秋の直登・櫃ヶ山 山行記 

 
  6合目付近から山頂を眺める
 
                  1997.10.11. 
 
 
 

■目的地:櫃ヶ山(953.5m) <山域:美作・岡山県湯原町>
■2.5万図:横部
■日にち:1997年10月11日(土)
■天気:晴れ時々雨
■同行者:家族5人(嫁さん、香里10才、俊一8才、裕太5才)
■コースタイム:
  10/10
   自宅発(10:00)=中国道=勝央SA(12:30-13:40)=湯原付近渋滞=蒜山SA(15:00)
  10/11
   蒜山休暇村発(9:30)=米子道=湯原IC=R313久納バス停着(9:50)

  登山口発(10:00)〜峪谷川〜水場(11:00)〜5合目(11:25-11:30)〜
  7合目(12:05)〜天狗の森分岐は直登〜9合目(12:35)〜山頂(12:45-13:30)〜
  西尾根〜檜林のロープ(14:10)〜谷川に出る(14:20)〜久納への分岐(15:20)〜
  R313日の谷着(15:40)

【櫃ヶ山】 別名、湯原富士。東北東の湯原IC方面から眺めると特に秀麗。
数年前の蒜山からの帰り道R313から眺めた姿が忘れられず、以来、私の憧れの山の
ひとつであった。
 天気予報は曇り後晴れ。山陰は雨。よく考えれば、蒜山の向こうは山陰。
未明から雨が降り、明けても雲が多く、寒い。少しでも南に位置する櫃ヶ山は
ベターな選択だったようだ。

【久納バス停】 R313沿いのバス停付近はすでに3台停車。落石を避けるため直ぐ
脇の河原の駐車場を利用するよう呼びかける立て札が目立つ。
 今年は10/19がホットスカイウォークと呼ばれる友愛登山の日だ。バス停近くの
登山口に真新しい横断幕が掲げてある。道標が適切に配置されてあるので、地図を
見なくても道を間違えることはない。時々雲に掛かる山頂を見上げて畑の中を
登っていく。ソバやツリフネソウが咲く。竹林の中を登る。やがて植林になり
平坦道。途中、右片側急斜面で、3ヶ所ほど崩落している。子供に注意を促す。

【ドングリとギンリョウソウ】 植林の合間にドングリが落ちていて、俊一と裕太の
収穫が始まる。また、左の土手をよく見るとギンリョウソウのようなものの群生も
あった。花?がみんな上を向いて真っ直ぐ伸びているので別種かもしれない。
 植林から抜けるとかわいい水場があって、コップが一つ置いてある。自然林風の
登りから左に曲がって檜林を抜けると山頂が顔を出す。国道から見上げるのとほぼ
同じ姿である。この辺りからススキとササに覆い尽くされた道になる。
 やがて5合目。後ろから声がして、4人に追い抜かれる。ここから上は、カヤが
幅1.5m程に切り開かれて真っ直ぐ上に向かっている。まだまだ登りは続く。
 いい天気になってきた。10分の小休止。山頂の眺めが青空をバックに素晴らしい。
松江から来たという気さくなご夫婦と少し話す。

【直登カヤ道】 白いススキの穂が風になびいてその中を道が真っ直ぐ登る。
アキノキリンソウやヨメナが咲き、思い出したように現れる足元のリンドウに元気づく。
木々の紅葉はもうすぐだ。黄土色の山肌に、ポツリポツリと赤い葉が映える。
 途中の林の下にキバナアキギリが咲いていた。短い林を抜けるとまたカヤの道。
高度が上がり、振り向けば足下に蛇行する旭川の谷が開け、東方には美作の山並みが
広がる。なかなかすがすがしい直登稜線である。天気はその間も晴れたり曇ったり。
 7合目に着くまで数人とすれ違う。上から下りてきたおばさんに天狗の森への
道を聞くと、「真っ直ぐが楽よぉっ。天狗の森は足元の悪い急登があるし。」との
こと。銀冷水へも下れる天狗の森分岐は直登することにした。天狗の森はまた次の
楽しみにする。トラバース風の巻き道を少し登ると天狗の森との合流点に着く。
曇ってきた。
 
  天狗の森分岐の案内板
 
           1997.10.11. 
 
【美作の山三昧】 裕太をあやしながら9合目に着く。俊一と香里は先に登ってし まった。晴れてきた。山頂は直ぐそこである。ササの中を最後の踏ん張り。  登り着くと、前方(西)に、なだらかなドーム状の星山に繋がる稜線が、途中の五輪 山の鋭鋒を従えて伸びているのが印象的だ。直径10m程の範囲でカヤが切り払われて いて、10人ほどが美作の山に酔いしれている。北に雲に隠れかけた蒜山三座、北西は 薄黒い毛無山。北東は霰ヶ山だろうか形の良い山がある。南東にギザギザの三坂山。 南のお立ち岩から見下ろす緑の海原は格別である。  休暇村の朝食でつくったおにぎりなどで昼食を済ませると、元気な地元の子供達が 登ってきた。我々と同じような一家でのハイキングのようだ。松江のご夫婦は先に 西へ下られた。上空というか、かなり近くでトンビのようなものが飛んでいる。
 
  山頂の直ぐ上を飛ぶトンビ(?)
 
           1997.10.11. 
 
【星山を前に見て】 そろそろ下りようかな。星山を前方に見てササの切り払われた 道を行く。良く整備されている。西尾根への微かな踏み跡から分かれて左に急降下。  南西側から見る山頂は全く別の姿である。三坂山が左前方に雄々しく聳える。 急坂には、ススキとササに混じってここも、リンドウ・センブリ・アキノキリンソウ。 25分ほどで林の中に入り、展望とはお別れである。やがて鬱蒼とした植林。間もなく、 延々とロープが張ってある林の中を下る。14:20、山頂から1時間弱で沢に出会う。  水量の多い沢沿いに下る。ドングリのたくさん落ちている道があった。またまた 子供達は忙しい。周りが暗くなってきて雨が降るが、林の中は木に守られているので 大丈夫。早めにカッパを着るが、直ぐに止む。  小さな木の橋を3回ほど渡る。チョウトンボが寒そうに留まっている。裕太が素手 で捕まえるも全く動かない。手のひらに載せておくと思い出したように飛んでいった。  15:10、明るい所に出た。大庭皿廃村だろうか、よくわからない。 【竜頭ノ滝】 平坦に近い緩やかな下りが続くと、竜頭ノ滝と久納への分岐の道標。  滝へ向かう。みんな黙々と歩く。やがて、今までとうって変わって、岩のゴツゴツ した林の坂道が続く。里山らしい良い道だが、子供達には歩きにくいだろう。  滝は遠い目に見るのみで、遊園地に早く行きたい子供達のために先を急ぐ。10分も するとR313、日の谷に出る。ここから久納は約5分。朝より停車数が増えていた。  日の谷辺りから見上げる山頂はまた別の山容、七変化の山である。 すがすがしい直登上りといい、山頂の眺めといい、登り応えといい、期待どうりの 良い山でした。皆さんも是非どうぞ。(^^)

  櫃ヶ山について   

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1997.10.19. BY M.KANE