ドウダンツツジ咲く大峰・大天井ヶ岳と奥駈道 

尾根道  
奥駈道・今宿跡あたり
■目的地:大天井ヶ岳(1438.7m)から辻洞茶屋 <山域:大峰・天川村・川上村>
■日にち:2001年6月2日(土)
■天気:晴れ
■同行者:もぐもぐさん、貴公子さん
■コースタイム: 自宅 発 (6:05)=阪神高速=R309=洞川 着(8:40)

  五番関トンネル 発(9:20)〜五番関(9:40)〜大天井ヶ岳(10:25-10:50)〜
  五番関(11:30-12:05)〜小天井岳〜鍋カツギ行者堂(12:40-12:45)〜
  今宿跡(13:10-13:20)〜辻洞茶屋(14:05-14:20)〜お助け水(14:35)〜
  一本松茶屋(14:35)〜一ノ世茶屋〜大峰大橋(16:10) 着

【洞川へ】 前夜になって明日のミニオフを知る。
予報は晴れ、時間もある。起きれるかナァ。とりあえずひと月ぶりにリュックを詰めて寝た。
5時半起床、もぐもぐさんへ参加表明。MLで貴公子さんから紹介のあったルートでアクセス。
水越トンネルを抜けると東にまほろばの山並み。迷うことなくなんとか洞川へ入る。
 洞川温泉センターの広い駐車場は朝も九時前では閑散。見覚えのある車が二台あるが人影なし。
温泉の方かなと歩いていると後ろから呼び声。名水とうふを予約して来たそうだ。今日のコース
と駐車地を確認。まず母公堂に向かう。といわれても不案内の地、ただついていくだけ。(^^;
取り付き  
公園の奥から入る
【五番関】 宿の並ぶ狭い道を抜けて山の中になる。道脇に突然お堂があった。母公堂。
ここは駐車料500円/日。貴公子さんの車に乗って五番関へ。立派な五番関トンネル、この南口は
小さな公園があり、広い路肩に5台ほど駐車可。すでに3台、緑が深い。
 身支度をして公園の奥にある道標に従い植林へ。杖に丁度良い枝があったので手にして入る。
急登が続く。20分弱あえいで小広く切り開かれた鞍部に着いたら五番関。右手の山上ヶ岳側には
女人結界の門が立つ。これがかの門かと感慨深い。一息ついて大天井ヶ岳へ。道標には左寄りに
指す古道の方を採る。平坦な道はすぐにづづら折れの登りになる。
谷  
高原川の谷
【大天井】 大きな塔のような岩で小休止。行に関係あるポイントのようでもあるが不明。
植林が左手に続く。右には高原川の谷が緑の木立を透かして見え隠れ。この先には山上ヶ岳と
その手前の尾根が見えるポイントがある。緑濃い山並みがうねる。やがて登りは緩くなりブナが
出てきて、大きな幹を成すものもありいい雰囲気になってきた。メインルートは右前方と指す
道標の左側をまっすぐ登ると先に明るいピークが待っていた。山頂は誰もいない。西に開けて
葛城山と金剛山が薄く霞んで見える。四寸岩山から北へ吉野に続く尾根も顔を出す。青空が広が
ってきた。サラサドウダンのかわいい花穂やモミジの青い葉。久しぶりの山の中、落ち着くナァ。
 切り開き両側のササに踏み跡がある。左は岩根峰の道標あり、右(北)は軌道のようなものが
下りている。
サラサドウダン  
大天井山頂のサラサドウダン
【鳥たち】 ご夫婦や3人パーティと増えてきたので辞する。再び高原の谷へのいい感じの林を
愛でる。いろんな鳥が鳴いている。ツツドリ、シジュウカラ、コマドリ、ウグイス。他にも居る
かもいれないが、さえずりで覚えるには識者と一緒じゃないとねで落ち着く。
 五番関手前の下りは急で、改めて登りがきつかったことを思い知る。五番関は青空と緑の中。
風も微かに通る。ひと休み。が、腹減ったので昼食になる。虫が少しうるさいが気にならない。
昼寝モードが襲ってきそうなのどかな山中。至福のひととき。
 巻き道の奥駈道からご夫婦が現れた。我々が予定していたもう一つのルートを歩いてこられた
ようだ。山頂からは先の軌道の道を下りられたようだが、急勾配なので山頂手前の道標まで戻っ
た方が良いと言われていた。

【小天井】 山上ヶ岳の方から迷彩色の若者二人が現れる。いろんな人がいるものだ。
門から先は現用の奥駈道と古道がある。古道は鄙びた細い山道を呈している。我々は迷いつつも
こちらを選択。再び尾根に取り付く急登である。先を行くもぐもぐさんは時折クモの巣攻撃を受け
られたようだ。やがて緩やかになりちょっとしたコブにて一休み。ここが小天井。林の中。
 さらに植林の中を登ると左手から本道が近づいて合流。その先に鍋カツギ行者堂がある。二人は
由来や役行者像の確認に余念がない。私はそれより北の方に落ち込む谷に広がる林に惹かれてしま
う。下草の少ない素晴らしい森が始まった。
森  
ブナの森
【天上の道】 ここから先の道はそれこそ天国のような歩きが続いた。ブナの森である。
下草がなく枯れ葉だけの林床。涼しい風。ふかふかの道。浮遊する緑。
ため息の連続。誰が掃除したのでもないのにきれいに清められた足もと。
道も良く踏まれている。母のようなブナが幹を大きく立つ。
 今宿跡は銘板がなければ気が付かない所。北寄りに礎石があった。
周りはブナの自然林である。足元には見知らぬ白い花。
少し登って下ると木々が切れて東に視界が広がる。台高の山々だが地図もなく
同定は難しい。貴公子さんが山腹のドライブウェイを見つけて大台だろうと
いうのは説得力があった。遙かな山並みを眺めると、なお山旅に誘われていく。
山並み  
奥駈道から大普賢や台高方面
【覗き】 さてその先には岩の登りがあった。ロープも付いていて以外と長く続く。
蛇腹、エアリアマップには注意マークが付いている。登りは良いが下りは気を遣うだろう。
その途中では大天井ヶ岳の端正な姿と歩いてきた緑の尾根が一望である。あの緑の中に
素晴らしい道があったんだなぁ。
 岩場を登ると緩い登りの末に小さなササの茂る尾根を過ごし、その先に西の覗きを
始めとする山上ヶ岳の岩壁が聳えて現れた。開けた明るい道の末に辻洞茶屋の賑わいに到着。
トンネルのような茶屋で一息ついて表参道を下る。さすがに人が多い。お助け水の下に下って
くると、歩いた尾根の山腹が現れてくる。以外と荒々しい岩が切り立つ様子はとても尾根道の
優しさから想像できない。
山並み  
蛇腹から歩いた尾根と四寸岩山
【余韻】 一本松茶屋、一ノ世茶屋と辻洞茶屋と同じトンネル状の茶屋を通過して高度が
下がると暑くなってくる。植林も道が平坦となり、女人結界の門を抜けると大峰大橋。
橋の上から見上げるとレンゲの谷越しに岩峰が遥か高い。ここから見ると険しさはひとしお。
 後はホウチャクソウなど路傍の花を愛でつつ母公堂へ戻る。
帰路に就く前に洞川温泉で汗を流した。やはり歩いた後の温泉は心地よい。
今日は一泊してレンゲ辻も行こうかなど飛び交う。ずっと浸っていたい心地になる尾根でした。
もぐもぐさん、貴公子さんありがとうございました。
山並み  
山上ヶ岳を背に辻洞茶屋



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2001.6.16. BY M.KANE