった。
 裾に近づいた尾根を右へ逸れて下りると笹の茂みから農道に飛び出る。田畑の中に
ビニールハウスがあって、近くの電柱は「タケイ 55E4」。なんと川の向こうにわが
愛車がちょこんと待っている。
 天狗杉の谷を登って、その横(西)の尾根から戻ってきたのであった。里山だから
いいものの、まだまだ地図読みの未熟を思い知らされた歩きでした。

  胎金寺山について   

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1999.1.30. BY M.KANE