受難の跡残る三田・飯盛山          

冬枯れ  
小野公園の向こうに聳える飯盛山 
■目的地:飯盛山(361.0m)<山域:北摂・三田市>
■日にち:2000年1月9日(日)
■天気:曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  三田市 小野公園 発 [約180m](10:15)〜電柱「イイモリ49」(10:20)〜
  露岩の下(11:00)〜南の尾根 [約355m](11:10)〜山頂(11:15)〜
  北の鞍部 [約325m](11:25)〜黒川沿いの舗装道(11:45)〜小野公園 着(11:50)

【飯盛山】 有馬富士から花山院への県道を抜けて北上すると、左手の黒川越しに
こんもりとした山がある。これが飯盛山。周辺は、小野公園や飯盛公園として整備さ
れており静かな市民の憩いの場である。
 今日は月末に予定の千丈寺山下見の傍ら飯盛山へ登る。羽束山の麓を通って有馬
富士までの道のりでは、朝靄とも野焼きの煙ともつかぬ薄白いたなびきが初冬の里の
情緒をかき立てていた。

【落ち葉の谷】 黒川の東側川原を公園化したような小野公園の駐車場へ車を停める。
ここはトイレもあるので便利。北側の入り口には飯盛公園の散歩道案内板があった。
 支度が済むと、出発。小野橋を渡って左折し「イイモリ49」表示の電柱そばに
薄いササに隠れて踏み跡が上っている。少し入ると何のことはない、落ち葉谷の急斜
面にいくつもの踏み跡が交錯しているではないか。なかなかいい感じの落ち葉斜面に
気を良くして登る。
 谷を左に移って登っていくと、何やら根元が焦げた木が出てきた。うーん、これは
山火事の跡に見える。
お焦げ  
焦げ跡残る根元 
【トゲトゲ攻撃】 そんな木がちらほら出てきたら、いつの間にかツル状や低木の
イバラが乱立。さらに、たくさんの枯れ木が下の方を向いて倒れている。がんじがら
め状態の登りとなる。ちょっと手を伸ばして掴もうとした立木がトゲ!というのが
幾度もある。軍手では痛い。ジャンバーやズボンにはひっかき傷や黒い炭の擦った跡。
 低い山と甘く見たのがまずかった。立ち止まっては、イバラの少ない方はどっちか
選びながら登る。
有馬富士  
有馬富士を望む 
【火事の跡】 露岩が現れてきた。大きな木が少なくなり、背後(東)に冬枯れのトン
ガった山が出てきた。イバラに囲まれた露岩を左に巻くと、少しずつ歩きやすくなり
禿げ山の尾根に上がる。ここでもイバラはまだある。
 黒く焼け焦げた跡をつけて立ち枯れの様になった木が目立つ尾根は、山火事から
立ち直り切れていないようだ。無惨な姿を留めている。こんな荒れ方もあるのだと
珍しい景観に見入る。しかし、幸か不幸か展望が利く。千丈寺湖や有馬富士が南に
望め、白いたなびきが眼下に残る。雪こそないが冬の景色。
南の尾根  
南の短い尾根 
【荒れ山頂】 南の短い尾根は立ち枯れのような木が乱立している。トゲトゲ攻撃は
続きそうだ。地図を出し、三角点を求めて北へ歩く。歩くといってもヤブは続く。
イノシシの仕業とは違う様子の掘り返しが気になる尾根の中、枯れススキの根元に
三角点の石柱がかろうじて残っていた。赤白ポールはヤブに倒れている。
 東には烏ヶ岳周辺の鋭鋒が顔を出し、北の千丈寺山方面は立木越しの山影である。
北西は、蛇行する武庫川の上と思われる所に朝靄が残り、こんもりとした茗荷谷山が
よく見下ろせる。

【北尾根】 昼までに自宅へ帰る予定だったが、登りのヤブで遅れ気味となった。
せわしなく北へ尾根伝いに下りる。千丈寺山は相変わらず立木越し。
 うって変わって、こちら側はいい落ち葉の雑木林、やっと山らしい姿に戻った感じ。
落ち葉の急斜面を10分弱程下ると鞍部。北にも径はあるようだが倒木が塞いでいる。
それ以外にも四方に踏み跡が見られる。車を停めた小野公園へ向け、右の谷へ採る。
谷  
下りの谷 
【野ウサギ】 落ち葉の急斜面、なかなか良い山ではないかぁ。やはり山はこうじゃ
ないとなぁ。炭焼き窯の石垣跡だなぁと見た時に突然、ガサガサとウサギのような
小動物が逃げ走った。
 やがて谷道のような枯れた沢となり、ササで薄く塞がれたヤブを抜け出たら
舗装道に飛び出した。電柱「イイモリ54」と電柱「イイモリ53」の間で、電柱「イイ
モリ54」に近い所である。ここから入るのが登りやすくて最短のルートかもしれない。
 車を置いている方の小野橋を渡ると、畑の向こうに千丈寺山が悠と聳える。

【近所のおじさん】 車に乗る前に、脇の畑で草刈り中のおじさんに声をかけてみた。
「この山は入ってはいけないのですか?」(今更、何を言う ^^;)
「そんなこたぁ、ない。登ったらよろし。この辺りは公園だけん。」
...から始まって、この辺りの公園整備や老人ホームの工事のこと、山火事のこと、
ハンターのこと、花山院のことなどいろいろと教えていただいた。
 お忙しいところ、ありがとうございました。

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2000.1.15. BY M.KANE