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  猪名川町周辺の山ハードハイキング
  特選ショートコース その2

高岳北尾根 横断 

  妻恋地蔵さんからご提供いただきました。 ありがとうございました。
  妻恋地蔵さんのE-mailアドレスは hirotani52@nifty.ne.jpです。  (2002.5.6.掲載)
 
 
 以前から気になっていた高ンボの尾根と、高岳北尾根六五五m山東尾根をつないで横断しました。一部、濃い笹藪もありましたが、予想通りのすばらしい雑木林の尾根歩きを楽しむことができました。
 「山林に自由存す」などという年寄り趣味が、現代の若者に通じるか不安もありましたが、「静かでいい山だなあ」と気に入ってくれたようです。
 
山行日 2002(平成14)年3月9日[土]
 
山 域 北摂山地
 
同行者 大阪府立高校アウトドアクラブの生徒七人、迷犬ハナ
 
天 候 晴れ
 
時 間 広瀬川林道入口10:00・・・・11:12高ンボ11:30・・・・12:25七一一m山(昼食)13:35・・・・14:55六五五m山・・・・
     ・・・・15:35東尾根最初の鉄塔・・・・16:30旧国道一七三号線
 
 
◎高ンボの尾根
 
 広瀬川林道に入ってすぐ、立ち入り禁止のゲートがあり、そこから尾根に取り付く。最初は急な藪漕ぎだったが、次第に歩きやすい尾根となる。ときどき小さなザレに出て、大野山や広瀬川の景色を楽しむ。
 小さなアップダウンを繰り返して進む。テープを張り巡らしてあるところがしばらく続き、少し興ざめがする。おまけにテレビアンテナまであった。
 高ンボへの登りに掛かるころから、再び美しい雑木林となる。急登しばらくで、高ンボ頂上五九一mに着き、休憩。展望は得られないが、まったく静かな山頂だ。この山は、杉生あたりからは手前の山に隠れて見えないが、杉生新田からはよく見えている。姿のよい山だ。高ンボ、沢谷、大谷の地名は、以前杉生新田の山人に教えてもらった。
 いったん下って静かな雑木林の尾根を進む。少し枝が出ているものの、歩きやすい踏跡がつけられている。笹が次第に深くなってくる。最後は笹藪漕ぎになって、七一一m山に飛び出す。
 どういうわけか、この頂上はきれいに木が切られた広場となっている。ここで昼食。大野山、深山、剣尾山、高岳などがよく見える。食後はポカポカ日光の下でお昼寝を楽しむ。高校生たちは、携帯電話のメール交換に余念がない。日本橋にいる友人に、ゲームソフトを買ってくれと頼む者もいる。
 
◎高岳北尾根六五五m山へ
 
 歩きやすい関電巡視路を歩いて、沢谷源頭の水場へ下りる。ここは平流で水が汲みにくいから、今日は短いホースを用意してきた。この水はじつに美味い。各自水筒に満たす。
 府県境尾根に上がって次の小山に岩がある。東側の展望が良い。昨春縦走したときに置いた小さなケルンが、そのまま残っていた。尾根が少し西へ折れる小山から、東側が黒ネットとなる。六六五m山の次の小山から、巡視路は大谷の南尾根に下りている。
 ここから先の尾根は、次の小山までの間がやや歩きにくかった去年の記憶があるので、西側を迂回することにする。巡視路を北側直下の鞍部まで歩き、そこから笹藪を強引に下って、大谷の源頭に出た。ここに清い細流があった。少し下るとすばらしい雑木林。細流を渡り東側の斜面を少し登って、府県境尾根に復帰した。
 歩きやすい雑木林の中を進んで、「大阪府」の標石がある六五五m山着。
 
◎六五五m山東尾根
 
 府県境尾根から東の尾根に入ると、とたんに深い笹藪となった。しかし、獣道のような踏跡ははっきりしている。ときどき中人谷(なかんどだに)源頭の雑木林の上縁をからむ。
 笹藪中の踏跡が不明瞭となったころ、新しい送電線の鉄塔に出る。ここは尾根が北と東に分かれる分岐点だ。獣よけネットをゆるめて鉄塔の敷地に入った。『山を駈ける風になれ』の作者が登った六七八m山が、すぐ北方に見えている。再びネットを開けて敷地から出ると、舗装道路がある。ハラガタワ峠から登ってくる道路のようだ。
 すぐ東の小山にある次の鉄塔のところで道路は終わっている。ハナが猛然と林の中へ駈けだした。激しく吠える方を見ると、若い鹿が一頭、ネットにからまって大きくジャンプして暴れている。助けてやりたいが、角やひづめが危険なので手が出せなかった。
 道路終点から歩きやすい巡視路を進む。何度かネットの扉を開けて下りて行く。M君に携帯電話を借りて自宅に電話し、妻に車の迎えを頼んだ。こんなところから電話ができるとは、確かに文明の利器に違いない。しかし、わずかに手許に残った自由さえ縛られてしまいそうな気がして、私は持ちたいとは思わない。
 小山のところで、巡視路は主尾根から外れて東側の支尾根に入る。上山辺(かみやまべ)への林道分岐へ下りて行く主尾根にも、歩きやすい踏跡がありそうに見えるが、このまま巡視路を下りることにする。美しい雑木林の中を巡視路は急下降している。下るにつれ、尾根上は防火線のような広い切り開きとなる。最後の急斜面を下りて山辺川を渡り、旧国道一七三号線に着いた。
 
(この文は、ニフティの登山会議室への報告に、少し手を加えたものです)
 

 妻恋地蔵さんの「深山をゆく」  

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2002.5.6. edited in HTML by M.KANE