日だまりの北摂・大峰山     


立合新田から
■目的地:大峰山(552.4m)<山域:北摂・兵庫県宝塚市>
■日にち:2009年12月27日(日)
■天気:曇りのち晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  十万辻上 発(12:35)〜展望の鉄塔(12:55)〜山頂(13:15-13:25)〜「桜の園」基準点No.2(14:00)〜
  桜の園・東屋(14:15)〜「さくらの道」〜武田尾(14:50)〜立合新田からの峠(15:10)〜長尾山荘〜十万辻上 着(16:00)

 最近は小ネタ集的歩きが続いているが、今日も昼過ぎのスタートなので小ネタになる予感。(^^;
大峰山の冬枯れ雑木林を見に行こうかという気になっている。
 十万辻上の登り口に着くとシキミ取りのご夫婦。予報では晴れると言っていたが、なかなか良くならない。
とりあえず歩きたいので相変わらずの薄いササが茂った山道に入っていく。中山が枝越しに見える懐かしい眺め。
少し荒れた雑木の谷に陽が差してきた。いい感じ。

 小さな峠状の鞍部は十字路で西に山頂への急登が始まる。野鳥の声が響きわたる上りをしばらくあえぐと雑木の道。
倒木から若い枝がいくつも上に伸びようとしている。ただでは朽ちまいぞという気概を感じる。
 展望の鉄塔は、周りの木やカヤが伸びて以前ほどの展望は得られない。少し北に行ってみても、検見山の横に
大船山や古宝山、羽束山がやっと見える程度。南は甲山が見えていたが今は木が生い茂って道がトンネルのよう。

展望の鉄塔から
 山頂へはこの先、急な登りはない。冬枯れの雑木林の中、明瞭な山道が続く。
頭上は青空が広がってきた。足下はイノシシの堀おこし。ゆるりと登ると先客二名と入れ替わりでの山頂着。
 青空は気持ちも晴れ晴れとしてさせてくれる。山頂ピストンの予定だったが、武田尾まで下りてみようかという気になった。
明るい雑木林の中を進んで、西斜面、六甲を望む岩に着く。陽は西に傾いて武庫川渓谷は暗い谷になっている。
斜光を浴びる斜面の木々がほのかに浮かび上がる図はなかなか絵になる。

西の展望岩から
 桜の園基準点も十字路である。あまり下りずに十万辻に戻るにはここも分かれ目。
日差しがもっと西へと誘っているようで、ついつい引きつけられる。ここを下れば立合新田回りで一時間は余分にかかる。

 そろそろ尾根から下りるかという頃、南面の道から若者グループが登ってきた。こんな所に道がなかったようだがと、
様子を見に下りてみる。古い石垣が残り、かつての笹部博士が拓いた桜の園の核心部かもしれない。
少し黄葉を残したコナラがまばらに立ち上がるすばらしい斜面。これも青空の誘いのおかげか。
落ち葉で隠れかけた仕事道を辿っていくと、いつもの東屋にでる。こちら側から見ると行き止まりの立て札が立っている。
整備中のようなので迷ってきたとはいえ、むやみに入るべきではなかった。後の祭りだが。

東屋から
 さくらの道を下りていく。こんな時間にも登ってくる人がいる。入り口の川沿いにある広場は、春には人でごった返すが、
今は誰もいないのが不思議なくらい。川に近づいて水面の様子をうかがってみる。
 廃線跡のトンネルも誰も歩いていない。これも初めての経験。ちょっと不気味である。武田尾から桜の園の谷や山頂を
返り見て、舗装道を大岩稲荷へ向かう。民家の間にある上り道を少し行くと地道になって薄暗い谷を登っていく。
林道が右に分かれるあたりは、ビニル紐が入山禁止を主張している。

 立合新田に入る峠は落ち葉が幾重にも積もった上に急坂となり難渋する。峠を越えると上りかけに分かれた林道に
飛び出た。さっきの峠越えを無視するかのように道はなにくわぬ体で里へ下りていく。薄暗い竹藪の上に冬枯れ紫色の
大峰山山頂部が見える。できればこの方角からも登ってみたいものだという気になる。しかし、よく考えると以前に
歩いた北面の林道を跨ぐことになり、ここから見た目の心地よい林が続くとは限らないだろうと思い直す。

道脇の沢
 時代のスピードから隔絶したようなこの里には三軒の家がある。西日を受けて穏やかである。夏は厳しいかもしれないが。
長いゆっくりとした舗装道を上って十万辻に戻る間、沢の様子がよく見える。今日はまたしても新たな発見があった。
忘れたように取り残された谷間に、小さな沢が大峰山から流れくる。その小さな谷たちは素朴な雑木をまとっていた。
いいなぁと思いつつも、また、この上はあの林道だったなと。よほど北面林道の印象が良くないようである。(^^;

 長尾山荘を過ぎると沢はいよいよ小さくなっていく。不法投棄が目立つのは残念なことだ。土管を据えた上の古い橋を
幾度かわたって薄暗い谷を上るとやっと駐車地についた。若者グループは渋谷のバス停に下りたのだろうか。
足には心地よい疲れがきていた。

  大峰山について

  山のリストへ  / ホームページへもどる


2010.1.4. BY M.KANE