黄葉と木枯らしの明神平 山行記 

 
  見事な黄葉の道が続く
  
 
           1997.10.26. 
 
 
 

■目的地:明神平(1323m) <山域:台高・奈良県東吉野村>
■日にち:1997年10月26日(日)
■天気:曇り
■同行者:俊一(8才)
■コースタイム:

   自宅発(7:30)=近畿道=松原渋滞=西名阪道=法隆寺IC(8:50)=
   田原本町=R166=大又=林道終点着(10:30)

  林道終点発(10:40)〜ヨコグラ谷(11:00)〜あしび山荘(11:10)〜
  キワダサコ谷(11:15)〜明神滝(11:30)〜木の橋(11:45)〜黄葉の道〜
  明神平(12:20-13:05)〜明神滝(13:40)〜林道終点着(14:10)

【明神平】 「錦繍の明神平」は憧れの山でした。(憧ればかりですが...)
皆さんのレポートを見て、11月に予定していたのを1週間繰り上げて行ってきました。
今日は、この秋一番の冷え込み。昨日までの暖かさはどっかに吹き飛んだ様です。
 どういうわけか、俊一が一緒に行くというので、気合いが入ります。(^^)
ところが、よりによって、防寒具を忘れてしまい予定コースの7割(?)で断念という結末。

【大又へ】 起床は7時前、少し寝過ごした。慌てたのかフリース・ジャケットを
忘れてしまったことに、後で気がつく。バナナとカロリーメイト。
 近畿道まで順調に走るが、なんと松原JCTの手前で渋滞。気合いがそがれる。
天理料金所手前7km渋滞の情報。あきらめの早いのが取り柄なので、早々に
法隆寺ICで下りる。この辺りは仕事で来たことがあるので、少し心強い。
 R166を進んで行くにつれ、山の色合いが良くなってきた。ワクワクしてくる。
俊一はさっきからウトウト。大又林道へは何とか道を間違えることなく辿り着く。
七滝八壺をやり過ごして先へ。
 林道終点はやはり満車。終点手前の道脇にかろうじて停めることが出来た。

【緑の沢】 白っぽいハガクレツリフネが、最後の力を振り絞って咲いている。
林道終点から先はまだ緑の多い山道を登る。左手の沢が綺麗だ。
水が澄んでいて、透明からだんだんと濃いコバルトブルーに変わる。その上に黄色い
葉が舞う。小さな滝壺がいくつも見られる。
 ゆっくりと登っていくごとに葉が色づいてきた。キワダサコ谷の出合で小休止。
俊一はずっと軽快に歩く。黄葉に彩られた明神滝を過ぎ、つづら折りの登りの後、
明神平の稜線が見えてくる。上の方は、葉が落ちて華やかな色合いからは少し過ぎて
いるようだ。
 崩壊して道が付け替えられた所とロープ付きの木橋を過ぎると、いよいよ黄葉が
燃えだしてきた。上空が曇っているのが残念だが、それでも葉の色で明るく感じる。

【黄葉の道】 風が冷たいなってきた。南を見上げると薊岳だろうか、誘うように
聳えている。ここは黄色と赤の世界である。カエデの緑・黄・赤。赤いつるつるの
幹のヒメシャラ。夢のような世界の中を歩く。バシバシと写真に収める。日射しが
ないので、たぶんきれいに撮れないだろうなと思いながら...。
 この道が、今日一番のハイライトである。わざわざ台高まで来た甲斐があった。
今まで何人もの人たちとすれ違うが、この辺りからみんなレインウェアやフリース・
ジャケットを着、手袋をはめている人ばかりとなる。上は相当な寒さのようだ。
 
  落ち葉と黄葉の競演
 
           1997.10.26. 
 
【落ち葉の道】 やがて、サクサクと、早くも落ち葉を踏む快感を味わう道となる。 人が踏んだ跡でも、風が強いので新しい落ち葉が積もってふわふわの落ち葉道に なるようである。確かに風が強くなってきた。下りてくる人はやっぱり、防寒具姿 である。片やこちらは肌着とシャツ1枚。手が少しかじかんでくる。俊一はまだ元気。  緩やかな落ち葉道を過ぎれば木の階段。植林の中を少し歩いて水場。この辺りは ヤマハハコだろうか、白い綿毛の様な花の後を付けた群生が広がっている。  また一段と強い風の中、国見山との分岐のような所を右に行くと明神平に出る。 【木枯らしの明神平】 周りの木々はもう葉が落ちてしまっていて、吹きすさぶ風と あいまって、寒さを助長してくれる。テント3張り。俊一はトレーナー、私はシャツ を余分に持ってきていたので、とりあえず重ね着。俊一には私の軍手をつけさせる。  天理大山小屋の近くで、カップラーメンのお湯を沸かす。風が強くてなかなか お湯が出来ない。やっと暖かいものにありつけた時は、ひと心地つけたが、この 風では長くは持たない。コーヒーはパス。(^^;  食事が終わると早々に片づけて、国見山へと向かうが、俊一が寒さで動かない。 せめて水無山までと思ったが、それもだめのようだ。しかたがない。引き返そう。 もとはといえば、防寒具をちゃんと持ってこなかったのが悪いのだから。(;_; 鼻水が出、じっとしていると頭痛がしてくるほどである。無理はいかんなぁ。 【日が射す】 来た道を下りる。黄葉の道の途中で、上空が明るくなってきた。 なんと、天は我を見放したか...。いやいや、それでもやっぱりこの黄葉の道は いい。good,goodである。下り道では、あまりのショックのためか、俊一、一言も しゃべらず、時折、滝壺を覗く。最近釣りに興味を持ちだしているので、魚がいな いか見ているようだ。オヤジはこれまた我が道を行くという感じで、過ぎゆく黄葉に 別れを惜しみながらの下山であった。 【木津峠】 山頂の展望を楽しめなかった代わりに、高見山を見に木津峠へ向かう。 丹生川上中社の橋を右に取る。この辺りの河原は子供達の水遊びに最適のように 見える。地図をみながら何とか到着。植林の疎らになった展望ポイントは、訪れる人が 多いのであろう、ちゃんと踏んだ跡が付いている。しかし、ここでも曇り空。日が射す までじっと待つ。30分ほど経ったろうか、やっと妥協できる程度の晴れ間が出た。  俊一はあきれて車の中で待っていた。(^^;;

  明神平について   

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1997.10.29. BY M.KANE