残雪輝く木曽の御嶽山          

田ノ原から  
田ノ原から剣ヶ峰を見上げる  2000/7/2 13:50 
■目的地:御岳山(剣ヶ峰)(3067m)
■日にち:2000年7月2日(日)
■天気:晴れのち一時雨
■同行者:俊一(11才)
■アクセス:
  7月1日(土) 自宅発(17:25)=(名神)=多賀SA(19:00-19:40)=(中央道)=
         中津川IC(21:30)=R19=県道=道の駅「三岳」(22:40) 泊 気温19℃
  7月2日(日) 道の駅 「三岳」(5:00)=田ノ原(6:05)

コースタイム:
  田ノ原 発(6:45)〜大江権現(7:10)〜金剛童子(7:30-7:35)〜八合目石室(7:45)〜
  富士見石(8:05)〜九合目石室(8:35)〜大ノゾキ(8:50-8:55)〜王滝頂上(9:05)〜
  剣ヶ峰(9:50-10:20)〜黒沢側尾根約2960m地(10:30-11:25)〜山頂小屋(11:35)〜
  王滝頂上(11:55)〜九合目石室(12:15)〜八合目石室(13:05)〜田ノ原 着(13:55)

【道の駅】 どこで泊まろうか、田ノ原まで行くと寒いだろうなと思っていたら、
まだ出来立てのような道の駅「三岳」が目に入る。迷わず停車。既に3台、うち1台は
売店の庇でテント設営中。
 俊一はすぐに寝息を立てる。寝付けない、夜中にも何度も目を覚ます。いつの間にか
眠りに入り気がついたら明るくなっていた。天気は曇り気味。眠り足りないが既に
明るいので田ノ原へ向かう。
道の駅  
道の駅 朝5時
【釜沼温泉】 帰りに時間があったら立ち寄ろうと釜沼温泉へ寄り道。ひっそりとした
民家のような玄関に日帰り入浴の案内があった。メモを取る。
 日曜日 13:00-16:00  火・水・木曜日 13:00-15:00 大人\800 子供\600

【田ノ原】 御岳湖の脇を抜けスキー場を縫って登ると、ぬうと御岳山が姿を出した。
白い残雪の筋をいくつか従えてなかなかの風格。朝日を浴びて雪が白く輝く。田ノ原の
手前にはいくつもアンテナを立てたワンボックスが2台、運用中。すぐに大きな駐車場に
着く。この地は十数年ぶりだがトンと記憶にない。それよりなにより眼前に大きく裾野を
広げる御岳山の姿に圧倒された。まだ車の少ない駐車場で朝食しながら身支度。
田ノ原自然園  
田ノ原自然園
【針葉樹】 シラビソなどの針葉樹が目立つ田ノ原自然園を横目に広い砂利道を山へ向け
て歩く。若者のパーティがテントを畳んでいた。拝殿の横を過ぎると道幅が狭くなり緩い
木の階段。大江権現で幅はいよいよ1m程になる。ウグイスなど野鳥が良く鳴いている。
コイワカガミが咲いている。花は少ないが、特筆すべきは山桜がまだ咲いていたこと。

