深山の紅葉散りばめた谷
音川源頭の黄葉
■目的地:深山(790.5m) <山域:北摂・大阪府能勢町・京都府園部町>
■2.5万図:埴生
■日にち:2000年11月26日(日)
■天気:晴れ 暖かい
■同行者:単独
■コースタイム:
天引林道436m地点 発(11:40)〜山頂(12:40-13:05)〜天引林道336m地点 着(14:10)
【秋晴れ】 2、3日前の予報では雨だった日曜日が、幸運にもよく晴れてくれた。
出遅れつつも深山北面へ向う。能勢街道は両脇をキラキラと輝くような黄葉の尾根に囲まれ
深山もササの薄緑を載せたミカンのような色の葉々が取り囲む。
【急登】 天引林道の436m地点から植林に取り付き、仕事道をトラバースして雑木林の尾根へ。
この尾根は妻恋地蔵さんの仮称によると11番尾根になる。かなりの急登。枝を掴み喘いで登る。
段々明るくなり、緩やかになる。見上げると青空の下にコナラなどの黄葉。ほぼ平坦になって
コブを乗り越え2,3m程低くなった鞍部。左手は植林、鞍部は雑木の中に松の木が数本生えている。
この先は下にササが出てきて、徐々にその丈が高くなる。ついに背丈を越えた。いくつか分かれ
道があるササヤブをこいで、頭上で声のしていた山頂に飛び出す。
落ち葉の尾根
【穏やかなピーク】 意外と少ない人。スジ雲が青空に白い線を掃く。ヤブから出た開放感は、
今までよりずっとまともに深山に登った充実感を与えてくれた。
西を向いて腰かける。久しぶりにかいた汗でお茶がうまい。おにぎり。これまた久しぶりに
スケッチをしてみる。対象は弥十郎ヶ岳にしよう。山肌を舐めるように見た。色はオレンジ色。
雲
【北尾根】 さっさとスケッチを終え、時間が遅くなると暗くなるのでせかすように立ち上がる。
ご神体をぐるりと回って多紀アルプス辺りの写真を撮り、再度ササヤブから北尾根へ向う。
ところがなんと、山頂から北尾根方面は人が十分歩けるようにササが切り払われていました。
ヤブを覚悟したのに拍子抜け。こうなると誰でも歩けそうで個人的には寂しい。
しばらく行くとササは膝より下になり、鈴鹿の茶野を思い起こすような雑木林の尾根道。
もっと先まで歩いてみたくなる。
谷を見下ろす
【岩を探して】 2年前に妻恋地蔵さんに教えていただいた烏帽子岩でコーヒータイムにしようと
地形図と照らし合わせ、当たりをつけた鞍部で下りるが心もとない。
尾根を降りながら探すが、お大き目の岩がごろごろしているものの判らない。
現地の土地鑑が全くないのを思い知らされました。
二つ岩と思われる岩峰を見つけた時は、既に上り返す気が起こらないほど下りていました。
あぁあ、と思ったそのとき、二つ岩の下で鹿と思われる足音を聞いた。
谷の色彩
【音川】 さすればこの素晴らしい谷に浸りながら下りるとしよう。後で調べると「音川」の谷。
もみじの紅葉もほいほいと現れる。北面の午後からの行動のため、日が射さないのが惜しい。
苔むしたガレ場はやがて細い水が沢となってきた。長い長い谷を沢沿いに下りる。ナメ滝が出て
右岸から左岸、また右岸へと何度も跨いでは下りていく。さらに途中で左手より流れが合わさる。
かなり崩れた炭焼窯跡があった。植林が出てきたからもうそろそろかなと思ったが、まだ続く。
やっとの思いで林道に出た。予定よりもかなり下ってしまい、地形図の336m地点近く。
【林道】 かすかに射す西日が今下りてきた谷の尾根を浮き上がらせる。
向かいの天狗山北尾根の黄葉は正面に日を受けて迫り、奥山川のせせらぎだけが聞こえる。
10分程林道を上って車へ辿り着いた。短時間ながら、なかなか渋い山歩きとなりました。
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2000.11.30. BY M.KANE