雷鳥と戯る御嶽山 

 
コマクサ 雷鳥

■目的地:御岳山(飛騨頂上)(2790m)
■日にち:1998年7月27日(月)
■天気:晴れのち曇り (山頂は時々雨)
■同行者:香里(11才)
■アクセス:
      ◆7月26日(日)
  自宅発(15:00)=(名神・中央道)=恵那峡SA(18:20-19:10)=中津川IC(19:15)
  下呂(20:30)=R41=小坂=県道=道の駅「南飛騨」(21:00)泊
      ◆7月27日(月)
  道の駅(4:15)=県道=鈴蘭峠=県道(途中に展望台あり)=濁河温泉(5:30)

■コースタイム:

  小坂口登山口(6:10)〜仙人橋(6:30)〜7合目(6:45)〜湯の花峠(7:05-7:15)〜
  胡桃島キャンプ場分岐(7:35)〜のぞき岩(7:40-7:50)〜8合目・お助け水(8:20)〜
  森林限界(8:40)〜飛騨頂上(9:40-10:25)〜継子岳稜線2800m(10:40-11:00)〜
  飛騨頂上(11:15)〜お助け水(12:25)〜のぞき岩(12:55)〜小坂口登山口(14:05)

【道の駅】 もともと車中泊で計画しました。26日のうちに濁河温泉まで行く計画で
したが、R41から小坂で左にそれ、右折して県道に入ると5分程度で道の駅があった。
濁河温泉の状況がよく判らないのもあり、トイレもすぐなので、ここで朝を待つこと
にする。先客2台、さすがに日曜の晩、少ない。
 夜中に何度か目を覚ますが4時に起きる。車を出し、濁河温泉へ向かう。途中の
展望台で日の出前の御嶽山全景を目の当たりにできた。反面、温泉への移動時間が
登りに充てられたら晴れた山頂に巡り会えたことでしょう。香里にとっては後者が良
かったかもしれない。しかし、展望台から見える兵衛谷は、国境尾根の手前で大きく
えぐれて、その大きさは御嶽の偉大さを誇示する価値ある眺めでした。

【濁河温泉】 R41・小坂から40kmの県道は予想以上に長い。工事の看板があったが
気にせず、順調に5:30到着。町営駐車場が、こじんまりとした温泉街の合間に3ヶ所
ほどある。合計で30〜50台位の収容。一番上まで車を進めてみる。登山口前の町営駐
車場に先客3台。ここに停めて朝食。早朝から散歩やカメラを持った人達が数人。
 スープのお湯を沸かし、クラッカーをほおばりながら身支度をする。

木の階段  
   木の階段が続く 
     
 
             1998.7.27. 
 
【仙人滝】 御嶽神社飛騨口里宮へかかる橋を渡る。登山届のポストがあるので 一応シートに記入して投函。素朴な里宮の湧き水で顔を洗う。冷たさに目が覚める。  遊歩道も兼ねた道を5分も歩くと、左に仙人滝への分岐。まっすぐ歩いて左に 水量豊かな仙人滝が木陰越しに目に入る。まもなく草木谷に架かる仙人橋。名前とは かけ離れた鉄筋の吊り橋。硫黄のにおいがほのかに立ちこめる。
湯の花峠から山頂を望む  
   湯の花峠から 
    雲のかかった山頂を望む 
 
             1998.7.27. 
 
【森】 苔むした森が始まる。出迎えるようにギンリョウソウがにょきにょきと立つ。 大きな杉の木があって「7合目」の標識。おぉ、もうそんなものかと気を緩めてはい けない。山の高さが伊吹山とは倍以上違うのである。道脇では白い豆の花のような セリバシオガマが延々と導いてくれる。7:00、下山の単独行に会う。  歩き始めて約1時間、湯の花峠に着く。標高2103m。香里は鐘を突く。谷越しに 魔利支天山を望むが雲が懸かっている。その下に滝が見える。  さらに登る。木の階段というか、木道がかなりの範囲で敷き詰められている。 周りはツガやトウヒなどの針葉樹で、根元は苔がはびこる。「シシ神の森」である。  標高2270m、のぞき岩には3畳ほどの小さな避難小屋がある。ここから上では、 山頂方面が林越しに見え隠れするが、ガスが出たり晴れたりでめまぐるしい。 「ねむい・・・」と香里。8合目のお助け水に着いたのは歩き始めて約2時間。水は 枯れているようだ。簡単なトイレあり。
魔利支天山  
   森林限界の先から 
    魔利支天山を望む 
 
             1998.7.27. 
 