【小バエ】 両脇が白樺混じりの林だったが金剛童子まで来ると、ハイマツ帯に変わった。
八合目の石室に着く。俊一はまとわりつく小バエの多さに悩まされているが、
虫を無視できるようにならんとアカンでと諭す。これぞ悟りの境地への第一歩と、
ひとり、信仰の山ならではの思いにふけりつつ、一歩一歩高みへ移るオヤジ。
八合目  
八合目からの南望
【雪渓】 見上げていたばかりだった残雪が富士見石では目の前に現れる。雪渓の向かいの
岩で雷鳥の声を聞く。大きな岩がゴロゴロとした道を登る。大ノゾキでは、荒々しい断崖を
目の当たりにしていよいよ高いところへ来たかなと実感する。微かに硫黄の臭いが風に乗っ
てきた。
王滝頂上小屋  
王滝頂上小屋を見上げる
【酸素少ない】 やっと王滝頂上に着いた。息が少し苦しい。俊一も元気がない。
工事中の小屋を抜けると殺伐とした風景の八丁だるみ。この先に緑のない剣ヶ峰が青をバックに
そびえ立つ。硫黄の臭いが漂う八丁だるみを過ぎて最後の上りに入るが、俊一のペースに合わせ
てゆっくりと休みながらいく。美馬さんのHPに掲載されていた1週間前の様子に比べると、
雪がかなり減って山頂小屋の下は融けて無くなっていた。
 まだ浸水の小屋もある山頂小屋群の間を抜けて御岳神社の最後の石段を登る。
剣ヶ峰  
八丁だるみから剣ヶ峰
【高地】 三角点から北に見える継子岳がまず持って懐かしい。乗鞍の裾野が顔を出すが
湧いた雲で全容は見えず。神社の後ろへ回ると地獄谷の噴煙とともに一ノ池が見渡せる。
一ノ池は池と言っても草のない砂地で水もない。遠望は南側が主。その遥かな山並みに聳
えるは前山であろうか。東の雲は見る見るうちに高くわき上がり我が足元よりも高くなった。
継子岳  
剣ヶ峰から継子岳
【紫外線】 コバルトブルーに残雪が美しい二ノ池、あそこまで行ってみようと山頂を後にするが、
これが以外と高度を下げるので、途中で道を逸れてガレた岩の中で腰を下ろす。陽射しはきついが
風は心地よい。お湯を湧かしてご飯ができるのを待つ。ごろりと青空を見る。
144を聞いているとたくさんの移動局が出ている。遠いところは浅間山から、出力不明。
食べている間に同じ人が行き来する。ランニング状態。夏山へ向けての高度順応でしょうか。

【戻り】 ここから王滝頂上へは雪渓を横断するルートもあるが、とてもそんな所を歩く勇気はなく、
しんどいが山頂小屋まで登りなおして八丁だるみへ下りる。相変わらず草が一つもない殺風景な道。
人は多くもなく少なくもなく。東の雲がかなり広がってきた。

【雷鳥】 王滝頂上からは下りるだけ。下界を覆ったガスが時々上がってくる。
九合目あたりで雷鳥の声を聞く。俊一がどうしても見たいというので、雪渓の向こうに目をこらすと
幸運にも、ハイマツの下に夫婦で出てきた。肉眼でもそうと解るが俊一は双眼鏡で観察。
 九合目と富士見石の間は小さな雪渓を横断するが、既に何人も踏んでいて足元が緩い。
バランスを崩したら滑落だなと大げさに考える我々。片やもっと上の雪渓でシリセードや登山靴の
ままでスキーを楽しむご夫婦もおられた。見ている方が心配になる。(^^;
田ノ原俯瞰  
田ノ原を見下ろす
【雨】 富士見石あたりで雨粒が落ちてきた。背負い子に昼寝の幼児を担いだ若い夫婦も
カッパの準備。雨は10分程度で一旦止むがまた降り出す。今度は長い。おかげで小バエは
少ないと俊一喜ぶ。木曽谷の方からは雷鳴が聞こえる。

【人混み】 田ノ原に近づくと雨は止む。陽が射して新緑の葉に付いた水玉が光る。
拝殿あたりから人が多くなる。バスが10台ほど停まっていた。後片づけをする間に雲が退いた
御岳山が現れて朝よりもさらに良く見えた。
 夏草に覆われた車道脇の「登山道」標識に、下から歩いて登っていたときの大変さと先人の
たくましさを思う。

【木曽路】 あんまり汗をかかなかったし、風が涼しいので風呂はやめ。蕎麦を食べた後、
寝覚ノ床を俊一に見せて木曽路を下る。中央アルプス方面の登山口が気になる。恵那山は
雲に隠れていた。近江に入ると夕日の比良山が美しかった。


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2000.7.5. BY M.KANE