鹿と逢い岩に会う深山北尾根        

丹波を望む  
二つ岩から丹波を望む 
■目的地:深山の北尾根 <山域:北摂・大阪府能勢町・京都府園部町>
■2.5万図:埴生・福住
■日にち:2000年12月22日(金)
■天気:晴れ 暖かい
■同行者:単独
■コースタイム:

  336m地点 発(11:15)〜さく谷〜7番尾根(11:45-11:50)〜柳がたわ[約540m](12:10)〜
  府県境合流点(12:35-12:40)〜山頂北鞍部(13:10-13:30)〜二つ岩(13:40-13:55)〜
  9番尾根〜から谷〜林道終点(14:40)〜336m地点 着(14:55)

【林道】 ゴルフ場の横を抜けて静かな天引林道に入る。北斜面の日陰が静けさと寒さを
つくる。途中軽トラが2台停車。山仕事か。336m地点から西に伸びる破線道が牛つなぎ林
道である。ひんやりとした植林に囲まれている。さく谷を目指す。
(地名は妻恋地蔵さんの地図をご参照ください。)

【谷】 薄暗い植林の中の牛つなぎ林道を行くと二股分岐。右の鋼管製の簡単な橋を渡る。
また二股。地図と地形からここも右に採る。右下は沢が流れてその向こうは日が差す雑木林。
林の中にぽつんぽつんと大きな木がある。小さな滝を右前方に見るところで道は終わる。
左側から巻いて滝の上へ。沢を跨ぎ獣道を沢沿いに登ると炭焼き窯跡が二基ほど残る広場に
なった。さく谷を沢にそって登る予定だったが、7番尾根の雑木林が青空の下で輝き、
古道のような跡が落ち葉を敷き詰めて上っている。ついつい引き込まれて行った。
7番尾根の背  
7番尾根の背 
【尾根】 7番尾根の背に出ると落ち葉の尾根。567.8m山が林越しに秀麗な姿。ここは336m
地点の真東になる約465mの鞍部であろう。右にコブがあり地図のとおり南東に向いている。
しばし陽だまりの雑木林に浸って、尾根に沿って登る。静か。白いロープが出てきた。右手の
谷に広がる雑木林はとてもいい感じである。白いロープが合わさる三叉路。ここが柳ヶたわ
だと思ったが、さらに落ち葉の尾根を歩いていくと、白ロープはなくなり、赤プラ杭のコブに
出た。ここが正しい柳がたわだろう。府県尾根に挟まれた真北の谷はひのき植林である。
県境プラ杭にはK133という番号。どこかのチップセットみたいである。

【伐採】 さらに尾根を上る。
赤白小旗が一本見えてきた。その下が切り開かれ、まだ新しい基準点石柱が埋められている。
自然公園予定地の縄張りであろうか。急登になり3m程の大きな岩の手前、少し湿った落ち葉を
かき回すようなひづめの跡が続いている。落ち葉良し。似たような尾根の分岐をいくつか見送
り、見覚えのありそうな広い斜面を登って府県境合流点。小休止。ここで昼食の予定であった
が、日陰気味の林で落ち着かず、もう少し北尾根を登ってみることにする。
山頂北の鞍部  
山頂北の鞍部 
【鹿】 少しササのある尾根、二本のもみ、コブを上っていると鈍い地鳴りのような音が近づ
いてきて、数m前を一頭の鹿が横切っていった。まだ近くに居る様子。
ササの下生えのある雑木のアップダウンの後、山頂手前に一本のモミ。山桜も一本。葉の落ちた
明るい林である。ここでも右前方にトントンと鈍い音がする。また何か居そうだが良くわからな
いのでそちらのほうを向いて倒木に座る。動く気配なし。昼飯とする。自分が動く音のほかは何
も聞こえない。静か。日差しも暖かくのんびりとした時が流れる。

【岩】 ここから昼寝岩(二つ岩)を目指すが、11月にはまんまと間違えて到達できなかった。
今度は間違えないように地形図とコンパスで方向を見定めて下りる。
 すると11月と同じ尾根に入っている。前回はこれをそのまま歩いて少し左へ逸れたままだった。
逸れて谷を下っていると上の方に岩があった。今回はその岩へ行きたいので、谷を下らずに源頭
部を巻いていく。ひとつ小さな尾根状のコブを巻くと見えてきた。丹波を向いて突き出たような
岩。足元に気をつけて枝に掴まりながら到着。
 午後の陽射しは足下の斜面を黒い影で覆っているが、その先には陽を浴びた素晴らしい山々の
広がり。なんとすがすがしい眺めだろうか。丹波とはこの波のことかと思いき。
二つ岩から望む多紀アルプス  
二つ岩から望む多紀アルプス 
【源頭】 さて、念願の昼寝岩にも来れたので下りようか。予定では10番尾根であったが、
景色を見ていたら9番尾根に気が変わってしまった。支尾根をひとつ巻くと音川の右俣源頭が
素晴らしい雑木林。泥が見える鹿の通った跡も生々しく残っている。9番尾根の東面に取り付いて
トラバース気味に下りていき尾根にのる。段々と低い木がうるさくなってきて、植林となる。
急斜面を下りていくが薄暗い。音川に入らないようにと左寄りを採っていたため気がついた時には
から谷に入りかけていて、右手に9番尾根が現れた。低木がうるさいので今から登り返すのは億劫。
このままから谷を下りることにする。
音川の右俣源頭  
音川の右俣源頭あたり 
【沢】 荒れた感じはあるが冷たいきれいな水が流れる沢。二股に差し掛かる辺りは音川と瓜二つ
の風景で、ひょっとして音川を下りていたのかと見間違うくらいである。やがて林道終点のような
盛土が現れ、砂利を登ると荒れ果てて茨のはびこる林道に辿り着いた。人の手が入った後で野放し
にされた所は茨が多いようである。背後には日陰になった冬枯れの深山北尾根が聳える。前方には
往きに取り付いた7番尾根や天狗山北尾根が西日を浴びて浮き上がる。往きで分かれた分岐に着い
て薄暗い植林の中を通れば天引林道に合流。沢音だけが響く依然として静かな谷である。


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2000.12.29. BY M.KANE