春の高蔵寺から丹波・夏栗山と黒頭峰 

黒頭峰を見る  
夏栗山から黒頭峰を見る 
■目的地:夏栗山(600m)・黒頭峰(620.6m) <山域:丹波・篠山市・春日町>
      夏栗山の所在地は、従来でしたら西紀町・丹南町ですが、今は篠山市となります。
■日にち:1999年4月11日(日)
■天気:曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  高蔵寺(12:40)〜大ヶ谷との分岐(13:05)〜夏栗山の西肩(13:08)〜
  佐仲峠への分岐(13:15)〜黒頭峰山頂(13:30)〜佐仲峠への分岐(13:45)〜
  夏栗山の西肩(13:50)〜夏栗山山頂(14:05-14:40)〜夏栗山の西肩(14:50)〜
  高蔵寺 着(15:10)

【夏栗山・黒頭峰】 西多紀山塊、三尾山の南の山。黒頭峰の山頂は雑木の中で
展望なし。夏栗山は山頂まで植林が迫るもわずかにササが残してあり、展望台もある。
南と西に開けて展望よし。
 この4月1日に多紀郡4町は合併して篠山市となりました。今日はその記念山行。
猪名川町と篠山の境、西峠にある「篠山町」の町名板が「篠山市」となっています。
北摂は晴天だったのに篠山に入ると曇り。三岳も低い雲に隠れる。

【高蔵寺】 篠山城下を抜けてR176を北へ向かい、バス停「大山上」辺りに
右(北)へ「高蔵寺」の指示板がある。南に波賀尾岳(392m)、北に目指すべく大らかな
山が二つ仲良く聳える。
 静かな高倉の里を北上すると立派な山門があった。その脇を通ればお寺の駐車場。
ご住職に駐車の許しをお願いすると、「この先まで車で行ける。本堂の裏に停めたら
よろしい。登山口の道しるべが出ているよ。」とご親切にお教えいただいた。
 鐘楼のある立派な本堂である。道脇の土手にはスミレとショウジョウバカマが咲く。

【大山緑の少年団】 本堂の裏はさらに林道が延びているようだが、小広くなった所
に停めさせていただく。
 右手の谷、治山事業の堰堤の方へ歩きかけると、道脇に倒れかけた道標があった。
「なつぐり山登山口」とある。あぁ、これが住職の言われていたものかぁ。ちょっと
判りにくい。(^^; スミレの咲き揃う若い植林の道を行くといよいよ尾根に取り付く。
下木の払われた植林の中。時折出てくる「大山緑の少年団」の指標は初めての道に心
強い。
コバノミツバツツジ  
ミツバツツジ 
【ツツジの坂】 植林の道もやがてツツジに包まれた低い雑木の直登となる。ミツバ
ツツジがポツリポツリと咲いている。盛りの頃はさぞ良かろうと、右上の幼木植林を
見上げてあの上が山頂かと足を進める。谷間にはうぐいすがうららかな声を響かせた。

【丹波 森の径】 坂が緩くなって植林に突き当たると「丹波 森の径」の道標がある。
右(東)に「大ヶ谷」への道がある。大ヶ谷とは南東に延びる尾根の408.7m峰をいう。
ここは左の植林の間の道を行く。すぐに夏栗山への登りと黒頭峰へ向かう道の分岐と
なった。まずは黒頭峰へ。昨日の雨もあってか、湿った感じの薄暗い雑木林が左に
大きく曲がったように続く。ヤブかと思ったが、松葉で覆われたふかふかの明瞭な道。
 「丹波 森の径」の道標が要所にあり、佐仲峠への分岐を過ぎて西進し、さらに暗い
植林の道の途中から上に向かう道標に出合う。
丹波 森の径  
黒頭峰へ向かう尾根道 
【急登続き】 真っ暗な植林の急登が続いた。やがて雑木林に変わっても依然として
傾斜はきつい。頭上は次第に明るくなってくる。先程の松葉ふかふか道も良かったが
この雑木林もなかなかいい。だんだん緩くなったが、平坦になってからもしばらく
歩いて前方に人の声が聞こえる。ここにも佐仲峠への道標があり、その急坂を熟年の
パーティが下りていった。その目と鼻の先が取り残されたような黒頭峰山頂だった。
 北にわずかな伐り開きがある。怪獣のような三尾山が、グレイの空と山並みを背景
に、薄いスポットライトを浴びて浮かび上がっている。そのほかは立木で展望無し。
西の方の尾根にも薄い径が続いている。展望を期待して夏栗山へ向けて引き返す。
三尾山  
黒頭峰山頂の伐り開きから三尾山 
【植林の登り】 松葉ふかふか道を過ぎて分岐から登り道へはいる。しばらくは雑木
の中。さっき登った黒頭峰が端正な姿で現れる。やがて若い植林の中の道となる。
道の下草は何とか刈ってあるものの、植林の中は手入れが良いとは言い難い。
 ショウジョウバカマが2株、清楚に咲いていた。これ以外は鬱陶しい道なので左の
北面側雑木林に入る。イバラがあるもののさっきよりは開放的に歩ける。そろそろか
なとササヤブを抜けて南面に渉ると鎮守の森のような立木の中に出た。綿にくるまっ
た観音様が鎮座されている。朽ちたベンチがある。思ったより開けていないので、
もう少し東へ行くが疎らな雑木になっただけ。
 引き返して植林の方へはいると、なんと小広い笹原に素朴な鉄骨の展望台があった。

【南兵庫の山々】 昔の遠足気分を思い出すような山頂だ。曇り空ではあるが山並み
に見とれてしまう。篠山盆地の先に北摂大野山を皮切りに摂丹の山々、そして大きな
双耳峰の様に見える松尾山と白髪岳、まだいっていない西光寺山や妙見山、遠くに
笠形山、その北に千ヶ峰、そして直ぐ手前に黒頭峰となかなかいい展開。
 風もあるので展望台を下り、低いササの中遠足の弁当気分で遅い昼飯。北の方から
雲が流れていく。西に時々青空がわずかに顔を出し、陽が射す。
 北には三尾山から西多紀の山々と三岳などが見えそうだが、立木と雲と風でハッキ
リしない。
松尾山と白髪岳  
夏栗山山頂から松尾山と白髪岳 
【若葉】 昼飯がすむともう一度展望台に登る。黒頭峰の山腹に白いコブシが二ヶ所
咲いているようだ。あえいだ急登はあの辺りかと眺める。雑木が植林の中から抜け出
たかのように山頂がとがって見える。篠山盆地もずいぶん宅地が増えたんだろうなと
舞鶴道周辺の家々を見下ろす。しかしこの山の裾は静かな里。この雰囲気はいつまで
も残ってもらいたいなぁ、と勝手な思い入れ。
 帰路は来た道を引き返す。時折若葉が陽を浴び、曇り加減の松尾山と白髪岳の前に
浮かんだ。うぐいすものどかに鳴き、本堂に近づけば沢音が響く。
 丹波篠山、歩きに良しの黒頭峰と展望良しの夏栗山でした。

  夏栗山について
 
  山のリストへ  / ホームページへもどる
1999.4.18. BY M.KANE