初春の能勢・城山 山行記 

 
  城山から妙見山方面を望む  
 
         1998.1.3.  
 
 
 

■目的地:城山(433m)  <山域:北摂・大阪府能勢町>
■2.5万図:妙見山
■日にち:1998年1月3日(土)
■天気:晴れ
■同行者:俊一
■コースタイム:
  358mピーク西の小さな橋 発 [約245m](11:20)〜林道 白木谷線〜
  東山辺(12:05)〜北東尾根〜433mピーク(12:40)〜428.1m山頂(13:00-13:50)〜
  北の谷〜約345mピーク(14:30)〜358mピーク西の小さな橋 着(14:45)

【城山】 剣尾山の真南の山である。
その昔、能勢氏の支城があったと思われるが、手元に資料がなく詳細不明。(^^;
 山麓は大阪府のオリエンテーリング公認コースがある。(コースNo.1)
狩猟期間中(11/15〜2/15)はハンターに注意が必要。できれば入らないこと。
ハイキングコースなし。取り付きは北東尾根が良い。最短は南の月峯寺辺りから
いけそう。いずれもヤブ。鹿多し。

【リターンマッチ】 実はこの山、去年の大晦日に途中まで入りました。用事の
合間をぬって14時スタート。甘かったです。とっかかりから小ピークに着くと、
目指す山頂はヤブの海の遥か遠くに見えます。このヤブに気圧され、かつ、前方で
ガサガサと言う音。ハンターかな? 猪かな? 大晦日に怪我するのもいけないという
大義名分をつけて、逃げ帰りました。
 今日1/3は、篠山の多紀アルプス・小金ヶ岳の新コースを予定していたのですが、
気が変わって時間のゆとりもあるので、再度挑戦することにしました。

【踏み残された山道】 能勢町役場の先の交番横から大阪府青少年野外活動センター
の方へ向かう。斜面が伐採されて幼木の植えられた358mピークの真西に小さな橋が
ありこの手前の庭石置き場の様なスペースに駐車。橋の手前に「おおさか環状自然
歩道」の道標(杭)が立つ。剣尾山4.1kmとある。
 橋を渡って、杉と檜の植林の境目に笹に覆われた小径がある。ここから、左側の
高みに取り付く。登り切ると間伐された静かな雑木林の尾根道になる。なかなか歩き
やすくて良い道だ。10分程で右手に低い笹に覆われたトラバース状の小道がある。
これを辿ると、やがて2.5万図の谷に付いた破線道に合流する。ピンクのテープが
張ってある。マッタケ山ということかな。さらに西に進み、草の生えた幅3m程の道が
延びる。小川を2つ渡ると、同じ様な道に合流するT字路となる。剣尾山の南東尾根
から下りてきた道だと思われる。この辺りになると、目指す城山からは離れている
とはわかっていたが、これという取り付きがない。山辺の集落に出るつもりで歩く。

【林道のハンター】 前方から、コロコロと不気味な鈴音がした。すぐに猟犬が現れ
こちらに向かってくる。その後からハンターが2人。剣尾山側の山に入るという。
私は熊除け鈴を鳴らしていたが、猟犬の鈴に音が似ているので効果なし。赤い服を着て、
携帯ラジオを鳴らしといた方がいいと教えてくれた。以外と親切。お互いのためかな。
 集落が見えてくると、道脇に倒れかけた標識がある。「林道 白木谷線」。俊一が
ハンターに会った後、猪が出ると恐がっていたが、ハンターよりもましだろう。城山
には入っていないようなので、民家の中を取り付きを求めて歩く。

【北東尾根】 山辺川支流の橋を渡り、2.5万図の240m標高線から始まる北東尾根に、
民家へ登る道脇から踏み跡を見つけた。檜林の中の微かな道を登るとテレビ受信アンテ
ナのケーブルが張ってある。これにほぼ沿って登っていく。5分ほどするとアンテナ
が立っていて、その先は、開けた伐採地。ここにもUHF用の立派な受信アンテナがある。
 南側の眺めがきく伐採尾根から雑木林になり、峠のようなを横切り尾根づたいに
登る。踏み跡がありそうでなさそうな雑木林。俊一がま新しい糞を見つける。

