大船山北尾根から昼ヶ岳へ     

大野山  
487mピークから北を望む  (右に昼ヶ岳、奥が大野山) 
■目的地:昼ヶ岳(595m)<山域:北摂・兵庫県三田市・猪名川町>
■2.5万図:木津
■日にち:1999年1月16日(土) 
■天気:晴れ時々曇り 少し寒い
■同行者:単独
■コースタイム: 

  十倉 発(11:30)〜大磯との峠を北へ(12:05)〜489mピーク(12:15-12:25)〜
  487mピーク(13:00-13:25)〜行者山[約555m](13:45-13:55)〜
  内田池(14:15-14:20)〜昼ヶ岳(14:35-14:45)〜南の鞍部を西へ(14:50)〜
  ヤブこぎ〜林道に出合う(15:05)〜大磯(15:30)〜大磯との峠(15:45)〜
  十倉 着(16:05)

【昼ヶ岳】 展望のない山です。県道川西篠山線の猪名川霊園手前から左折すると
「猪名川サーキット」というレース練習場があります。実体はよくわかりませんが
山あいに車の音がうるさいです。2年前の正月にここから昼ヶ岳を狙いましたが、
興ざめして取り付きを探す気も失せてしまいました。
 それ以来、アプローチが長めになるものの、反対斜面側からのリターンマッチを
うかがっていました。ピークハント以外、特に目的はありませんでしたが、西麓は
期待以上に静かな良い所でした。
 名前の由来にヤマヒルがいるからという説もあります。夏場は避けましょう。(^^)

【ルート検討】 地図を眺めると、西側から昼ヶ岳へは谷沿いから二つ、尾根伝いに
二つ考えられます。谷からは面白味がないので、尾根伝い。距離は長くなるが取り付
きが判っていて興味のあった大船山北尾根からに決定。アップダウンが多くてしんど
そうだがこの尾根の様子は気になるところ。

【十倉の里】 ここも羽束山と同じく登山口の新しい道標が県道脇に取り付けてある。
去年の三田市観光協会は精力的にハイキング道の整備をしたようだ。
 いつものように公民館前の広場に車を停めさせていただく。横のブランコで幼い
子供達の声。平和を感じる一瞬でした。
ため池  
3つ目のため池から大船山北尾根を望む 
【ため池】 約一年振りの道を峠へ向けて歩く。右上にいつ見てもかっこいい大船山。
2つ目のため池は日陰の半分に氷がはっている。3つ目のため池では山仕事のおじさ
ん。水面に今から歩く大船山北尾根の山影が映る。デジカメ電池切れ、予備を入れる。

【子供達の願い】 いつになく明るい山道を登っていくと極彩色のついたてがある。
近づいてみると、真新しいベンチの後ろに地元の子供達の描いたポスターが12点。
「火の用心」「ゴミは持ち帰ろう」「たばこをすてないで」「緑を大切に」どれも
ごもっともである。ここまで描かせてしまったハイカーの方が反省しないといけない。
誓いを新たにして登るのでした。

【北尾根へ】 大磯との峠にもベンチ。さらに林が間伐されたか以前より明るい。
ここまでせんでもなぁと思うのは私だけか。道標も目新しくて浮いた感じ。
 ここからは道標の指していない北へ進路を取る。山道は明瞭に続いている。落ち葉
を踏んで登り、平らになってもうひと登りで489mピークに到着。くねくねと曲がった
松の木がある。雑木に囲まれ展望なし。来た方に大きく大船山の影。腹へったので
おにぎり一つ。東側へも微かな踏み跡有り。
 さらに北へ向かうが、道の状態はだんだん獣道に近づいてきた。

【ツツジのヤブ】 急降下の後、雑木の中を登る。地図で標高500m等高線の辺りから
ヤブになってきた。背の低いツツジなどがぼうぼうと生えている。草はない。西側が
開けた所があって峰ヶ畑から扶美ヶ岳への稜線を見ることができる。赤いテープが
所々に巻いてあり、いつの間にかこれを頼りに歩いていました。(^^;;
 更に北の方に行くと落差1mばかしの土手になっていて、電波塔のある大野山とその
手前に鋭鋒の昼ヶ岳が望める。なかなか良い姿である。先はまだまだあるなぁ。

