鹿倉山でツツジ巡り 



烏帽子岩で一息







■目的地:鹿倉山(547.8m) 
 <山域:丹波 京都府三和町・兵庫県西紀町>
■2.5万図:市島
■日にち:97年4月29日(火)みどりの日\(^o^)/
■天気:晴れ
■同行者:香里(10才)
■コースタイム:
  自宅発(9:20)〜三和町・深山出合(11:10)

  深山出合[約250m](11:20)〜深山林道〜熊野神社(11:50)〜
  烏帽子岩(12:15-12:25)〜山頂(12:35-13:45)〜北峰(13:55)〜
  鉤掛地蔵(14:10)〜地獄尾根コースの分岐(14:25)〜深山出合(14:50)

【みどりの日】 一週間前の予報では晴れるはずだった28日が一日中雨で
今年のゴールデンウィークは御池岳だけで終わりかと、自宅から霧に煙る新緑の
妙見山を見ていました。
 でも、ちゃんと晴れますねぇ、みどりの日。さすが。(^^)
裕太は熱を出していて外出禁止、俊一は生意気に友達と約束有り。かわいい一人娘の
香里を連れて久しい丹波の山に行く。

【鹿倉山】 「しかくらやま」。多紀アルプスの北、丹波の中央に位置し、360度の
展望があるというので、前から行きたい山だった。多紀アルプスのからも見えていた
のだろうが、存在を知ったのは分県ガイド「京都府の山」によるので、三岳に登った
後。小金ヶ岳のミニ版風の岩場もあり、自然度の高い信仰と清水の山である。

【人の話に耳を傾けて】 新緑の北摂、篠山盆地を過ぎ、多紀アルプスの背後に回る
県道から三和町に入る。緑眩しく、ミツバツツジやタンポポ、野イチゴの花々が
沿道を彩る。
 菟原(うはら)の集落に入って、登山口を通り過ごしたようなので、農作業中の
おじさんに尋ねる。
「こんにちは、鹿倉山へはどこから入れますかぁ?」
「あぁ、ちょっと戻って、集落が途切れて300m位行ったところに、2軒ほど家がある
から、そこの登り道だよ。権現さんまで車で行けるよ。」
「ありがとうございました。」
 "300m"というところが、なんとなく道案内慣れしている感じである。(^^)

【深山出合】 言われたとおりに戻るとそれらしい所に、登山口の看板があったが
倒れていて見逃していた。鯉のぼりが青空に泳ぐ家の横を通る。すぐに登山コースの
案内板があった。舗装してある深山林道を登って堰堤のあるヘアピンカーブの深山出
合に着く。一台停車。70才位の色つやのいいおじいさんがいた。
「どこから来たね。」
「川西です。」
「ほう、私は近くの猪名川町だよ。」
「もう登ってこられたんですか?」
「あぁ、お嬢ちゃんも一緒なら、こっちの道からがいいよ。」
「丹波はいろいろ登られたんですか?」
「あぁ。そうそう、あそこは行ったかね。長老ヶ岳。今頃はシャクナゲがいいよ。」
「ひと月前に行きましたが、そうですか今時分ですかぁ。」

 ということで、舗装された深山林道を歩いて登る。鳥の声が多い。時々、道脇の
カサコソという音でトカゲにびくつく。スミレの種類を数えながら歩く。名前は判ら
ないが、3種類ほどあったようだ。ぐるっと回って少し下りたところで杉林に囲まれ
た熊野神社に着いた。大きくはないが清々しい感じがある。10台くらいの駐車スペー
スがある。お社の左手にりっぱな参拝記念記録帳があったので、記帳した。

【権現直登コース】 お社の左奥に「遷宮の岩」という立て札があって、鬱蒼とし
た杉林の中に道が続く。チゴユリやマムシグサがポツリと生えている。昨日の雨で
湿っぽいが、滑るほどではない。登っていくと怪しい踏み跡になっていく。方向の
示されていない山名だけのプレートとテープで何とか辿れる。
 だんだん登りがきつくなる。杉林から雑木林に変わる頃には直登となり、木の根を
つかまないと登れない。大きな岩を左に巻いて登ると烏帽子岩である。
 香里は「しんどい」、「怖い」を連発していたが、がんばって登ってきた。

【烏帽子岩】 大人の背丈ほどの岩である。確かに烏帽子のカタチをしている。
ここからは北東が開けており、菟原方面の眺めが良い。新緑の明るい谷が眼下に広が
る。岩のすぐ横のミツバツツジが色を添えてなかなか絵になっている。
 香里に写真を撮ってもらう。
 岩の多いツツジ林の道を緩やかに登っていくと、右に天狗岩の道標があった。
ここは真っ直ぐ山頂に向かう。すぐに陽光降り注ぐ山頂に出た。誰もいない。

【取り巻きツツジの山頂】 直径10m位に木が切り払われており、ツツジが取り巻く。
ピンクとグリーンに囲まれた別天地である。日射しは暑いが、葉を鳴らす風が心地よ
い。蝶が舞う。腰掛けるのに丁度いい岩の上に荷物を下ろして、お湯を沸かす。ラー
メンができあがった頃に、同じ道から夫婦連れ現る。昼食中につき特に会話なし。
 霞がかかって遠望はきかない。しかし、南に多紀アルプスが三尾山〜鋸山〜三岳〜
八ヶ尾山とオールキャスト。北東は三峠山。長老ヶ岳もこっちだが見えない。北から
西は親不知、五台山だろうか。うーん、霞が恨めしい。また秋に来るか。
(ただし、9月10日から11月15日は入山禁止。)
 香里にスケッチをしてもらい去りがたい景色に別れを告げる。東、南、西の三方に
道がある。南はあの直登コース。東は尾根を伝って深山林道に出る。西が鉤掛尾根コ
ースだ。変化が期待できそうな西にする。

【鉤掛尾根コース】 山頂以外は雑木林の中になるが、ミニ小金ヶ岳を彷彿とさせる
岩が多い。道にツツジの枝が伸び花をつけているので、あまり人が入らないことが判
る。これこそ丹波の山。少し急降下もあるが直登コースを下りるよりか、香里には負
担が軽いかと思われる。
 鞍部に差し掛かると高さ30cmばかりのかわいい鉤掛地蔵が鎮座されている。思わず
自然に手を合わせる。尾根づたいの踏跡が有るが右の谷へ下りていく。立て札有り。
「マッタケ山につき、ワナ多種あり、注意」なかなかスリルのある山だ。(^^;;
雑木林から涼しい杉林になる。綺麗に苔むした大きな岩がいくつもある。

【自然の沢】 やがて沢が出てきて、苔やシダのはびこる清流を2、3度横切りなが
ら下りていく。三つ葉を広げたエンレイソウがあった。踏み跡が怪しい湿った道をテ
ープに頼りつつ下りていく。大きなシダと沢がジャングルの中の探検を思わせる。
水はあくまでも清らかである。しかし、あんまり気持ちのいい道ではない。香里は
文句も言わずついてくる。二つ目の堰堤の下が深山出合。やっと着いた。
 そうだ! 天狗岩に寄るのを忘れていた。登りも下りも1時間という行程。(^^;
隠れた丹波の名山であった。

  鹿倉山について   

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1997.5.5. BY M.KANE