丹波・萱山へ雑木林と池を訪ねる          

 
萱山(左奥)南面と向山南尾根 (415m標高点北西鞍部から)
■目的地:萱山蛇ヶ池 (648m) <山域:丹波・南丹市 日吉町>
■2.5万図:胡麻
■日にち:2008年1月6日(日)
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  府道50号 畑郷口 発(11:00)〜横谷林道脇から取り付く(11:25)〜Ca315mコブ(11:35)〜
  470.5m三角点(12:05)〜415m標高点(12:30)〜621m山(13:10-13:30)〜Ca565m工事林道T字路(13:45)〜
  林道Y字路(13:50)〜林道脇から取り付く(13:55)〜Ca625mコブ(14:05)〜鉄塔下(14:15)〜蛇ヶ池(14:18)〜
  反射板(14:25)〜Ca625mコブ〜Ca565m工事林道T字路(15:00)〜林道工事先端(15:10)〜奥山川の谷〜
  平成17年製の堰堤(15:40)〜446P南東の林道Y字路(16:10)〜府道50号 畑郷口 着(16:35)

 今朝は霧が濃い。もう10時なのに亀岡も園田もまっ白。日吉ダム近くに来てやっと青空が広がった。
霧の上は快晴なのである。胡麻の駅前を過ぎたので右折する。府道50号。畑郷に入っても不案内のため
調子に乗って中垣内の方に入っていた。引き返す。横谷林道入口の横に空地があったので停めさせて頂く。

 林道標識があるが、文字が判別しにくい。青空である。冬枯れの山である。左にはお椀を伏せたような
383.2m山が間近に迫る。民家の横を抜けて谷を行く。地図にある神社への破線道を探すが見当たらない。
行き過ぎていると思うのでもう一度戻って探してみる。民家の手前まで戻ったがやはり見当たらない。
今までヤブに無理やり突入して苦しんだ時もあったので、落ち着いて取り付きを探そうと思ったが、
見当たらない。仕方がないので、廃道にも見えそうな低木雑木林の斜面に取り付く。
 
林道脇から取り付く
 あまり苦にならない雑木の斜面を登ると果たして破線道に出合うのではと思ったら、踏み跡も判別できない所。
しばらく北進したら鹿除けネットが出てくる位。歩けないことはないのでそのまま北に高度を上げていく。
雑木の斜面を20分登ると右手から1m幅ほどの明快な山道が上がってきている。枝の間から左右の山並みが覗く。
快適な道を歩くと脇に470.5mの三角点。さらに前方は第一目標だった神社が見えてくる。思いの外、朽ちた様子。
 
470.5mからすぐ北の神社
 神社で一息と思っていたが、少し荒れた雰囲気で落ち着かないのでもう少し行ってみることに。
左側のヤブから祠の後ろに回る。松交じりの雑木の中に踏み跡が続いている。ひとしきり下ると
長いほぼ平坦な尾根歩き。右手に鹿除けネットが張られている。道ははっきりしたものだ。
 
ネットが続く
 神社から30分程歩くと尾根が細くなり左は植林、右下に白いものが見え隠れする。林道に残った雪だ。
415m標高点を過ぎた北西鞍部と思われる。地図よりも林道が延びている。この先もまだ延びている様子。
帰りが遅くなればこれを利用しよう。この鞍部辺りが林道に一番近くて、切り開きから東の展望が素晴しい。
高圧線の通る山並み、その北(左)に目指す萱山蛇ヶ池があるのだろう。(トップの画像)

 尾根に沿って北進し440m等高線辺りに着く。ここから傾斜は急にきつくなる。植林がなくなり明るい雑木だが
右手にはまだネットが張ってありそれも右奥に逸れていった。木があるとは言うもののここを降りるのは
きつそうだなと帰りのことを考える。高度が上がり、目上にあった周りの尾根が目線に変わっていく。
やっと緩やかになる頃、尾根の北面は雪が残っていた。ここから来たルートへ下る時は降りる方向を定めるのが
難しそうだ。
 
621mのピーク手前
 621mのピークを目指していくと、その手前に緩い谷。一部が雪で覆われ、獣たちの足跡が駆け巡っている。
今までの歩きが報われる時である。いいなぁいいなぁ、鹿になったような気分で歩きまわる。疎らな林から周りの
尾根も眺められる。621mのピークはこの谷から少し左に上ったところで、南面は暖かい陽射しで雪がない。
乾いた落ち葉に腰を下ろして昼食とする。無線を入れて低徘メンバーと交信。北摂・中山のLNWさん、丹後・
大江山のDQKさんとIRCさん、播磨・七種薬師のOAPさん。新年に賑やかな空のパーティは単独に心強い。

