紅葉の奥丹波・八ヶ峰 山行記 

 
  
  708mピークの肩から八ヶ峰を望む 
 
           1997.11.2. 
 
 
 

■目的地:八ヶ峰(800m) <山域:丹波・京都府美山町・福井県名田庄村>
■2.5万図:久坂
■日にち:1997年11月2日(日)
■天気:晴れ
■同行者:俊一(8才)
■コースタイム:

    自宅発(8:20)=R173=R9=R27=(9:50)府道12=R162=府道38=
    (10:30)林道五波染ヶ谷線=五波峠着(10:50)

  五波峠発[595m](11:00)〜708mピークの肩(11:15)〜約665mコブ(11:30)〜
  691mピークの肩(11:50)〜698mピーク〜家族旅行村コースと合流(12:00)〜
  約760mコブ(12:10)〜八ヶ峰山頂(12:25-13:35)〜五波峠着(14:40)

【八ヶ峰】 隠れ里さんのREPが気に掛かり、ちょっと紅葉には遅いかなと思いつつ
出かけました。八ヶ峰西の頭巾山の方に、しようかとも思っていたのですが、買った
つもりの2.5万図がないので、八ヶ峰に決定。(^^;
 山を歩く時間より、車の運転の方が長かった。車窓の景色は、奥丹波に近づくに
つれて、綺麗な黄葉の度合いを増していきます。美山町は、もみじ祭りで賑わって
いました。オマケに絶好の青空。五波峠へ向かう林道から見上げると、空と山の
織りなす色彩にキラキラと目も輝いてきます。府道で一部片側通行があるものの、
きれいに舗装されたいい道が続いている。

【五波峠】 鮮やかな紅葉にワクワクしながら、車が4、5台停まっている所に
着く。おぉ、ここが五波峠。確か石碑が建っているということだったが...。
あぁ、あった。東側の日陰になったところに大きく「五波峠」記された岩がある。
我々が、着いた後からまた2台。今日は多そうだなぁ。こんな奥でもなかなかの
人気のようである。
 身支度をして、おにぎりを1つずつ食べ、北側が植林になっている山道に入って
いく。

【快適山道】 緩やかな登り道。適度に整備され、良く踏まれている。すぐに
ブナ混じりの自然林の中を歩くようになる。黄葉がきれいだ。足元では落ち葉が
カサカサと鳴る。未明に雨が降ったのか、ほのかに湿っている。幅1m程の道の両脇
には膝から腰くらいのササが茂る。
 コンコンコンコンと頭上から音。キツツキかなとよく見れば、シジュウカラが
何かを枝にぶつけているようである。木の実でも割っているのだろうか?
 708mピークの肩を乗り越すと、前方に山頂方面が顔を出す。手前の斜面の色合いが
実に微みょーで、しばし見とれる。急な下りを過ぎると小さなアップダウンが続く。
 
  赤い葉が目立つ
 
           1997.11.2. 
 
【野鳥の森】 標高約665mのコブ。五波峠から山頂まで大きく5つほどのピークを越すが、 これはその2つ目。ブナなどの黄葉に加えて、カエデの赤もあり、林の内側はまだ 緑の葉も多い。それらが織りなす絵巻は落ち葉道と相まって、実に気持ちがいい。 展望は得られないが、延々と錦絵巻のアップダウンが続く。  またしても、コンコンコンコンと頭上から音。足を止めて、上を見渡すと、何と、 1本の木に10羽も居るかのように、小鳥達が枝を渡り、木を鳴らしている。 シジュウカラだけでなくて、ホオジロやコゲラのようなのも居るようだ。カサカサと 枝の間を通って落ちてきたものを見ると、きれいに中がくりぬかれた実の皮。 俊一とじっと見ていると、縄張りを守る争いとも見えるシーンもある。まさにここは 鳥たちの楽園である。 【リンドウ】 野鳥の森を過ぎるとまたまた、急降下。ササの鞍部から登り返し。 第3のピーク、691mピークの肩への登り道である。やがて緩やかな道になり、木の間 から射す日が相変わらずの錦絵を演出する。道脇にリンドウのツボミを3つ見つける。 まだ日が良く当たっていないからなのか、開いた花はない。紅葉はきれいだが、花は 他に、散りかけのシロヨメナと小さな黄色のアキノキリンソウのようなものがポツリ ポツリと咲く程度である。あとは、赤い実がちょんちょん。 【広々自然林】 快適山道のアップダウンも長々と続くと、けっこう歩きごたえが ある。幾つ目か判らなくなった頃のピークを乗り越えると、下って広々とした明るい 林が広がる。大きな松も混じっていい香り。右手(北)に黄色のテープが張られた木と 踏み跡がある。たぶん、これが八ヶ峰家族旅行村からのコースであろう。  ここから、急な登りが2段、3段構えで待ち受けていた。落ち葉の斜面。へたを すると道を失いそうな場面だ。 【アキチョウジ】 3段構え急登をゆっくりとクリアする途中で、道脇に薄紫の アキチョウジのような、スミレのようなものが、ひっそりと咲いていた。この辺りは ちょっとした群生のようだが、花は少なく、登る人にも忘れられそうである。  またまた、小さいコブを3つほど乗り越えると、久しぶりに南側の遠望がひらける。 松の木が俄に多くなり、急登が迫る。坂道の上にポッカリと青空がのぞく。 【賑わう山頂】 20名を越える賑わいである。堺の方から来られたグループ。上田 正樹に似た、福井県境を全て辿られたという福井のヌシの様な方と話がはずむ。 今日は家族旅行村からのコースで登られたそうだ。約1時間半。五波峠とほぼ同じ。 途中、旧道が新しい舗装道に分断されて、ガッカリしたと仰っていた。何処の山も 事情は同じようだ。カップ麺とコーヒー。今日は、日和も良く、のんびり出来る。  俊一は、シャカシャカとなく、バッタ、ササギリ?の交尾シーンを注意深く見守る。 神妙な顔つきである。(^^;  展望の方は、西に若狭湾から青葉山・頭巾山・長老ヶ岳、南は松に遮られる。東は よくわからないが、ブナノ木峠・三国峠・百里ヶ岳...と紅葉の山並みの向こうに 続いている。ひょっとしたら白山も見えるかなと双眼鏡を覗くが、白い山は見えなか った。  北の方に少し下がると、明瞭な踏み跡が続いているようだ。土手にイワカガミの 葉が茂る。西にはもっと踏みこなれた知井坂からの道が下る。 【ジェット・コースター】 入れ替わり人が登ってくる。さて、そろそろ下りよう。 俊一と下りの坂をジェット・コースターの様に走り抜ける。快適な山道だ。 往きの時には、気づかなかった大きなブナの木が、林の奥に悠々と聳える。  708mピークの肩で八ヶ峰に別れを告げた。良い山だ。また来るね。五波峠の東には 中山谷山(791.8m)が山裾を落とす。西に傾きかけた陽差しが、紅葉の中に点在する杉の 青を浮かび上がらせる。  車での帰路、林道でその色彩を撮る人を見かけた。

  八ヶ峰について   

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1997.11.05. BY M.KANE