うす雪尾根の平屋富士からホサビ山 

 
平屋富士
■目的地:平屋富士(570m)・ホサビ山(750.2m)   <山域:丹波 南丹市美山町>
■日にち:2010年3月14日(日) 
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  平屋神社Ca210m 発(11:05)〜平屋富士(12:10-12:40)〜Ca740mP(13:20)〜Ca750mP(13:50-13:55)〜
  鉄塔#72(13:58)〜ホサビ山((14:08)〜鉄塔#73(14:20)〜鉄塔#74(14:25)〜五叉路の峠(14:35)〜
  野添下山林道に合流(14:50)〜野添上山林道に合流(15:30)〜林道ゲート(15:35)〜平屋神社 着(15:55)


 京都・美山町に平屋富士という端正な山がある。昨夏、美山町を訪れた時から気になっていた。
2週間ほど間が空いたら、里はもう春の雰囲気が何処からか匂ってくる。梅や桃の花がそうさせるのか、田畑の草が
青くなっているからか。通いなれた四ツ谷を通り神楽坂トンネルを抜けて美山町に入る。バイクや自転車のツーリングも
春風が心地良さそう。
 道の駅の前を過ぎて、由良川を細い橋で渡ると、登山口とする平屋神社の鳥居がある。
地元の人の迷惑になりそうにない所へ車を停める。静かな里です。支度をして歩き出すと、青空に冬枯れの丘が
切り通しの上ににゅっと顔を出す。晴天は何げない風景も感動的に演出する。本当にいい天気だ。
 
平屋神社
 神社へは橋を渡って石段を登る。広い境内の割に社は小さい。境内はゲートボール場になっているようだ。誰もいない。
社にお参りした後、左手に回ってみると植林の中に仕事道のような細い道が続いている。
 しばらくは北面のほとんど水平道だったが、沢のある小さな谷に突き当たって、ここを登ることにする。
倒木もあったり草も生えたりで道は不鮮明。急な斜面が迫ってきて、尾根に乗るために右手を登っていく。
立木に捕まりながら登って尾根にのると分かりやすい踏み跡があった。
 
急登
 緩やかな尾根は再び急登となる。立木を捕まりながらの登りが続く。たまに残置テープがある。左手に堀が現れて来た。
古道の名残かと思ったが、急で捕まるものもない。
 汗が噴き出してくる。振り返ると木々の陰に混じって山陰も現れてきた。久しぶりの急登続きである。
やっと緩やかになり再び短い斜面を登ると平屋富士である。この登りにはトラロープがつけられていた。
登りも大変だが、下りも気を使うところだろうなと思う。

 平屋富士は、美山五山の標柱と小学校の登山記念の標柱が立っている。西南に開けて由良川と大岩山が見える。
北は葉の落ちた雑木越しに白尾山への尾根だろうか。
少しヤブっぽかった急登から解放されて、眺めもあるのでここで昼食とする。
 
平屋富士から西南望
 一つの目的地には着いた。もう一つのホサビ山へは少し長い尾根が続く。出だしが遅れたので、山道の状態によっては
夕刻までに下山できなくなるかもしれない。ともあれ、様子を見るためにも尾根を進んでみよう。
 緩やかな尾根が続く。斜面の林もいい雰囲気。時々のぞく両側の眺めもわくわくする。
ということで、快適な歩きが続く。暖かさに誘われたか、コゲラなどのさえずりも添えられる。
立木が多いが冬枯れなので明るい。天気が加勢している。気も軽やか。
 
山並みと歩く
 足下にだんだん雪が現れてきた。尾根から南望する山並みも北面なので雪が見える。鹿と思われる足跡が付いている。
木の幹には熊かもしれない爪痕が残っているが、かなり古い。大きな鹿が一頭、10m先を横切って逃げていった。
 だいぶ歩いたなと思う頃、ピークについて残置テープあり。黒マジックでホサビ山まで50分とある。そんなものだとわかって
いるものの、後の時間を考えると早足になってくる。いよいよ雪は尾根を覆うほどになってきた。
若い馬酔木の葉が青青と生えるのがうっとうしい。何年か経つと地蔵山で見たように大きくなるかと思うからである。
 
