高代寺山について


  大阪府豊能町・兵庫県川西市  489m

 妙見山南西のすぐ隣の山。
山頂の東には高野山に代わる寺として栄えた高代寺がある。
西側はゴルフ場になっている。麓の一庫(ひとくら)ダム周辺はつり、キャンプ、
MTB、ランニング等々での市民の憩いの場である。


 

 

  一庫ダムから望む高代寺山
 

             96.11.3. 

 

 高代寺山から望む妙見山の写真を見る。



 秋晴れ文化の日は高代寺山 山行記

■日にち:96年11月3日(日)
■天気:秋晴れ
■同行者:裕太(4才)
■コースタイム:黒川登山口(11:20)〜ゴルフ場の舗装道に入る(11:55)〜
        NTT中継所(12:25-昼食-13:00)〜山頂(13:20)〜高代寺(13:55)〜
        六地蔵(14:20)〜吉川小学校横(14:40)〜ケーブル前(14:55)〜
        黒川登山口着(15:15)

【高代寺山】 文化の日にふさわしく(?)、良寛さんも立ち寄ったという高代寺山に登った。
秋晴れの朝、見晴らしの良い山に行きたいところだが、今日は嫁さんが地域の
文化祭の何とか当番ということで、裕太の子守りは私の番。お手軽な高代寺山にした。
 山全体がゴルフ場というイメージがあるため、もともと気の進まない山だったが
分県登山ガイド「大阪府の山」にも載っているのを知り、北摂ホームページにも
漏らすわけにはいかないので、そのうち行こうと思っていた。
 ちなみに、「大阪府の山」の表紙を飾るのは北摂・秋の歌垣山です。

【よぅしゃべる裕太】 川西市北部の一庫ダムを横切り、釣り人の多い知明湖を
横目に見ながら妙見山のケーブルが出ている黒川を目指す。キャンプ場を過ぎ、
拡張された道路の右上手に山陽自然歩道の白い道標がある。ここが登山口である。
 仕度をして裕太と登り始める。裕太が「だんだん山」と命名。階段を登って行く
イメージがあるらしい。落ちたばかりの枯れ葉の道を登る。ずっと登りである。
シイの実が落ちている。「なぁ、ドングリ落ちてるやろぅ。」、「カブトムシいるか
なぁ。」 サワガニを見つけた。「これ、俺の仲間。」、「まだいるかもしれんでぇ。」
と言っては道の小石をめくっていく。あぁだ、こうだとようしゃべるヤツだ。
賑やかで、不平も言わんと登って行くからありがたい。一部に木の階段あり。

【ゴルフ場】 30分近く登りが続いて間もなくすると、明るい林になり、前方に
人工物が見えてきた。下から静かな雑木林の中をずうっと登ってきた結果が、ゴルフ場の
ネットである。ちょっと興ざめだ。しかし、左手(北)に剣尾山がきれいな三角錐に見える。
標高380m位のところだ。木々の間から見え隠れする眺めはまあまあだ。ハイカーを誘導すべく
道標が頻繁にある。ゴルフ場の中の舗装道を歩く。「一庫ダムに至る」,「高代寺」の
道標に従い、山頂を巻くようにゆっくり登る。

 裕太は「キャンプしよう。」(メシにしようという意味)をしきりに繰り返し、
ペースダウン。ときおり車も通るので、肩馬をしていく。12:20 高円寺霊園の下、
NTT中継所管理道との分岐に着く。管理道を真っ直ぐ行くと、この山の目印である
中継所のアンテナで行き止まり。山頂は右手のこんもりした雑木林の中のようだが
藪道しかない。展望は期待できないので、道路に座り込んで昼食にする。

【すすきに妙見山】 腹がふくれて落ち着いたところで、山頂に行く道が他にないか
管理道をうろうろする。霊園の中に車が入れないようにした草ぼうぼうの轍がある。
すすきの中を道なりに行くと山頂の方に巻いている。木の間から妙見山が見える。
 長いこと入居無しの霊園地の様で、一面にススキが生えている。こんもりとした
雑木林に向かう階段があり、そこを進んで木の中にはいると、ポンプの音が聞こえる。
小さな中継所のような施設の横に二等三角点がある。489m、展望ゼロ。

 引き返して林を出ると、土を削った斜面に出る。ここからの展望が本日の最高の
ものだった。六甲−大阪湾−五月山連山−妙見山と180゜が開ける。
ススキの穂の上に大きく見える妙見山は、紅葉しかけの微妙な色合いがたまらない。
時々微かに鐘の音が届く。これと対照に、大阪湾までの平地に広がる市街地は
自然を虫食う人間の罪深さがギラギラと輝いて異様に眩しい。
 裕太は3m位の赤土斜面を登ったり滑り台にしたりで泥んこである。

【竹藪】 高代寺に向けて舗装道を下り、右手にポンプ施設があるところの先が
赤いトタン屋根が珍しい高代寺であった。静かなところだ。妙見口側の吉川に
下りる道を探すと、なんとさっきのポンプ施設横の竹藪の中に道がある。
この道が高代寺への参道だ。足を入れると真っ暗。その中で雪景色のような
竹の落ち葉が道を示す。一人じゃ怖くてよう来んなぁ。上空は快晴なのに夜のようだ。
やがて道脇に石累のある雑木林になり、明るい山里を感じるようになると六地蔵。
里の仕事道を下る。ここではクヌギからたくさんの実が落ちていて、ドングリの収穫に
忙しい裕太であった。手に持てないほど拾った。

【秋の一日】 吉川小学校を過ぎると人通りが賑やかだ。能勢電車妙見口駅と
ケーブル駅の間の道である。秋晴れの中、妙見山の人出は相当のようだ。それに
引き替え、お隣の高代寺山は静かなものだった。みんなが妙見口駅に下りてきている
中を、再び裕太を肩馬にして登る。すがすがしい秋の一日を過ごした人たちの顔が
爽やかに見え、こちらまですっきりしてきた。やはり自然の中がいいんだなぁ。
 ケーブル駅の前を通り過ぎて黒川登山口にだらだらと下る。鮮やかに色づいた柿の
実や木の葉が目を楽しませてくれたし、裕太の肩馬でいいトレーニングになった。
登りを頑張った裕太に、ささやかな褒美としてジュースをあげて帰路につく。
 一庫ダムで簡単にスケッチをし、ネジの切れた裕太は家までずっと寝ていました。
 



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1996.11.16. BY M.KANE