【鹿と人の声】 左の谷で、ガサガサという音。見ると白い毛の尻が跳ねていく。
鹿だ。俊一にも教えるが、すでに物音だけ。北摂で鹿を見たのは初めて。剣尾山の
ハイキング道に鹿についての説明板があるが、やっとその内容を信じることができた。
 程なく今度は右の方から人の声。子供と大人。こんなヤブの山になんだろう。
それとも、ちゃんとしたハイキング道があるのだろうか。どっちに向かっているのか
姿は見えない。

【工房の主】 城跡を思わせる土塁のようなところを登ると、雑草の伸び放題の
平坦地となる。たぶんここが433mピークであろう。荒れた草の中から女の子を連れて、
スーパーのビニル袋を下げたお父さんが現れる。んん? このヤブ山になんたる軽装。
 「こんにちは、地の方ですか?」「はい。この山の下に窯を持っています。」と
名刺代わりの案内図を手渡される。「どちらから来られました?」「川西からです。
こちらの尾根づたいに登ってきました。」「やはりそっちが正解だったかなぁ。」
「しかし、こんなヤブにお互い物好きですねぇ。」「ここは、2回目なのです。
その先に見晴らしの良いところがありますよ。」という感じで早速案内していただく。
 茨が多いヤブに難渋しながら三角点の方へ向かう。わずかに南西の開けた鞍部で
おらが工房の辺りの説明をしていただく。

【東の展望岩】 またも土塁跡の様なところを登ると、さっきと同じ感じのヤブの原。
しかもここは背丈を越える笹が茂る。「あれ、全然変わってしまったなぁ。」と主。
笹をかき分けていくとまたアンテナが立っていた。その先に少し下ると歌垣山方面が
見渡せる岩がある。北摂版・ボタンブチという感じである。大きな岩がちょうど2つ
あるので、それぞれ腰を下ろして昼食。主はおにぎり、うちはカップ麺。
 焼きものの話は充分できなかったが、主は先に下りるという。それも岩の下の
怪しい道。確かに麓へは最短距離。3年生の女の子もよく付いていくものだと感心す
る。「また時間があったらいつでも工房に寄って下さい。」と言い残されて別れる。
「お気をつけて。」
 我々は、景色をもう少し楽しんでいたい。妙見山から歌垣山、その奥にちょんと
顔を覗かせる鴻応山。せっかくなので、三角点を探すとアンテナの近くにあった。
 
  約345mピーク付近からの剣尾山  
 
         1997.12.31.  
 
 
 
【湿った谷のヤブ】 さて、山頂から車を置いた地点までは、長いヤブ尾根が予想 される。歌垣山で方向を定め、コンパスで歩く向きを決める。尾根づたいに行く予定 がだんだんと谷に入っていった。獣道に誘われているようだ。倒木や湿った土の谷を 行くと、水場のような所に着いた。真ん前に剣尾山も見えてくる。このままでは、 山辺の方のため池に辿り着くであろう。地図で確かめるとやはりそうだ。林道 白木谷 線に行き着くことも考えられるが、ハンターに会うのはいやなので、右側の尾根を 越えることにする。 【ヤブ尾根を乗り越え】 ほとんど踏み跡がない。微かにあっても、獣道である。 松の葉の落ちたヤブ尾根に沿って進むが、疎林越しに剣尾山が見える。 うーん、また北に向いてしまったか。さらにもうひとつ右の尾根に渡ることにする。  3つ目の尾根を乗り越えたとき前方に明るい林が出てきた。見覚えのある所だ。 何と大晦日に断念した約345mの小ピークである。ここまで来れば後はしめたもの。 快適な明るい雑木林の尾根を下り、無事に到着。 【爽快感】 靴を履き替え、岩に座って一息。広がる青空。ヤブを押し通して抜け出 たためか、何ともいえぬ爽快感。病みつきになりそうである。俊一はどうかと聞けば、 彼もスカッとしたと言う。ただ、猪が出そうで怖かったのは忘れられないようだ。  今日は何事もなく歩けたが、狩猟期間中はハイカーの多い普通のハイキング道を 歩こうと改めて感じました。みなさんも気を付けて下さい。

  城山[能勢町山辺]について   

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1998.1.10. BY M.KANE