再び半国山で雪にまみれる     

白い床の林にて  
白い床の林にて (高圧線下付近) 
■目的地:半国山南西の738m山 <山域:丹波・京都府園部町・亀岡市>
■日にち:2000年2月12日(土)
■天気:晴れ時々曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  園部町八田・埴生大池 発(12:10)〜林道〜伐採地下(12:25)〜林道分岐を左の橋〜
  林道二俣を右で沢(12:35)〜植林に入る(12:45)〜ゆるい小尾根の登り(13:00)〜
  杉ヶ沢コースに合流(13:10)〜杉ヶ沢寄りの尾根から直登(13:20)〜尾根(13:30)〜
  昼食(13:35-13:50)〜約725m山(14:00)〜738m山(14:15)〜千ヶ畑分岐(14:20)〜
  るり渓分岐(14:30)〜高圧線下(14:45)〜赤熊コースに合流(15:10)〜
  赤熊(15:40-15:58)=京都交通バス=八田(16:10)〜埴生大池 着(16:25)

【半国山】 昨日辿り着けなかった八田がどうしても気になる。今日は雪も少ない
だろうと半国山通い。出発が遅れたので、またまた中途半端なコース選択となって
しまいました。猟期最後の週末なのが少し気がかり。
738m山から伸びた尾根 林道入口から尾根を見る 
【林道入口】 園部町八田からるり渓へ向かう府道453号。この辺りで一番大きな池、
埴生大池の真上から林道が分かれる。前方には目指す738m山から伸びた尾根が屏風の
ように横たわる。林道は車で入れるが、入り口に鎖のゲートがあり、閉められたら
どうしようもない。大事をとって府道の広い路側に駐車する。
 林道に入ろうとすると、ハンターと思われる軽トラが先に入っていった。嫌な感じ。
埴生大池に映る山影は、昨日のため池から見た風景と負けず劣らず良いものである。

【林道歩き】 約15分程で伐採地の下に着く。ヒノキの幼木が植えてある。ここから
すぐの所で林道が分岐しており、右は伐採地側の尾根に上りそう。今日の目的である
八田川づたいの谷歩きから外れないように左にとる。橋を渡ってしばらく沢沿いの道。
暖かに陽射しの青空に冬枯れ。今度は進行方向に二俣に分かれる。炭焼き跡の谷に行
きたいので右に採る。川で林道は行き止まり。向こう岸の植林地に仕事道が続いてい
る。「公社造林地」看板が立つ。若い植林の中を歩いて二俣を左。背丈を超える林の
中に幅1mの道がハッキリと続いている。地面には雪が残り、平地を歩くように緩い。
林の道 背丈を超える林の道 
【樹海の中】 やがて植林になる。周りの景色が判らないのでコンパスを見て方角を
確認、ほぼ南へ向いた道。小さな沢を渡って右手に「京林公七」と記された黄色の
プラ杭と無表示の赤プラ杭あり。沢音が聞こえるも樹海の中を歩いている雰囲気。
道はゆるく蛇行しながら沢とほぼ並行する。次第に雪で覆われてくるが、雪解け水が
流れて道が判りやすい。
 両側に沢が流れ、緩い小さな尾根の上を歩くようになった。依然として林の中で
ある。登りが少し急になってきた。右の谷へ踏み跡があるが雪に消えているのでパス。
10分程小尾根の上を歩くと右手にテーブル状の岩がある。上一面が白い雪でこの林の
中、目立つ存在。両側の谷が浅くなり近寄ってきた。そう思いながら雪の上を登ると
杉ヶ沢コースに突き当たる。「半国山」の道標がある。人の足跡が二つ。
テーブル状の岩 テーブル状の岩 
【白い尾根へ】 ...と書くと冬のアルプスのようだが、ここは低山。(^^;
738m山へは尾根伝いで目指したいので、「半国山」の道標と反対向きの杉ヶ沢の方へ
行く。薄暗い杉林の中を登る。登り切ってヘアピンカーブとなっている尾根筋で
直登にかかる。この尾根筋、下の方にも踏み跡があるのでまたのお楽しみ。
 植林の中、今日一番の急登である。うっすらと残った雪も加勢して滑りやすい。
遥か上の梢からハラハラと雪が落ちてくる。ようやく尾根の背から木洩れ日が射して
きた。荒れた尾根道は白いが、立ち並ぶ雑木にはもう雪がない。
 倒木があちこちにある尾根の上をウサギの足跡が先を行く。少し融けているので
直近のものではなさそうだ。

