北摂・冬枯れ竜王山と焼尾     

 
 青空から始まる近畿自然歩道  
■目的地:竜王山(365.6m)・焼尾(368.7m)  <山域:北摂・宝塚市・猪名川町>
■日にち:2009年1月11日(日)
■天気:晴れのち曇り時々雪
■同行者:単独
■コースタイム:
  境野 発(10:15)〜近畿自然歩道〜(10:30)〜尾根みち分岐(10:45)〜近畿自然歩道合流(11:00)〜
  ソエ谷峠(11:02)〜X字路(11:10)〜358m山西のコブ(11:30)〜X字路(11:40)〜竜王山(11:55-12:20)〜
  竜王社(12:40)〜竜王山(12:55)〜ソエ谷峠(13:10)〜砂地(13:40)〜368.7m付近(13:45-13:50)〜
  砂地(13:55-14:15)〜近畿自然歩道合流(14:30)〜染谷池(14:32)〜近畿自然歩道〜境野 着(15:00)

 暮れ新年の寒波に続いて、再び今週も寒かった。12日は緩みそうなのでじっとしていようと思ったら
11日の朝、素晴らしい青空である。じっとして居れなくなり出かける。雪がなければ先週の三国ヶ嶽に
行こうと思ったが、その南の大船山でも上の方は白いものがぽつぽつ見える。想定済みなので
近場の地図をいくつか印刷していた。その内のひとつは、12年前に登った宝塚市大野原の竜王山。
山名由来の竜王社が最高点より西のピークにある、という話を聞いていたので確かめに行く。
国土地理院の地図は365.6mを竜王山としたままだが、エアリアマップ 「北摂・京都西山」は既に
365.6mを愛宕山、その西Ca325mピークを竜王山と改めてある。

 390.4mの点名「北穴虫」に寄ってから竜王山も良いかなと境野の空き地に駐車してスタート。
冬枯れの雑木林がいっぱい。日陰にはうっすらと粉雪が残っている。
390.4mの南西にある堰堤への道を登って行くと地図の左岸の破線道はほとんど廃れているようで
右岸の方が入り口は明瞭。しかしカヤの茂みが覆う。いきなりヤブに入るテンションではなかったので
すんなり戻って、もう少し東になる近畿自然歩道からに変更。舗装道の小さな峠を越えると古宝山がどっしり。
麓はのんびりした田畑が広がるが、抜け道を急ぐ車が頻繁に通る。
 
 古宝山の麓  
 自然歩道と舗装道の交差点に「遊歩道入口」という道標もあって、その名前を不自然に思っていたが
広い谷の林道を歩いていくと、案内板があって疑問が解けた。県の里山整備事業でこの谷が整備されて
遊歩道になっているようだ。それで「自然歩道」と「遊歩道」が重複しているのだ。また、この辺りだけ
雑木林の下生えが刈られていたのも納得できた。

 空気はきりりと冷たいが青空と乾いた冬枯れが心地良い。北側の小尾根沿いには沢が流れ、
まったけ山入山禁止の立て札もある。自然歩道からその沢を横切って尾根に登るルートも整備されている。
眺めも期待できるので谷沿いからそちらに切り替えてみた。木の階段を登りつつ見上げる青空は久しぶりの
目映さである。
 
 尾根ルートの空  
 焼尾や北穴虫に続く小振りの尾根が両側に見えてくる。赤松の混じったこの辺りならではの植生だ。
尾根のピークを右に巻いて谷から上がってきた自然歩道に合流する。その向いは焼尾に繋がる尾根。
道標など何もないが、明瞭な踏み跡が付いているのを確認する。

 林道を3分も歩かないでソエ谷峠に着いた。谷から谷へ乗り越えるという雰囲気のない不思議な峠だ。
ここからは前回も逆コースで12年前に歩いている。358m山の東側を巻く道を辿る。いきなり荒れた道となる。
くねくねと曲がってシダのヤブを通り倒木をくぐったりしていると方向感覚が完全におかしくなっていた。
尾根の鞍部のような所で、踏み跡がX字の様になった所に着く。358m山のすぐ北の鞍部なのだが、
どうしたことか随分歩いたように感じて、もう一つ北のコブにある鞍部かなと勘違い。竜王山の方角は
来た方のすぐ左の道と思いこみんで、引き返してしまうが気づかないまま進む。
 