【リスの庭】 ヤブを下り、荒れた感じの尾根を行くと大岩ヶ岳の松の庭園のような
開けた庭に着いた。地図の487mピーク付近と思われる。ここからも大野山と昼ヶ岳が
望める。(冒頭の写真)
 前方の松の枝でゴソゴソ、ピーピーと鳥が遊んでいる雰囲気。が、ちょっと様子が
違う。地面の方でも何かゴソゴソしている。コゲ茶色のかわいいリス達が飛び出して
きた。数匹いるようだ。おやおやこんなに近くで、なんとラッキーなことだろう。
 日当たりも良いのでここでラーメンを食べることにする。リスは、すぐ足下まで来
たり松の枝に登ったりと忙しそう。私に気づいてか、いつの間にかいなくなった。
行者山  
行者山頂 
【行者山】 2.5万図にある尾根を越える破線道の峠へ下る。実に良い雑木林の道。
さっきの500m等高線の辺りのヤブが嘘のようだ。両側に下りる薄い踏み跡があるが
真っ直ぐ尾根を登り返すことにする。所々岩がごつごつとした急登である。枝を掴ん
で登る。約530mピークに着くと赤いプラ杭があって、西にも踏み跡。ここはさらに
北へ行く。
 落ち葉を踏みながらゆっくりと登り返すと約555mのピーク。前方にひと抱えほどの
岩が出てきた。その横の木に「行者山頂」というプレートがある。492.8m標点側の
尾根から登ってくる道があり、羽束川に沿う里が直下に見える。眺めを楽しんでいると
メジロがすぐ前まで飛んで来て顔をのぞく。

【山上の池】 行者山からは東寄りへわかりにくい踏み跡を辿る。倒木が多くなる。
低い木が繁ってきてだんだんヤブっぽくなった。そんな頃に前方が落差10m程の土手。
眼下に半分以上氷のはった内田池が現れて右手にゆるやかな姿の昼ヶ岳。
 こんな山の上にため池を造ってある。が、なかなか静かで良い。池の畔を散歩。
西に峰ヶ畑、ひるがえって氷の融けた水面に昼ヶ岳が映る。氷の日陰には、まだ雪が
残っていてその白が結構絵になっている。
山上の池  
水面に映る昼ヶ岳 
【ヤマドリ】 昼ヶ岳へは池を廻って行く。直登したかったので東へとる。溝のある
周回道のような道を行くと、突然バタバタバタと大きな鳥が逃げていった。キジかな。
一番東寄りに来たところで溝を跨いで尾根へ取り付く。かれた沢の様な所を詰めると
尾根に出て踏み跡がある。この辺りかなり疲れてきた。しかし今日の目標が間近と
なって勝手に足が動く。登りが緩くなり雑木に包まれた山頂に到着。ふぅぅぅ。

【反射板】 車のエンジン音がさっきから五月蠅い。意外にも登頂記念のプレートが
6枚もある。「祈 阪神大震災復興」の札も。もう4年も前の明日が震災の日である。
すぐ横に電波反射板がある山が見える。コンパスで確認するまで方角を間違えていた。
この山は南に続く尾根の山で、こっちが本当の昼ヶ岳だという説もある。
 野菜ジュースで一息着いて、この南尾根の方へ下ってみることにする。これがまた
急な坂で枝を掴まらないと下りていけないくらいだ。

【ヤブこぎ】 鞍部に着くと猪名川町側へ下りる踏み跡がわかる。南に登り返す道も
ある。私はどちらでもない右(西)の谷へ下らないといけない。メジロが飛んできて
「どうしたの」という感じでのぞく。この鳥、結構好奇心が強そうである。
 まあ、何とかなるやろうと踏み跡もない雑木林の中へ下る。最初は落ち葉のいい雰
囲気だったが、すぐにイバラ混じりの低木のヤブとなる。しばらく我慢して進むが
とても歩き通す気力がない。左手の雑木林に向かって斜めに下りていく。かなり歩き
やすくなってきたが踏み跡は薄い。荒れている。枯れ沢に出合って旧道のような荒れ
た踏み跡を下っていくと林道の様になって、内田池から下りてきたであろう林道に
出合う。ヤブの中には10分間もいなかったが長く感じた。
林道出合  
内田池からの林道で昼ヶ岳を振り返る 
【せせらぎ】 今まで歩いた山並みの麓を林道づたいに南下。心地よい虚脱感。
左手の形良い雑木で覆われた525mピークの姿に見とれる。休業中のような大磯アスレ
チックから十倉に向かって最後の登り。これがまたしんどい。
 大きく影を落とす大船山を見上げて峠を乗り越え、昼前に登った道を下りる。
小さな沢がチロチロと音を立てるのが実に優しく感じ、今日の歩きが癒されるようだ。
 ため池も静かに迎えてくれてほっとする。なかなか余韻のいい山でした。


  昼ヶ岳について  / 大船山について   

  山のリストへ  / ホームページへもどる


1999.1.24. BY M.KANE