幻惑の小女郎ヶ池から花の打見山    

霧の池  
静かな霧の小女郎ヶ池
■目的地:小女郎ヶ池・蓬莱山(1174.3m)・打見山  <山域:比良>
■日にち:2000年5月7日(日)
■天気:曇り
■同行者:日下部さん
■コースタイム:
  自宅 発(5:55)〜JR川西池田(6:32)〜蓬莱駅 着(8:08)

  JR蓬莱駅 発 (8:15)〜薬師滝(9:10)〜小女郎ヶ池(10:30-11:30)〜
  蓬莱山(11:55-12:10)〜笹平(12:20-12:30)〜打見山(12:40)〜キャンプ場〜
  木戸峠(13:00)〜クロトノハゲ(13:25)〜大川・上の堰堤(14:20)〜
  JR志賀駅 着(14:55)

【湖西線】 5:20起床。JR川西池田のコンビニでおにぎりを仕入れるつもりだったが、
開店が6:30、電車に間に合わないのでパス。京都の駅売店で仕入れる。乗り換えた湖西
線の普通列車はハイキング専用と化していた。山科の緑がいい。堅田に入るとガスを
被った高みからすらりと裾野をひく景色が現れてきた。

【舗装道】 蓬莱駅の改札口には既に日下部さん先着。駅前で山の写真をとカメラの
電源を入れたらカードエラー。何度か出し入れして回復。約5分のロスタイム。
 家並みから山へ向かう。途中で道を間違い地元のおばさんに尋ねると優しく教えて
くれた。その後は要所に道標がある。やがてのどかな田圃の中の道となり植林の中へ。
道脇にはスミレやキケマンなどが咲く。目指す稜線はガスで覆われたまま。一本調子の
ゆるい登りは徐々にきつくなってきて足に堪えてくる。
新緑  
谷に咲くミヤマザクラ(?)
【沢音】 舗装道が終わるところで堰堤がある。軽トラが止まっていた。
杉林の中の地道を登るとすぐに薬師滝につくが、木々に隠れて思ったより小さかった。
 ミソサザイやウグイスをはじめ野鳥の声が沢音と響き合う。ごつごつとした石の多い
道から段々と沢を見下ろすようになる。登りの足取りは一段と重たくなり、首筋からい
く筋も汗が吹き出た。腕に落ちた汗を雨粒と勘違い。道に顔出す岩の表面に細かな露が
ついている。咲きたくても陽射しがなくてしぼみ加減のニリンソウやミヤマカタバミ。
 30分程度に一回の割合で小休止を入れる。見上げると白い世界が近い。重い予感。

【神秘の池】 ササが増えてきた。葉先に露。ガスに隠れて判りにくかったが既に稜線
直下。おじさんが一人下りてきた。「降りそうだし、カミナリに遭いとうないしなぁ。」
なるほど説得力あり。ササの中に少し雪が残っていた。視界の少ない小女郎峠からササの
ドームの間を歩いて小女郎ヶ池へと向かう。
 ガスがたなびく神秘的な感じ。誰もいないのが信じられない。新緑はまだほんの少し。
水芭蕉を見に行ってみたが花はなし。蓬莱山もガスに隠れる。でも幻想的ないい感じだ。
説明板のある入口へ戻ってみると鶯色したウグイスが間近で鳴いてくれた。
降る前に早めの昼食。やがて人が増えてきたので辞する。ガスは既に晴れた。
   ササの稜線  
蓬莱山から南の稜線を望む
【ササの稜線】 峠へと戻って稜線を行く。ショウジョウバカマとイワナシが咲く。
琵琶湖も霞んで見える。尾根のコントラストが良い。冬枯れの紫色と新緑眩しい緑。
この稜線歩きを楽しみにしてきたのである。ガスが晴れて爽快。
 蓬莱山は風があり、吹き流しが真横に浮く。リフトで来た人たちが増えてきた。
北は大きな武奈ヶ岳をバックにふわふわとした感じの冬枯れの尾根がポコンポコンと
連なる。西に微かに北山。見下ろす小女郎ヶ池は冬枯れの中にひっそり。

【笹平】 スキー場を下りて谷間の笹平は遊園地状態。子供連れ多し。標高1000mの雰囲
気は何処かへ飛んでしまう。トイレあり。レストランに入り自販機のビールで乾杯、汗を
かいた後は格別。打見山へ登り返してゴンドラ駅。予定よりも時間が早いので木戸峠に
寄る。スキー場の歩きにくいのっぺり坂を下り、キャンプ場を通って木戸峠。ササが迫り
ひっそりとした縦走路の良い雰囲気。
   イワウチワ  
コブシの谷を背に咲くイワウチワ
【花の道】 峠からクロトノハゲへの巻き道は谷の崩壊地に木のハシゴが架けてある。
脇のロープを持ちながら渡る。見上げると新緑がきれい。やがてうす桃色のイワウチワが
ポツリ、ポツリ。さらに歩けば、うわぁぁぁという感じで斜面に群生している。コブシの
花も稜線を背景に鳩が飛ぶ様。実に素晴らしい。加えてシャクナゲがいくつか花をつけて
いて望外の幸せ。何度も立ち止まりため息でながめつつ足元に気をつけて進む。
 一時雨がぱらついてカミナリも聞こえたがカッパを着けていたら止んでしまった。
   新緑  
見上げれば緑が光る (天狗杉の下にて)
【新緑の道】 風化した露岩のクロトノハゲから林の中へと入っていく。
まだ新葉が出たばかり。根元近くが下に湾曲した雪のあと。づつら折れを何度も繰り返し
大きな杉があった。「天狗杉」。さらに下りると緑が濃くなる。おや?ピンクの見慣れぬ
花を発見。イカリソウ、初めてお会いする。さらに緑のマムシグサはお久しぶり。
 植林に混じった新緑が引き立ってきれい。堰堤に出ると琵琶湖が見える。
2つ目の堰堤を過ぎて下りるとウワミズザクラの薫りとシャガの群生。
早苗の水田に出て振り返ると険しい斜面に緑二色。丁度電車に間に合う。
 雨にも濡れず後半は花に囲まれ期待以上の歩きでした。日下部さんご苦労様でした。
   キタダカ谷  
下りてきたキタダカ谷の支尾根を振り返る



      小女郎ヶ池について   

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2000.5.13. BY M.KANE