 X字路の南側 
 少しヤブっぽい登りで踏み跡はある。右手の林越しに池と集落が見える。
地図を見るとあんな位置に池はない。きっと地図に漏れているのだろう。新しい池ならきっとそうだと
まだ間違いに気づかない。廃れた峠のような鞍部を登り返してまた下りになる頃に視界が開け
前方の地形が判るようになった。どうも竜王山とは違うような感じ。さらに奥に見える山は小柄ながら端正な
ピークにアンテナが立っている。あれ?あの山は天狗山ではないのか? ここでやっと自分が違う方向へ
歩いていることに気づく。
 
 間違いポイントからの眺め  (最奥に羽束山)
 358m山を登って北穴虫390.4mに向かう尾根の上にいるのだ。そのまま行ってみるのも良いのだが、
今日の主題は竜王社と焼尾なので、スタートが遅い分ちょっと無理かなと判断し、間違えたX字路に戻る。
30分のロスタイムでした。X字路に着くとそのまま左の谷を巻くような水平道を行く。途中少し崩壊しかかり。

 右手に別の谷が出てきて、その向こうに岩稜に木が生えた雰囲気の小ピークがある。そのまま尾根なりに
北へ行くがヤブっぽい中を踏み跡が3つほど平行している。中央が窪んで小さいながらも二重稜線。
小さいな里山なのにいっちょ前の地形が面白い。その先は左寄りの道からひと登りすると三角点が見える。
立木で展望はない。葉が落ちているので明るい。以前来た時よりもメジャーになった感じ。
丁度正午のサイレンが鳴る。昼飯はどこにしようかと思案するが、静かなのでここで済ますことにした。

 さて竜王社があるという西のピークへ向かう。短い平坦尾根から少し北寄りに採る、と判っていたが雑木で
少し難しい。周りの様子が見える所まで下ると真ん中の谷へ下りていた。北にトラバースして尾根に付くと
踏み跡明瞭、かわいいコブの二つめで祠の裏側に出た。表に回ってみると5m四方ほどの広場になっている。
赤い鳥居は鉄製のようだ。祠は二つあるが詳細は確認せず。
 
 祠 
 ここからソエ谷峠や焼尾に向かうには、一旦東部の集落へ下りる手もあるが、昼食した山頂から引き返した方が
高低差が少ないと思い。ぐいぐいと戻る。ソエ谷峠に着く頃は、青空がどこかへ行ってしまい北から鉛色の雲が
迫っている。焼尾はどうしようかなと思ったが、行ってみることにした。

 行きに見た自然歩道脇の尾根取り付きから入る。少し荒れた感じはするがはっきりした良い道がある。
南へ直角に曲がる辺りが判りにくいが低木ヤブの中をなんとか見つけ出せた。細い鞍部を登り返す辺りで
踏み跡はシダのヤブの中に消えている。シダのヤブは苦手だ。右手に避けて低木ヤブの斜面を登る。
市町界のCa375mピークに登る前に右手に巻き道があるのでそちらを選択。
 
 シダのヤブ 
 今度はヤブっぽい廃れた感じの鞍部に出る。東の緩い上りの先で砂露地に飛び出した。本日最高の展望である。
残念ながら青空ではない。羽束山、大船山、大野山、猪名川三山、剣尾山、半国山、愛宕山、能勢妙見山。
眺めに浸るのも良いが、判りにくいという368.7mの三角点を探してみよう。
 地形図では、この辺りに土の崖が二つ記してある。櫛状の記号とびっくりマークの記号。展望が良いのは
びっくりマークの方。ということは、もう少し北東である。踏み跡を辿ってとなりの小尾根に移り、それらしい所を探す。
おっ、と思ったら立派な県の基準点だった。しばらく探すが見あたらない。もとの砂地に戻ってひょっとして
ここの方かなとうろうろ、こちらにも基準点があった。しかし、三角点は判らず。
 
 砂露地からの眺め 
 雲行きも良くないので残念ではあるが帰路につくとする。来た道を戻るが、市町界のCa375mピークの北尾根で
左に踏み跡がある。面白そうなので辿ってみるとすぐに判らなくなった。このままこの支尾根を行くと東に下りて
近畿自然歩道に近道できそうだ。
 低木ヤブが続くが思ったほど長くない。しかも自然歩道近くになると間伐してあるので容易に下りることができた。
今度、焼尾に行く時はこの支尾根から取り付こうかと考える。
 
 染谷池 
 既に曇り空となってしまった谷の林道を歩いていく。染谷池を過ぎ、朝は小雪の残っていた日陰も白い点々は
無くなって地面が湿っている。古宝山の穏やかな懐を愛でながら車に戻る。あぁぁ、面白い歩きでした。(^^)v


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2009.1.28. BY M.KANE