時雨、落ち葉、三蔵山     

三蔵山
西日に陰る三蔵山 (右のピーク) 
■目的地:三蔵山(411.4m)<山域:北摂・兵庫県猪名川町・宝塚市>
■日にち:1999年12月26日(日)
■天気:曇り時々時雨後晴れ 寒い
■同行者:俊一・裕太
■コースタイム:
  猪名川町木津と宝塚市上佐曽利との峠の東側 発 [約205m](13:30)〜
  大岩(14:20-14:25)〜山頂(14:40-14:50)〜大岩(15:00)〜
  木津と上佐曽利の峠の東側 着(15:30)

【三蔵山】 低山ながら尖峰の多い猪名川町、信長の世・天正の頃に山城がいくつ
かあったという。佐曽利氏の居城、三蔵山城もそのひとつ。南の県道から見ると尖っ
て見える山、城があったのもうなずけるいい形。南西麓はゴルフ場になったが、薮を
楽しめる数少ない山である。
 冬休みに入って家の中でゴロゴロし、元気が有り余っている息子二人を連れて出る。
北の空は鉛色で冷たい雨がポツポツと落ちてくるもう一つの天気。寒い。
入山ポイント  
この踏み跡?を入る 
【薮の小尾根】 以前下見をしておいた猪名川町木津と宝塚市上佐曽利との峠。この
東側に小広い路側があったので車を停める。家を出てからまだ時雨っぽい天気である。
 この山は何処からもはっきりとした道がないようだし、車を停めた脇の踏み跡らし
い雰囲気がある林の中へと分け入る。「お父さん、これ、道ちゃうよぉ。」と俊一。
「今日は探検なの。」とおやじ。
 落ち葉が少し濡れている。廃道のような凹部があるが、にょきにょきと低木が伸び、
判然としない。そこよりか歩きやすい小さな尾根状の上を行く。
good good  
いい感じの林 
【急斜面】 ありがたいことにこの山は植林のない雑木林で覆われている。下草はな
く獣道のよううなものがぽつぽつと見うけられる。その一つが左に巻くような所から
急斜面になる。巻く道でなく、真っ直ぐと落ち葉の上、木の幹を掴まりながら登る。
背後の林越しに丸山が見えてきた。立ち枯れの木に掴まると滑るので、適宜つづら折
れに登っていく。枯れ葉の中の岩や木に苔が少し生えてきた。カエルがふんぞり返っ
たような岩など変化に富む。
大岩  
大岩 
【大岩】 そろそろ八合目あたりになろうか、頭上に目を見張るような大きな岩が
立ちはだかる。高さ5m程。右から巻いて登り展望を楽しむ。北北東の丸山から北東の
三草山が鉛色をバックに立ち並ぶ。昼寝にも丁度いい感じである。ここから上は、
登りが緩くなり踏み跡が出たり消えたり。段々畑のような平坦な地形が出てくる。
城跡の段丘のようであり、なるほどとうなづける。北の方へまわりつつ登れば切り開
きにでた。うん、これはもう山頂の臭い。(^^)v
丸山  
大岩から丸山(右のピーク)を望む 
【展望わずか】 果たして、まもなく南西の角が欠けた三等三角点に辿り着く。周り
は立木。木がなければ良い眺めのはず。城があった頃は木が伸びていなくてなかなの
要害だったことだろう。かたや子ども達はポケットゲーム機で遊ぶ。何という隔世の
姿か。私は次にいつ訪れるかも知れずの念、三角点の記念写真を撮る。
 北が一面白く霞んできて、雪が降ってくる気配。おやつでも食べようかと思ってい
たが身体が冷えてきたので、早々に下りることにする。
三角点  
三角点 
【落ち葉を下る】 往きの切り開き以外に明瞭な道はなさそうである。北へ戻って
白いテープが斜面にポツポツと下っている。城郭を組んだ石垣の跡か、岩がゴロゴロ
として落ち葉が降り積もる。やがて急坂になりテープが判らなくなった。仕方ない、
雑木林のヤブを東へトラバースして往きのルートに合流する。景色に見覚えがあるだ
けでなく、俊一が登りながら落ち葉を少しずつ掘り返して跡を付けてきたので明確。
 展望の大岩に着き、再び眺めを楽しむ。前方の尾根にスポットライトのように陽が
射す。ここから急坂を下りる。何度か立ち枯れを掴み、薮枝に刺されかけつつも、
落ち葉にまみれながらほぼ来たとおりのルートで峠の東へ着く。

【林道歩き】 ジャンバーの落ち葉を振り落としたりしていたら、ウォーキングの
おじさんがやって来た。この辺りの林道6kmの周回コースで歩いているそうだ。車も
ほとんど通らないので排気ガスがなくて良いという。先週、日生中央の近くの県道で
イノシシが出たそうだ。山で遭ったら直前でかわすしかないね、との弁。
 藪山は下りたときが爽快、これがやめられない。子ども達も面白かったようだ。
晴れ間が広がり、西日に大きな山影を後に家路へついた。

  三蔵山について   

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1999.12.29. BY M.KANE