黄葉の知井坂から八ヶ峰    


知井坂
■目的地:八ヶ峰(800m) <山域:若狭・福井県おおい町>
■日にち:2009年11月15日(日)
■天気:曇り後晴れ
■同行者:嫁さん
■コースタイム:
  小松谷林道Ca290m 発(12:15)〜尾根道出合(13:05)〜知井坂峠(14:10)〜八ヶ峰(14:30-14:45)〜
  知井坂峠(14:55)〜尾根道出合(15:35)〜小松谷林道Ca290m 着(16:05)

 昨日は冷たい雨が昼頃から上がった。
低山も黄葉真っ盛りになってきて、早起きしていこうと思ったが、前夜に飲み過ぎたか少しトーンが上がらない。
嫁さんの家の用事もあるのでゆっくりと出る。
 一庫ダムではマラソン大会で通行規制。R176で能勢に入り名月峠から倉垣に出て園部、美山、堀越峠トンネルを抜けて
若狭に入る。名田庄の道の駅に寄ったらそばがおいしそうだったので、山の上で食べる予定を変更。しかし、期待が
大きすぎたのか物足りなかった。

 小松谷林道のある堂本は道の駅からさらに走って川を渡る。道なりに行くと整備された八ヶ峰家族旅行村の方へ入って
しまいそうだ。橋の手前で右折して静かな山間に入る。民家の前に欄干が一部壊れかけた橋があり、渡った先に小松谷
林道の杭が立っていた。林道に入るといきなり荒れた感じ。前日来の雨のせいもあって水たまりや出水も多い。車の腹を
擦らないように足下をよく見て進む。ヘアピンを曲がって橋を渡ると右は重機が停まっていた。
さらに林道を遡ろうとしたが、一面の水や倒木で不安になり、3台ほど停められそうな膨らみに駐車。

Ca290mの谷に停める
 一面の水はコンクリートに藻が着いたるように少し滑りやすい。右に滝のように落ちてくる沢の水を過ぎると倒木が
半分近く道を塞いでいた。しかしその後は立派な道。車で上れそうだなと思っていたら、静かな山に車の音。一台登ってきた。
植林から雑木林に変わって色づきが鮮やかになってくる。

やっと林道から水がなくなる
 高圧線と林道が交差すると、もうすぐ堂本からの尾根道と林道が出合うポイントだ。さっき車で上がったご夫婦がその出合
手前で昼食中だった。
 登山道の標識に従って尾根の道を行く。林道の続きのように砂利混じりの広い道。
広場に突き当たると関西電力のHPで見た画像の駐車地であった。こもれび広場というようだ。ここには車はない。

こもれび広場
まっすぐ尾根を上っても山頂へ行けそうだが、今日は知井坂が目当てなので、右の広い道を採る。駐車地周辺は広葉樹が
あるが、すぐに大きな杉林で薄暗い。
 カーブを曲がると明るい黄葉の世界が広がった。道は広く尾根を巻きながら続いている。急な上りのない穏やかな上り道が
続く。谷を横切る度に上下に黄葉が展開する。その空間に身をおいて歩く幸せ。向かいの尾根も錦繍のただ中。
時折差し込む日を受ける度にキラキラと輝く。

知井坂から西


知井坂から北 (若狭湾遠望)
 再び植林の薄暗い区間があるが、鉄塔のある尾根を廻るとまたキラキラ黄葉の道となる。広い道幅の脇に昔の名残と
思われる古道跡が何箇所か見られる。
 次第に葉が少なくなり、二つ目の鉄塔を過ぎる。谷が大きくなって落ち葉で埋め尽くされ、うねうねと下りている。
もう冬の風景。その先の斜面は葉のない枝先が白々と光って波打つ。こんな景色に出会えるとは思いもよらなかった。

冬枯れ
 いくつか湧き水がでている。昔からあるという手水鉢はその中に落ち葉と苔にくるまって残っていた。
極めつけは大きな苔むした倒木に挟まれて凛と立つモミジが三株ほど。寒々とした冬の景色に浮かび上がっている。
 冬枯れの世界となる峠道はかなり水平になる。峠自体はこんなものかという感じだが、ここに至る景色の変化は
なかなかのもので、今まで歩いてきた中でも印象深い道の一つである。

モミジ


 (左が美山町)
 時間が遅くなったので、山頂はあきらめようと思ったが、珍しく嫁さんが行ってみようかと言ってくれた。
鉄塔までは楽な登り。鉄塔下で北と南に展望が得られる。山頂まで二回ほど上り坂があるが、ここに来て足に堪える。
青空が広がった山頂に飛び出ると若いご夫婦一組。嫁さんが少し遅れて上ってきたのと入れ違いに知井坂の方へ下りて
いかれた。

山頂から青葉山
 山頂は来た甲斐あって、360度の展望。若狭湾は霞んでわかりにくいが、順光の芦生、百里方面はきれいに見える。
おやつタイムをとって下山。北の尾根を下りることも考えたが嫁さんは緩い道を歩きたいというので、知井坂をもう一度
楽しみながら下りる。

下りも綺麗
 そろそろこもれび広場で黄葉三昧の道も終わりかと思う頃、自分のことは差し置いてこんな時間から登ってくるご夫婦。
こもれび広場には彼らのものと思われる車が停まっていた。
 林道は長いが、ずっと下りなので足の向くまま下りていく。
車にたどり着く頃、後ろから軽トラが来ておじさんから声かけられた。駐車地について車を出そうかなとしている時には、
上の車が通り過ぎた。復路は何かと人に会う機会が多かった。

林道
 帰りも道の駅に寄って名田庄漬けを買う。ずわいがにが解禁となり、舞鶴のパンフレットを見ていたら越前ガニもいいよと
福井のチラシを持ってきたおじさん。山から下りた人ともよく話すようで、頭巾山から青葉山まで縦走したいという人も
居たという。
 秋の夕暮れは釣瓶落とし。美山を通る内にあっという間に暗闇となる。予想以上に広い黄葉の谷と冬枯れの尾根を楽しみ
満足の山でした。自宅着は予定から一時間近く遅れて19時前になった。


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2009.12.05. BY M.KANE