京丹波・早春の諸木山から帝釈天     


清源寺入口から望む (右が諸木山)
■目的地:諸木山 (496.9m) <山域:丹波・南丹市八木町>
■2.5万図:殿田
■日にち:2008年2月11日(月)
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  諸畑 発(10:40)〜登り口(10:45)〜Y字路Ca280m(11:05)〜標高386m地点(11:35)〜Ca445m鞍部(11:50)〜
  諸木山(12:20-12:45)〜510mP水無山(13:15)〜お寺マークの林道(13:25)〜Ca380m林道終点(13:50-14:00)〜
  帝釈天(14:30)〜船枝(14:45)〜清源寺入口(15:10)〜諸畑 着(15:15)

 歌垣山の左から霞みがたなびく朝、霧が峠を越えて流れてきたのだろう。
麓のキャンプ場で初めて眺めてから10年越しの山に登る。一昨日はすごい雪だった。今朝は一転して青空。
しかし、亀岡盆地は霧である。その北の端に近い諸畑地区でも曇りの天気のように霧が上空を覆っている。

霧残る諸畑地区 (右の尾根に登る)
 耕地整理で新しくできた農道の脇にとめさせていただく。身支度をしてこんもりとした160m山の方を目指す。
2.5万図のとおり民家の横に、山へ入る細い道があった。小さな溝がついて植林に入っている。幅1.5m程の立派な
道である。雪が解けて落ち葉も濡れている。霧が晴れてきて日が射してきた。昨日歩いた人だろうか、2、3人の
降りる足跡が残っている。高度が上がり雑木の間から盆地が覗くところもある。頭上の木も開けていっそう
明るい道になってきた。松やシダのある低山らしい雑木林。ミツバツツジの芽はまだ硬そうだ。

Ca290mのコブの東にある鞍部に着いた。Y字路になっていて左の谷からも道が上がってきているが、
地図には表示されていない。右の尾根道へ入ろうとした時、前からふさふさとした毛並みを持つ獣が近づいてきた。
たぬきである。3m程まで来てやっと私に気づいたようだ。あまり驚いた風でもなく、木々の間を抜けて谷道の方へ
すたすたと行ってしまった。
この鞍部からは少し切り開きがあって、南に霧が低くたなびいた亀岡盆地を見下ろすことができる。

支尾根の道
 明るい雑木の道はやがて支尾根の上を行くようになる。東側の眺めが良い。諸木山西の510mPも顔を出してきた。
そして、雪を少し被った深山が雲の上に浮かんで見える。その南に半国山も大きい。しかし、展望も束の間、
ネットが薄く遮るようになる。松茸山の侵入禁止テープも残骸が残る。良い雑木林なのだが。
ネットを出る柵があるので、紐を解いて出てからまた結ぶ。これから先、この作業を10回前後やることになる。

標高386m地点からCa495m山
 地図での標高386m地点は植林が幼いため明るい鞍部、前方にCa495m山が大きい。
再びネットが現れるが、開けっ放しの柵を通って閉め直す。破線道のとおり東斜面をゆっくり登っていく。
岩が出た斜面や立派な石垣が残っていたりする。今日は薄雪の道だ。Ca445m鞍部が近づいてくる頃には、
南に三郎ヶ岳や地蔵山の黒い影を枝越しに見ることができた。

Ca495m山から長老ヶ岳
 Ca445m鞍部もネットで遮られている。柵を通って北側に出る。山道は地図の破線が示すとおり谷へ下りている。
左手にCa495m山へ向かうような踏み跡がある。谷越しに日吉、和知方面の山が見える。長老さんだろうか、白い。
その遠望を楽しみながらCa495m山へ登ると、ピーク辺りはネットが続いている。北側を歩く。イバラもあるような
踏み跡だが雪で覆われているので歩くのには丁度良い。谷の上をぐるっと時計回りにトラバースするように行く。

 細い尾根を北上していよいよ頂上への上り。間伐してあるので思いの外、開放的。どんどん眺めが広がる。
南東に地蔵山が大きく見える。三角点はネットの際に鎮座。南側が景色も良いので、雪の解けた落ち着ける場所を
探して昼食にする。良い天気。半国山の脇に横尾山と剣尾山が顔を出しているようだ。

山頂から半国山方向
 さて、尾根を辿ろう。ネットの北側の方が太い踏み跡なので柵を通っていく。古い村界標石を過ぎると雑木の中。
ずっと薄雪の尾根。大きな岩の横を登る。ふたつ目のコブを乗り越すと北に大岩山が望めるところがあった。
足下はヒノキ幼木が雪を被っている。510mピークは植林の中。水無山と記された山名板がかけてある。

 西進すると植林から低い雑木に変わり薄雪を被った林道に出た。尾根を横切る林道だ。この辺りが2.5万図での
お寺マーク、お地蔵さんが有る所のようだが、しばし探すも判らず。もっと先かなと尾根を更に西へ。低木雑木の間に
明確な山道が続いているが、下りになってきた。とうとう見つからなかった。
 (最初の林道に出た所のもっと南斜面側だったようです)

お地蔵さん付近 (尾根筋から南望)
北西に尾根が変わる所を注意して下りていく。尾根が再び西を向くCa370m辺りで、また林道のような
広い道に出合う。見晴らしもまあまあなのでひと息つく。北は376mピークへの雑木尾根。南側が見える方に移ると、
霧がすっかり晴れた亀岡盆地に牛松山や三郎ヶ岳がたおやか。ポンポン山方面もくっきりと見える。

林道終点から南望 (ポンポン山方面)
 さらに尾根を西進する。古い道の跡がある。時々倒木があるが、この道を辿ろう。うまく帝釈天に着くだろうか。
なんだか山が少し静かになったなと思ったら、リュックに結んでいた熊鈴を落としてしまっていた。
植林斜面になって道が怪しくなってきた。少し北よりの緩い谷をそのまま下りていくと、参道の途中に飛び出た。
小さな鐘が道脇に並んでいる。せっかくなので、帝釈天までいってみよう。車道から逸れる山道を少し登ると境内。
一人熱心に祈祷する方がおられるので、鐘楼の写真を一枚撮って引き返す。

帝釈天の石段
 参道を下りていくと、俳句が彫られた庚申塔や「寅さんの鐘」なるものがあったりする。
くねくねと下りると車止めとなり民家の間の道。ゲートボールに興じる人たちは天気のように明るい声。
軒先を過ぎて黄梅が青空に綺麗だ。新池、古池の横を過ぎてくてくと比較的車の少ない車道を歩く。尾根を見上げて、
あの辺りから見下ろしたのかなと思いを巡らす。ポカポカ陽気。清源寺の木喰羅漢像が山を指さす。
晴れ渡る空の下、諸畑に着いた。天気に恵まれたいい山でした。


  諸木山について

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2008.3.1. BY M.KANE