極楽尾根歩き
 高度が上がってくると少し岩が現れ、赤紫色のイワカガミの葉も出てくる。行く手に640mP、その右にホサビ山がやっと
見えるようになってきた。ひときわ高いピーク640mPは、ヘリポートになっているようで、平地が雪で覆われていた。
ホサビ山の南西以外は山並みが見渡せる。若狭に連なる山は南面ながらまだ雪を被っている。
 
640mPから北望
 ジュースで一息ついて、ホサビ山へ向かう。つり尾根の鞍部に火の用心標識があって、予定の谷へ降りるルートが
ある実感が湧く。ただし、その標識の先は雑木の斜面で踏み跡はよくわからない。下草はないので歩くのに苦はない。
そんなことを確認しながら、ホサビ山山頂へ着く。頭まで地面に埋まりかけている。展望はないが明るい。
 
ホサビ山山頂
 ここから東へも良い感じの尾根が続いている。時間に余裕があれば寄り道したいところだが、予定より15分ほど回っているので
早めに林道にたどり着きたい。
先ほどの火の用心標識で踏み跡不鮮明なので、南の尾根に沿って降りるならとピークで方角確認して明るい雑木斜面を下りる。
ドコドコと地鳴りが響き、キーンと高い声で鹿が鳴いた。

 おなじみの黒いプラ階段が現れ、緩やかな尾根になっるとすぐに赤白鉄塔の下につく。西に平屋の里が見おろせる。
さらに緩やかな尾根を南下。山道の左手は植林である。鉄塔二つ目につく。再び鹿の声。さらに南下すると五叉路の鞍部につく。
これだけ道が集まると、なんだかもう下山したような気分になってしまう。
 
五叉路の鞍部
 しかし、まだ山道は終わらない。南西斜面を巻くように下りていく。日差しで落ち葉までからからに乾いてむせるようだ。
地図は波線道。実際は少し怪しい所もあり、植林に入って谷をまたぐところは崩壊していた。道なりに谷を巻くか、
ここで下降するか迷ったが、下降して楽になったためしはあまりない。
 
地道の林道へ
 再び山道が現れ、薄暗い植林をつづら折れに下りると地道の林道に下りた。これは地図にない。これで下りたも同然。
再び安堵する。どちらに行くべきか迷うが、とりあえずは下っている方へ行ってみた。しかし、すぐに谷を巻いて南の鉄塔尾根に
上り返すようだ。元に戻って、下降点をすぎて少し上ると、急に下りとなっていた。
立派に手入れされた杉林の中をくねくねと下りていく。チョロチョロと流れていた沢は、次々と雪解け水を集めて轟々と
とどろくほどになっていく。沢音は良いものです。
 
 ホサビ山までの快適尾根も長かった分、林道も長い。やっと一つ南の林道に合流する。その後はほとんど平坦。
水道施設の西にゲートが閉まっている。近づいてみると今はかんぬきのみで、鍵がかかっていなかった。
しかし、立て札には町の管理でいつでも閉めますと記されています。

 里に出る。白梅が西日に光る。まだ雲一つない天気が続いている。振り返ると谷の向こうに平屋富士が間近にそびえ、
山づたいで奥に赤白鉄塔が小さく見える。よく歩いた。
 
 腹減ったので、道の駅でそばでも食べようかと思ったが食事はできないようだ。道向かいにレストランがあるようだが
めんどくさくなった。ゆずのケーキをおみやげに買って一つほおばる。
 帰路に橋の横に車を止め、振り返って端正な姿をカメラに収めた。夕食は外でとのメールが入り、急いで帰らなければ
ならなくなった。(^^;;


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2010.4.11. BY M.KANE