冬の水源行 六甲・トゥエンティクロスから双子山
コサギ (トゥエンティクロスにて)
■目的地:双子山 (616m)
■日にち:2007年1月28(日)
■天気:晴れ時々曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
北神急行 新神戸 発(10:35)〜布引雄滝(10:55)〜布引ダム(11:15)〜市ヶ原(11:35)〜
地蔵谷出合(13:50)〜高雄山砂防ダム上(12:05-12:10)〜二十渉堰堤(12:30)〜昼食(12:35-12:55)〜
森林植物園東門前(13:05)〜黄蓮谷出合(13:15)〜車道(13:35)〜石楠花山展望台(13:55)〜
炭ヶ谷分岐(14:10)〜双子山(14:20)〜Ca595m山(14:30-14:35)〜神鉄花山駅 着(15:15)
昨日は石楠花山展望台と双子山へ行けなかった。今日も天気は良いいので、もうひとつ気になっていた
トゥエンティクロスと合わせて歩いてみよう。神戸電鉄谷上で北神急行に乗り換えて新神戸へ出る。
地下のホームから上がると街の真ん中。山から下りてきた人間には場違いの雰囲気だ。
加えて街中になると道がわかりにくい。 (^^; 地図を頻繁に見ながら新幹線の新神戸駅の下をくぐって
滝山城跡との分岐を布引の滝方面へ上る。長い階段道になるので一枚脱ぐ。足下には轟々と水音響き
満々の水が谷を削っている。
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谷を見下ろす | 布引雄滝上部 |
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雄滝はさすがに堂々としたものだ。街中のすぐ近くにこんな名瀑が潜んでいようとは。
数人寛いでいた特等席、崖上の茶店を通り抜けて見晴台への道。舗装された遊歩道の斜面に茂る木々の
様子は、なつかしい杭州の呉山を思わせるものだった。見晴台で市街を眺め貯水池の入口ゲートを過ぎて
明るい渓流を縫いながら歩くと大きな古いダムが現れた。
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貯水池入口ゲート | 布引貯水池 |
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布引貯水池、なかなか静かなところだなぁ。水辺の道は静かで冬枯れと晴天で心地良い。
古い水道施設の説明板など見ながら観光気分の歩き。道標が整備されてゆっくり歩ける。
紅葉茶屋や市ヶ原を過ぎる頃にやっと山道という感じになる。
市ヶ原はかつて六甲縦走をやった時に通ったはずだがほとんど記憶に残っていない。
それも仕方がない、もう20年以上も前の話だから。眼下の広い川原は覚えがあるような感じ。
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市ヶ原の川原 | 地蔵谷出合 |
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多分以前は別の道だったのではと思わせる、堰堤を高巻く木の階段道を登っていく。空が広がって
いい気分。冬枯れの山並みがぐるりと取り囲む。天狗道分岐で全山縦走路から分かれ、地蔵谷出合、
黒岩尾根分岐と、いくつもの分岐を見送って沢沿い、林の中を歩く。
ツバキの葉で覆われた薄暗い斜面を登って広場に出ると高雄山砂防ダムの看板がある。眼下にある
堰堤の巻き道だった。堰堤がなければゆるりとした水辺の歩きができるのかもしれないが、毎年水で
道が流されるかなぁ。広場で一服。
工事の迂回路を通って植林の中を沢へ下りる。この先がいよいよトゥエンティクロスのハイライト。
沢の上の置き石を渡る。残念ながら回りの景色は少し荒れた感じで水底も泥が少しある。
憧れ続けてイメージがどんどん美化されてしまったようだ。上流に行くに従い良い感じになってきた。
ある石渡りの途中で、脇に白いサギがいた。カメラを構えても人慣れしているのか動じない。
谷道でありながら、葉を落とした林に囲まれて穏やかな陽射しの静かな歩きに満足。
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徒渉地 | 二十渉堰堤 |
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ザーザーと滝音が聞こえて来た。いよいよ二十渉堰堤のようだ。二段になっている。巻き道を
登ろうとして振り返ると、イタチがひょこひょこ飛び歩いていった。足音はしない。水が澄んでいる。
湿地状になった堰堤の上を過ぎて絵に描いたような林の道となり、右手に真新しい砂防堰堤の下を
通る。腹が減ったので出来立てのこの木製堰堤上で昼食にする。鳥が鳴いている。
人心地ついてしばらく歩くと沢沿いにもっと昼食適地があったのだ。今度来た時に利用しよう。
森林植物園東門の前を過ぎて幅広な板の橋を渡ると山田道分岐。右の徳川道へ入る。
