秋雨の七種山 

 
山頂手前の展望岩から七種槍を望む
■目的地:七種山(683m)
        <山域:播磨・兵庫県福崎町>
■日にち:1998年9月19日(土)
■天気:雨時々曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  山門(9:30)〜七種の滝・神社(10:00-10:25)〜
  展望岩(11:00)〜山頂・つなぎ岩(11:05-11:10)〜
  七種の滝・神社(12:00-12:15)〜山門着(12:30)


【七種山】 麓の七種の滝が有名。山頂は展望なし、横のつなぎ岩は南の展望良し。
ぐるりとまわった稜線に七種薬師、七種槍を従えて低山ながら歩きごたえあり。

 昨日に引き続き播州の山三昧。予報では夜間の雨も回復していくことになっていた。
朝起きると青空がかいま見れるがむっとする生暖かい空気。この晴れ間なら笠形山にも
もう一度...なんてこと考えてたんですが、甘かったようです。


【夢前川】 塩田温泉の前を静かに流れる夢前川。朝食前に散歩する。
北方にしっかりとそびえる明神山は、川面に移る逆さの姿や咲き誇るヒガンバナを
前景にそびえる姿と楽しませてくれる。平地を歩いただけで汗が出る暑い朝だった。

【山門】 車で夢前から福崎への県道を左に折れ、野外センターの奥池手前で七種槍を
望む。ちゃんと歩いてアプローチのご夫婦を横目にさらに車で進む。一台がやっと
通れるくらいの道幅だが、若い植林の中を立派な舗装道が続く。草で覆われた山門が
現れ、手前に5台ほどのスペース。先客2台。すぐ横を流れる七種川のせせらぎが
心地よい水音をたてている。紅のツリフネソウと白いゲンノショウコが目に入る。

【参道】 山門の向こうは深閑としたコンクリート道である。道脇にミズヒキが多い。
きれいなホトトギスも一輪発見。今年はよく見る。
 雌滝、夫婦滝、弁慶のこぎり岩(約50cmの切れ込みがある)と過ぎていく。鬱蒼とし
た森を感じるのは、雲行き怪しい天気も加勢しているようだ。
 太鼓橋に着く。小雨。つづら折れにゆっくり登り虹ヶ滝、八龍滝。雨がかなり降っ
てきた。でも木の下にいると大丈夫。ほとんど濡れない。森のやさしさかな。

【雨宿り】 神社の石段を登ると左手に七種の滝、残念ながら水量はなく雄瀑には
ほど遠い。3人の先客と併せて雨宿りする。天気は快方の予報を信じて待つ。
だんだん雨足が激しくなる。やがて奥池から歩いてこられたご夫婦も到着。かなり
濡れてこられたことだろう。20分ほどで小降りになってきた。雨具を着ると暑くて
登れそうにない、スパッツも持っていたが付けない。帽子とザックカバーを付けて
先に出発。
 神社の後ろの細い山道、いきなり急である。露岩もある。滑らないように気を付け
て登る。道を覆う草は棒でかき分けて行く。これだけでも水がかからなくて良い。

【展望岩へ】 滝の上に出ると小広い台地の森があり、右に川を渡って道が延びるが
ここは左手にとる。いったん軽い下りもあるがその後は急な登りが続く。周りは雑木
林で紅葉の時期はすばらしかろう。倒木もあったりする。ゆっくり踏みしめて登る。
頭上前方の森はにガスが流れている。
 やがてガイドブックにもある展望の良い岩に到着。七種槍が雲をひっかいたように
たなびかせてなかなか良い眺め。これは雨を圧して登ってきた甲斐があったという
ものでしょう。

【山頂】 雑木林の中を展望岩から平坦道の後、左手に巻くような登りを詰めると道標の
ある道に合流。右に入るとすぐ山頂。おじさん一人。挨拶してその先のつなぎ岩に行くも、
お先真っ白。道標に「笠岩」もあったがよくわからない。もどっておじさんに聞いて
みると、「私もここは初めて来た。滝の上から遊歩道をまわってきたが、踏み跡が
薄くてわかりにくい。」ということで、初めて来た割には大胆なルート。かなりの玄人のよう。
しかし、七種槍へは私の来た方から行くのだろうと勘違いされていた。
 展望もなく狭い山頂なので、昨日に引き続きあっさりと引き返すことにする。

【再び展望岩】 ここではご夫婦が休憩中、予想通り七種槍を回って下りるとのこと。
奥さんは無言なので、心中の程はわからず。
 そのうち神社で雨宿りしていた3人組も到着。汗だくの姿である。装備がそれほど
ではないようなので地元の方だろうか。山頂よりもここが眺めがいいですよ、と言い
残して私は下りていく。後で思えば、さも判ったような口利きの自分が恥ずかしい。

【下り】 露岩が濡れていて用心しながら下りる。途中、東の稜線を望める所がある。
緑に覆われた植林の山肌に白いガスが流れていい感じだなと思い、道から少し
はずれて休もうとすると、スルスルスルっと音も立てずにヘビさんが逃げていった。
先にお休みだったのだろか。すまないことをした。
 下りも登りと同じくらいの時間をかけて神社に到着。誰もいない。もう雨もなく
滝の頭越しに青空さえ覗く。枯れた滝を見、かすかな水音を聞きながらおにぎりを
頬張る。

【またも雨】 滝見と思われる軽装の二人とすれ違い太鼓橋に至る。薄暗い林のコン
クリート道を山門に向かってテクテク歩く。また雨が降ってきた。山門について着替
えをすませる。赤いツリフネソウを撮ろうとすると電池切れ、目に焼き付けておこう。
 今日は晴天に恵まれず、七種槍も最初から捨てていたのでまた歩きやすい時期に
来ないとなぁと思いながら家路につく。


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1998.9.30. BY M.KANE