【白い獣道】 738m山はまだ先なので、座るのに丁度良い岩があった所で遅い昼食。
昨日に引き続き、これから先のルートを考える。谷の彼方で犬の声や乾いた銃声が響
く。こんな陽よりの週末。ハンターも楽しみたいのは同じであろう。が、いい心持ち
はしない。彼らには会いたくないので、炭焼き跡から同じ谷を下る予定を変更し赤熊
へ下りることにする。昨日、記録しておいたバス時刻が役にたった。
 ここから疎らな立木越しに横尾山や剣尾山が記憶と違った形で並んでいる。尾根上
は長さ5cm程の足跡。今まで見たのよりも大きいが、熊ではなさそう。はて何だろう?
入れ替わり立ち替わりいろんな獣の足跡が残っている。うーん、このフィールドサイ
ン、どれが何か判らない。もっと良く勉強しとくんだった。738m山までこんな状態。
翻るとこの山はまだまだ生き物が居る印。ありがたい。皆、元気で暮らせよ。
738m山 
約 725m山から 半国山 山頂 (左奥) と 738m山 (右)  
【足跡】 738m山へは鞍部から登り返す。左手が植林、右は雑木林。ピークと思しき
ところは、立木数本のみ。素っ気ない所だ。ここから先、尾根が二つに分かれる。
右手に行くと人の足跡が着いている。こんな所に物好きな人だなぁ。さらに行くと
分岐がありどちらにも足跡が雪に残る。真っ直ぐ行って次第に南へ下る。千ヶ畑に
下りていることになる。こりゃいかんとさっきの分岐に戻る。中年のご夫婦がいた。
私の歩いた尾根を通って杉ヶ沢へ向かうそうだ。

【ぬかるみ】 地図をよく見るとこの分岐を左が山頂方面へ向かう。ご夫婦の足跡を
植林脇に辿って下りると杉ヶ沢コースに下りる分岐(道標にはるり渓)につく。植林の
中のコースはまだ足跡のない新雪。惹かれるが、バスの時間がないので真っ直ぐ。
ここから先はこの山のメインストリートなので、道はぐちょぐちょのぬかるみ状態。
今までの新雪歩きが嘘のようだ。急に現実に引き戻されながら、以外と登るんだなぁ
と先を急ぐ。

【再び新雪の道】 山頂分岐をやり過ごして高圧線の下。疎林の中に一筋の道。足跡
なし。こうやって歩くとどのルートがどれくらい知られているのか良く判る。嬉しい
ことにこの道はまだ誰も歩いていない。今日は山頂を経由せずに、早く赤熊へ下りる
目的で選んだのが幸いした。白く広い斜面に陽が射す。ひととおり写真を撮って植林
の下りとなる。音羽渓谷となる沢が流れ出す。見覚えのある小さな鉄橋を渡り、大き
な岩から幾筋も伸びた大つららに会う。この辺りにくると二、三日前と思われる人の
足跡があった。さらに沢を二つ渡ると赤熊コースに合流。この先は昨日と同じ。

【赤熊の里】 今日のお地蔵さんは、豪華な鯛の尾頭付きが上げてある。
里の大杉に西日が射す。3月末の夕暮れような陽射しである。バスまで10分程あるの
で待合いのベンチに座って、久しぶりにスケッチをした。最近、こんなにゆっくりと
景色を眺めることが少なくなったなぁと反省する。よく見ると古い蔵も建つなかなか
いい里である。
赤熊から 赤熊から音羽の谷 
【車窓】 スケッチに熱中していたらバスが来た。誰も乗っていない。狭い民家の合
間をゆっくりと走る。埴生の里には「瑠璃の誉れ」の酒蔵がある。メールを頂いた西
本梅小学校も見ることができた。るり渓の入口である八田で下車。静か。
 鬱蒼とした木に覆われた府道を抜けて少し登ると愛車の待つ林道入口に到着。
ゲートの鎖は開いたままであった。時季はずれで人の少ないるり渓の脇を通って帰路
に就く。

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2000.2.20. BY M.KANE