残雪・氷ノ山        

 
     奈良尾から望む    
■目的地:氷ノ山(1510.0m)
■日にち:2009年4月19日(日)
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
     自宅発(7:50)=北近畿豊岡道=瀞川氷ノ山林道=鵜縄分岐から1.2km南(11:20)着

  林道駐車地 発(11:30)〜瀞川氷ノ山林道〜大段ヶ平登山口(12:30)〜大屋町避難小屋(13:00)〜
  神大ヒュッテ(13:25)〜氷ノ山山頂(14:05-14:30)〜神大ヒュッテ(14:50)〜大段ヶ平登山口(15:25)〜
  瀞川氷ノ山林道〜林道駐車地 着(15:05)

 今日も晴天。北摂は気がつくとあっという間に新緑が覆い尽くしてわっはっは状態になっている。
さて、関宮から西進していくと、さすがに但馬の主峰だけある、雪を残した姿で現れる。

 親水公園やスキー場前を通り過ぎて、瀞川氷ノ山林道を大段ヶ平登山口へ向かう。
まど登山口には10台位の車が駐まっていた。鵜縄分岐から1.2km南に来た辺り、一ノ谷を過ぎた所で
残雪が道をふさいでいた。仕方がないので、ここに車を駐めて歩ける所まで行ってみる。
 
林道の斜面 「湿地環境を守ろう駅」付近にて
 その後、林道は数ヶ所がまだ雪で塞がれていた。この林道は「緑の回廊」として要所に案内板が設置してある。
大段ヶ平登山口は「氷ノ山中央駅」、その手前に「湿地環境を守ろう駅」、「巨木の谷駅」がある。
所要時間が記されているが、かなりゆっくりペースでの設定のようだ。雪解け水が浸みだした崖には
ふきのとうが出ている。カツラやトチの大木、ブナの新芽、タムシバの白い花が賑わいを見せる。
 
山頂方面を望む 「巨木の谷駅」付近にて
 雪があるとはいえ、春の陽射しは強くてのどが渇く。途中の湧き水で顔を洗う。
大段ヶ平登山口は広い駐車地があるが、一台も車がない。南側から歩いてきたおじさんに聞くと、
2ヶ所ほど横雪が残っているので車は入れないという。

 やっと予定のコースに入れた。山道はササが切り払われた平坦道。まだ葉の出ていないブナの林を歩く。
木々の向こうは雪残る三ノ丸の尾根筋が延びる。鳥の声が響く中ルンルン気分で進む。
ササの丘を望む鞍部を登り返して行くと一段と太いブナの疎林になる。雪解け水が道を流れてきた。
 
 
 大屋町避難小屋の横を過ぎて少しした所で、誰も通らないので腹ごしらえ。おにぎりふたつ。
大きなブナが道の真ん中に立つ。道は残雪に覆われてくる。この先で3パーティほどとすれ違う。
スキーを担いだ人も下りてきた。
 
 
 神大ヒュッテを過ぎて一段と明るい道になる。南東に藤無山ののっそりとした姿。大段ヶ平登山口の
駐車地も白い露地で見えた。雪の上についた足跡をたどっていく。杉が出てくると木陰で薄暗い。
木陰は短くササの上に載った雪が斜面を覆い、眼下に奈良尾の家並みを懐に聳える八伏山。
 
 
 古千本杉の辺りでは、雪が東斜面にどかっと落ち込むところもあり足がすくむ。古生沼の横に上ってくると
足元の雪の下から、コロコロ、コロコロと水が流れていく。その雪の上に足を置いて登っていく。
なんとも不思議な感覚である。山頂の非難小屋が間近になり西の展望も開けてくる。ぶん回しの尾根、
青が丸、扇ノ山。登ってきた東は古生沼の雪をおいて、左に但馬妙見山から蘇武岳の稜線が浮かぶ。
 
 
 山頂にはご夫婦が一組。一回り眺めを堪能して南の尼工ヒュッテの方へ行く。
ササで見えにくかった三の丸方面の尾根が雪をまとってたおやかに全貌を現してくれる。
この景色を見ながら、おにぎりをほおばる。
 
 
 帰りは来た道を戻る。同じ道でも角度が変わり、日差しも変わっている。
後ろでガサガサッと音がして振り返ると雪の呪縛から逃れた千島ザサが揺れている。
ササとブナの道をどんどんと下りて行く。目の前の山道をふさふさの茶色が横切る。ウサギのようだった。
 
 
 登山口は静かで、駐車地まで出て振り返るとどっしりとした姿が歩いてきた道をそれぞれに思い起こさせてくれる。
長い林道を車に戻る。往きとは違う日差しに浮かぶ新緑がまた良い。バイクの音が近づいてきてモトクロスが
数台通り過ぎていった。再び鶯の声が響き渡る斜面を縫って無事に車にたどり着くことができた。


  氷ノ山について 
 
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2009.5.4. BY M.KANE