もどり雪舞う奥北摂・峰ヶ畑 山行記 

 
  乙原の林道から 
       峰ヶ畑を仰ぐ
 
          1998.3.7. 
 
 
 

■目的地:峰ヶ畑(659.8m)・扶美ヶ岳 (約665m)<山域:北摂・兵庫県三田市>
■2.5万図:藍本・篠山
■日にち:1998年3月7日(土)
■天気:曇り時々晴れ後雪
■同行者:単独
■コースタイム:自宅発(13:50)=三田市乙原=林道大根谷線=巡視路標識着(14:35)

   巡視路標識発[約430m](14:40)〜高圧鉄塔(14:50)〜峰ヶ畑山頂(15:00-15:15)〜
   セメント標識「九」(15:25)〜鞍部(15:45)〜扶美ヶ岳山頂(15:55)〜
   林道557m地点(16:15)〜林道大根谷線〜巡視路標識着(16:35)

【峰ヶ畑】 三田市北の山奥に菖蒲のお寺、永沢寺がある。この南に延びる約4kmの
尾根が扶美ヶ岳から峰ヶ畑である。峰ヶ畑の山頂にはKDDの赤白アンテナがズドーンと
建っている。去年5月の白髪岳オフで松尾山山頂南の仙ノ岩で南東の方を見た時にも
気になったアンテナである。「新ハイキング別冊 関西の山 初秋(36号)'97.9.」で
慶佐次盛一氏が取り上げられていたのでそれが判明、先週取り付きを確認した。
 扶美ヶ岳には何も標識がない。前出文献でその名を知る。今日は風が強く寒い。

【取り付き】 林道大根谷線の途中で頭にアンテナと鉄塔をのせた峰ヶ畑が目に入る。
登り口はこの林道をくねくねと登って広いコンクリート道になり、KDDのアンテナ用
鉄製階段を過ぎたすぐ先の所に黄色の「保安林」と赤い「火の用心」の標識がある。
檜植林地である。沢の方に少し道が広くなっているので、ここに車を停めて登る。

【唸るアンテナ】 いきなり植林の中を急登である。つづら折れに高度を上げ高圧鉄
塔の下をくぐる。取り付きからずっと頭上で「ウーウー」と不気味な音が続いている。
高圧線やアンテナが風に吹かれているからだろう。日射しも弱々しいため、否応なしの
心細いシチュエーションである。
 20分ほどで金網に囲まれた施設に着く。頭上の音が一段と大きい。金網の脇に座って
眺めを楽しむ。大野山や六甲山、千丈寺山が一望である。遠くに瀬戸内海が鈍く光る。
西の方には虚空蔵山も見えるはずだが、あいにく立木が覆う。

【林のトンネル】 一応、目的の眺めは堪能した。ここで下りてもよいが、あまりに
あっさりなので、おずおずと北の尾根を目指す。すぐ下の電波反射板を巻く。山道は
はっきりしている。ひゅーひゅーと冬の低山の様相。落ち葉の積もった道。人が通れ
る幅はあるが高さは木々に覆われてトンネルのようになっているところが多い。突然、
前方をウサギのような影が脇に走った。かなり脇道があり間違いそうだが、林の中の
尾根をぐんぐん進む。何となく寂しい雰囲気が続く。
 セメント標識「九」は二股になっているが、左に取る。猪の掘り返した跡がある。
30分ほどで峠のような鞍部につく。はっきりとした道は右の方に巻いているが、前方
の高みが扶美ヶ岳のようなのでまっすぐ登っていく。踏み跡は不明瞭。
 
  扶美ヶ岳山頂下の 
    峠のような鞍部
     (南から見る) 1998.3.7. 
 
【もどり雪舞う】 ヤブをかき分けて登っていくと道があった。やがて緩やかになり 北の方が少し開けたところがある。さらに先へ行くと、道は笹藪に消えている。 うーん、この先はいただけないなぁ。先程からはらはらと白いものも落ちてきた。  引き返して北の開きに戻る。どうやらここが扶美ヶ岳山頂のようだ。天気が良ければ 篠山の山が見えるのだろうが、みるみる白に覆われていく。すぐ北の三国ヶ岳でさえも 白くなってきた。つい昨日までは春の陽気だったのに...。 【エスケープ】 前出文献ではさっきの笹藪を抜けて、東にある641mピークに足を 延ばしていたが、この天気では元気も萎える。時間も気になるので、西側の谷にある はずの林道へエスケープすることにした。踏跡があったりなかったりのヤブこぎである。 沢を暫く下りると前方が白くなる。あっけなく林道に到達。飛び出た所は、2.5万図 「篠山」の557m地点峠のすぐ下。電柱の番号は「エイタクジ 26 L24」。  峠からは扶美ヶ岳の方へ土の林道のようなものが延びている。この道から以外と 簡単に登れるのかもしれないが、今日はパス。(^^; 【シキミ取り】 林道を下りる。柴田ファームの看板のあるT字路はまっすぐ歩く。 この辺り工事中。車を停めた横の沢の上流は残念ながらこの有様だったのだ。尾根の 上は静かだがちょっと下りれば開発の波が押し寄せている。ここにも雪が舞い下りて きた。やけに道幅の広いコンクリートの林道を下りていく。  自転車でシキミを取りに来たというおじさんに会った。車を停めた所まで話をしな がら下りていく。安堵感に浸るひとときであった。

  峰ヶ畑について   

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1998.3.12. BY M.KANE