道の両側からササ越しに沢音が聞こえるようになる頃、黄蓮谷への分岐となる。
黄蓮谷ルートはずっと谷道と思っていたが、落ち葉道から何度か小さな沢を渡ると植林の登りとなる。
尾根に上がり陽射しがまぶしい。枯れ木越しに黒い山並みが覗く。さらに尾根の登りは続く。
トゥエンティクロスの緩やかな歩きを挽回するような登りである。松葉で覆われた道も出て変化あり。
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山田道分岐過ぎ | 黄蓮谷西尾根 |
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そして、六甲のお約束のように歩き倒した先で車道に出る。横断した向かいの山道から石楠花山へ。
昨晩は雪が降ったようで、道の落ち葉が濡れている。上からポトリと溶けた雪が落ちて来た。
鉄塔の下を過ぎていい感じの雑木林になったなと思うのも束の間、両脇が高い竹薮となった階段急登が
待っている。振り返ると竹の間に西六甲の展望が得られる。日陰に雪の残る展望台広場に到着。
展望台に登って展望を期待するが、少し霞んだ神戸港がやっと見える程度だった。その手前には名前の
とおり黒々とした黒岩尾根の裾。
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展望台から港 | 林道から最高峰 |
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三角点は昨日見たので車道を下る。林の切れ間からや三国池北の斜面越しに最高峰と思われる
アンテナが小さく見える。車道は地道なので足に心地よい。明るい林の歩き。少し湿った所がなければ
なおいい。昨日尾根伝いで歩いたササの雰囲気を思い出しながら歩く。
見覚えのある烏帽子岩への分岐、ここを右に下ると炭ヶ谷分岐。今日は迷わず直進して双子山へ。
いい感じの雑木林を上り返すとすぐ右に電波中継のパラボラがあった。その先も踏み跡が続いている。
元に戻って熟練者向きにしてはあまりにも明確な道が続く。NHKの電波施設が建ってからメジャーに
なってしまったのかもしれない。三ツ谷への降り口を示す小さな標識とテープがあった。
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炭ヶ谷分岐過ぎ | 大町方面俯瞰 |
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NHKの案内板があり、よく見るとハイキングコースと記されている。双子山の616mピークへは東面を
一旦巻いて登り返す。三角点のないピークは林の中で、ただの通り道の感じ。脇に小さな電波施設がある。
西側からも道があるが深追いしなかった。
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616mピーク | 鞍部の林 |
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いよいよ双子山のもうひとつのピークへ向かう。短い平坦道の後、急な坂に延々とロープがつけてあった。
鞍部は良い雑木林だ。登り返しもきついが、すぐに二つの小さな建物が建つCa595mピーク。
所々切り開かれて見晴らしが利く。西に北東にと神鉄沿線の街並み、丹生山地の山並みが見える。
エアリアマップの破線道は北東寄りになっているが、実際は少し西寄りに明瞭な下り口がある。
他に踏み跡はないのかなと切り開きのぐるりを見てみたがはっきりしない。明瞭な方で下りることにする。
急斜面だ。雑木林は良い感じ。が、しかし、残念なことに、五月蝿い。下を走る阪神高速の喧騒が響いて
きて趣がない。あぁ、もっと早く来るんだった。しかし、その頃はまだ私が雑木林の良さを知らない時期だ。
細い踏み跡のような道は大きく北東へ下りていくようになる。見上げると苔むした岩があったりする。
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Ca595m北面 | 歩道橋から仰ぐ |
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転げるような雑木の斜面がようやく緩やかになる頃、左手に池や泉が現れた。しばらく下りると
おじさんが空のボトルを引いて上がってきた。この入山口近くには、阪神高速の上に歩道橋が
架けてあるが、昔から利用されているこんな泉があったためだろうとも想像される。入山口の東へ
舗装道が下りているので、そちらからは三ツ谷へ入ることができるのかもしれない。
団地の裏に出て自販機のジュースで一息つき、ゆらりと駅まで歩く。電車を待つホームから
見える双子山、やっと落ち着いて眺めることができるようになった。
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2007.2.17. BY M.KANE