ササの庭園・桧塚(台高)    

桧塚の尾根から  
 台高主稜線(最奥)を望む   
■目的地:桧塚(1402.0m) <山域:台高・三重県飯高町>
■2.5万図:大豆生
■日にち:2001年10月13日(土)
■天気:曇り
■同行者:裕太(9才)
■コースタイム:マナコ谷登山口 発(10:50)〜桧塚と桧塚奥峰の分岐(12:20-12:55)〜
        桧塚山頂(13:05)〜マナコ谷登山口 着(14:20)

【憧憬の山域】 そろそろ大峰・台高は黄葉かなぁと思っていた矢先だった。低山徘徊派の
メーリングリストで台高の桧塚が話題になっている。桧塚なんて奥地の代名詞のような印象、
私なんてとてもとても。ところがここの情報からマナコ谷ルートは裕太と一緒でも登れそうな
ことを知る。さらに、すんなりと三重県側の登山口に辿り着き、爽快なササの尾根に立つことが
できた。

【アクセス】 そのMLのYさん曰く、アクセスを以下のように紹介されている。
 >> 高見トンネルを出て蓮ダム方向へ右折する。栃谷を越え、蓮ダム方向から上がっ
 >> てきた道と合流した地点で右折、木屋谷林道を西へ千秋橋を渡ってしばらく走る
 >> と林業作業小屋がある。このもう少し上がマナコ谷登山口。
マナコ谷登山口  
 登山口にて 
【登山口】 マナコ谷の登山口は林道のカーブを左、右と曲がると草木に埋もれた堰堤の脇に
小な札を付けている。既に小広い路側には4台ほど駐車。狭い谷の上には真っ青な空と植林に
被る黄葉。時間が遅いのもあるが、初めて登る緊張に山靴の紐を結ぶ指があわてる。
準備を整えて入ろうとするともう単独男性が下りて来た。

【植林】 素朴な細い山道が急な谷の斜面にへばりついている。頭上は林植である。
細くて草も茂残る危なっかしい山道は1Omも行くと歩きやすいつづら折れになった。
緊張はとけたが、急登は続く。裕太は足下から響いてくる沢音に気をとられてか、もくもくと
ついてくる。植林の中の登りは長々とつづく。何度か林道を横切ったり、つたったりする。
「登山道」と記されたオレンジ色のテープや赤いテープを注意して探すとルートを誤ることは
ない。朽ちた小屋跡や現役の作業小屋があった。その間、冬も間近というのに鮮やかな藍に
光る甲虫がよちよち歩いてる。裕太はこれを見つけて目を輝やかせていた。
 が、そろそろ長い単調な歩きにもあいてきたようだ。手を貸し励まし登る。
国見山方面  
 西から雲 
【ササ原へ】 まもなく林道のむこうにススキが出てきた。いよいよ憧れのササ原かなと
思えばまだ先に幼木植林がある。しかし頭上が明るくなった。背たけ大のススキの間を
抜けると西の方に尾根が覗く。さらに少し植林の中を過ぎるといよいよササの尾根にとび
出る。頭上が開放されて心地よい。千秋峰をさして、「あそこが頂上?」といいながら
空腹をおしてずんずんと登っていく裕太。黄葉に混じって赤い実が目立つ。西風強く雲が
伸びてきた。
千秋峰の上辺り  
 ササ尾根を登る 
【庭園にて】 以外と長いササの斜面を登ると憬れの稜線にのる。眼前(南)には遙かな台高の
山なみがうねる。盟主池木屋山だろうか。雲間から射す日が、ササの庭に黄葉の木立ちを浮か
び上がらせる。ピーカンの青空ではないが、この演出もなかなか捨てたものではない。
天気も気になるので稜線上から南を眺める岩で昼食とする。冷めないようにー枚上にひっかけ
ておく。お約束のカップ麺を待つ裕太。私は写真を撮ったり無線の交信で忙しい。
 昼食後に無線で伊勢・経ヶ峰の隠れ里さん、北摂・剣尾山のWMさんと繋がった。
もっと話をしたかったが、隠れ里さんのほうは小雨が落ちてきたので下山。こちらも風に
冷えてきたので、WMさんと泣く泣くさよならした。久々の無線復活は嬉しい出来事。
桧塚  
 桧塚 
【桧塚へ】 奥地と思った割には人がよく往来する。後でわかったのだが、この中に、冒頭
紹介したMLのYさんもおられたという。世間は狭い。桧塚はすぐのようなので往復する。
ササの径が爽快。黄葉もきれい。桧塚の三角点は林の中である。戻りに明神平の方を見ると
灰色の雲が覆いかぶさっている。伊勢・経ヶ峰からの交信でも雨が来たと言われていた。
裕太を濡らすのはかわいそうなので、目の前の奥峰はあきらめて下山する。
 後ろ髪を引くように雲間から日が射し、黄葉がまた光る。

【林道】 千秋峰までのササ原は去りがたい。植林に入ると単調なのでさっさと下りる。
途中、林道の丸太に腰かけて休憩。さらに下りて沢音を聞く。「もう着いたね。」と安堵
する裕太に「家に着くまでは気をつけんとね。」と我も合わせて言い聞かせる。
 林道に下り立つと、愛車のみ待つ。後かたづけの寸分を惜しんでゲームカードに見入る
裕太であった。(下の写真) 家に居っても山に来ても変わらない。(^^;
マナコ谷登山口  
 林道にて 


  桧塚について   

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2001.11.25. BY M.KANE