【ハイマツ】 やがて木が低くなり、ハイマツだらけの森林限界。左に小さな空地が あるので小休止。長袖のトレーナーを着る。眺めは最高である。濁河温泉街や遠く 県道が小さく見える。その先は雲の中。片や頭上には大きくのしかかるように継子岳。 まだまだ登らないと行けない。ここからも頻繁にガスが出たり晴れたりしているのが 見て取れる。  久しぶりのハイマツの中を右へトラバース気味に登る。香里はまた「ねむい...」を 連発、高度障害かなと思いペースをゆるめる。2、3分に30秒程休みを入れながら 徐々に登ることにする。ハイマツの影で、ゴセンタチバナやイワオトギリなどの高山 植物が顔を出してきた。  魔利支天山の荒々しい崩落地が間近に見える。微かに硫黄のにおい。やがてハイマ ツも途切れてザレ場。もう飛騨山頂という手前で一部滑落要注意の細い道が斜面に あり、譲りながら行き来をする。ガスが広がってきた。
ゴセンタチバナ イワツメクサ オンタデ イワオトギリ タケシマランの実
【雨】 飛騨山頂直下の五ノ池を見たときに小雨。お花畑を横目に急いですぐ横の 小屋に待避。あまりおいしくないチキンラーメンを食べていると、次々と人が入って きてあっという間に10人程になる。屋根の雨音が時々大きくなるのでさらに待つ。 小降りになったところでカッパを着て継子岳へ。四ノ池を見下ろせるところがあるが、 ガスが立ちこめて見えない。水滴が風に吹き上げられて来る。ガスは晴れる気配なし。
ガスの飛騨山頂付近  
   ガスの 
    飛騨山頂付近 
 
             1998.7.27. 
 
【花と鳥】 2、3分ザレた稜線を歩いて、そうそうコマクサを探さないとと思い 出したところに、ポツリと一株咲いている。あららぁ、図鑑の写真そのまんまじゃん かぁと妙に感激。その先にもほいほいと咲いている。デジカメに納める。しあわせ。  また雨が降ってきたので前方の大きな岩陰で雨宿り。継子岳手前の2800m辺り。 その時、岩の下方3m程のハイマツの中に雷鳥発見。ひなを連れてこっちに登ってきて いる。鳥好きの香里に教える。そっと覗いて観察モード。かわいらしいひなが5、6羽。 だんだん今来た登山道の所に出てきた。小雨だが香里がそぉっと出ていく。ひなは よちよちと避けて行くが2、3mまで近づける。親鳥が見守るようにひなを誘導。 さらに距離を縮めて、50cm位先の岩の上で親鳥はポーズ。ん? こやつ、人慣れして いるなぁ。香里は大満足。眠いのも小雨も関係なし、どこかへ吹き飛んだひとときだ。 【下山】 雷鳥達が下のハイマツに去っていったら、この小雨だし予定の継子岳から 四ノ池の周遊は断念することにした。後は来た道を慎重に下りるのみ。お助け水の上 で、トレーナーを脱ぎTシャツとカッパに、のぞき岩で雨もここまでは来そうにない ので、Tシャツだけになる。路傍の苔たちが一段と瑞々しく生き生きしている。  下りは木の階段が長くて滑らないようかなり気を遣いました。  実は19時に香里は用事があるので、それまでに帰りたい。しかし、はやる気持ちを 抑えて、怪我しないように足場を確認しながら下りていったのです。
7合目付近の森  
   7合目付近の森 
     
 
             1998.7.27. 
 
【帰路】 温泉もグッと我慢して帰路につく。..が、なんと鈴蘭峠手前で工事による 足止め1時間。あと5分早かったら通れたそうな。信じられない話である。 ジタバタしてもしょうがないので図鑑で花の名前を確認したり、車内の整理をしたり、 仮眠したりする。案外と時の経つのは速いものである。こんなんだったら、温泉に... と思っても詮無いこと。  結局、愛知県・岐阜県美濃地方の大雨洪水警報での50km/h規制にも遭遇し、香里は 用事をキャンセルしました。自宅着21:30。まぁ、元気で帰るのが一番!

  御嶽山について 
 
  山のリストへ  / ホームページへもどる
1998.8.1. BY M.KANE