 さて、すでに13時を回っているのにまだ目的地ではない。時間があれば空山や鏡峠もいいなと思っていたが、
そんな余裕はないので萱山へ向かう。雪の尾根を北に行くとすぐに林道が現れる。地図ではわかっていても
こんな所まで林道が来ているのは興ざめ。しかし、今日は時間短縮に利用させてもらう。林道を歩いてすぐ東の
谷へ林道工事中。T字路になっている。地図にはまだ記載されていない。おぉっ、これは下りのショートカットに
使えそう。元気が出る。林道の南を見れば空山の下まで伸びているのが見える。尾根近くがどんどん侵食されて
いる。
 
林道から升谷と三峠山
 右に雑木林のよさげな尾根を見上げながら林道を北進。西の展望が開けて気持ちが良い。
Y字路には車止めのチェーンがかかっていた。この先は北面になる。雪の轍が凍っている。
今度はちょうど長老ヶ岳や和知富士がよく見える。
 
林道から長老ヶ岳
 林道の法面崖が低い所で南側の尾根に取り付く。のっぺりとしたCa625mコブの西辺り。植林を抜けるとここも
さっきの621mのピーク以上に緩やかな広い斜面に雑木林。青空が拍車をかけて明るい。私にとっては最高の
お年玉。しばらく眺めたおす。
斜面を東進して低木雑木を下り、萱山648m西面との広い谷の雑木林にまたため息をつく。
古いが熊の爪あとを残した木があった。山深いところである。
 
Ca625mコブ
この西面を上りきり648m北の緩やかなコブを過ぎると白い雪で覆われた小さな池が見えた。こちらからは
急で雪も多いので北側に回る。雑木を抜けると鉄塔下に出てそこから池に向かう。こんな山の中、林道や
鉄塔がなければもっと神秘的な雰囲気だったろう。雪のおかげか水は残っている。静かだ。池の東側が
西日を受けてのんびりした雰囲気。至福の時を過ごす。窪地なので風もない。
 
蛇ヶ池
 さて、14時をとうに過ぎている。帰らないといけない。林道に期待して少し長居してしまった。
鉄塔の少し東には電波反射板があった。辺りは真っ白な雪で覆われている。
帰りは尾根伝いで工事林道のT字路を目指す。雑木林が続くが、林道から取り付いた辺りまでが明るい林、
その西は低木が多くトンネルの中を行く感じ。T字路からは道なりに奥山川源頭へ下りる。尾根を巻くので
工事林道がどこまで続いているのか解らない。期待と不安に包まれて歩くと、意外とすぐに道がなくなった。
 
工事林道
 まさに工事の最中。ここから谷を降りるのはリスクがあるなぁ。どうしよう。621mピークへ戻って降りるか。
その斜面は向かいの尾根として黒く横たわっている。よく考えれば、それほど登り返さないでもいいはずなの
だが、遠くに感じる。この谷は途中まで破線道があるので、さらにそま道が上って来ているかもしれない。
そんな都合の良い妄想に駆られて気がついた時には谷を降りていた。工事の土砂が押し被さっている。
その前はきれいな谷だったろう。
 
奥山川源頭近く
 鹿道か踏み跡か解らないかすかな道を拾いながら降りていく。時々木につかまって斜面を降りる。
沢の三つ又を過ぎてさらに降りる。植林になりやっと仕事道のような踏み跡に出た。安心するのはまだ早い。
これの先でも道がなくなったり、谷が険しかったり気の抜けない時間が続く。沢は太くなりナメた川床が
滝になる。その先には明らかな仕事道が来ているが、手前が少し崩壊。たどり着いてほっとしたらその先には
荒れ狂うようなイバラ。真新しい堰堤ができている。平成17年製。あとは林道を下りればよい。
 
平成17年製の堰堤
 この林道、周辺でいくつも工事中である。斜面は無残に木が倒れたり、落ちてきた岩が林道を塞いでいる
所もある。良い雑木林が残るのに残念。しかし、その林道を利用して下りている自分がいるのだ。
上りに使った神社尾根の山腹を縫う林道の入口があった。カヤが生い茂りあまり使われていない様子。
里に出ても静かである。元気そうなおばあさん達とすれ違う。
林道のおかげで明るいうちに車に戻ることができた。西日が谷の上を射すようになっている。

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2008.2.9. BY M.KANE