大普賢岳について 

   奈良県天川村・川上村・上北山村  1780m

 大峰山系の北部。
大台ヶ原へつながる尾根にある伯母峰峠は熊野街道が越えたところ。
深い谷と尖峰の険しい景観、山頂は大峰山系の眺めがいい。


  石の鼻から望む大普賢岳と
          小普賢岳(手前)

                (96.7.14.)

 ここから大普賢岳へはハシゴが続く。
地獄谷をはじめ、切り立った谷がよくわかる。
山頂付近では、
シャクナゲ、オオヤマレンゲが見られる。
 この眺めから、後ろを振り返ると
日本岳、和佐又山そして大台ヶ原。





 −− 山行記 −−
■日にち:7月14日(日)
■天気:晴れのち曇り
■同行者:あきゆきさんご夫妻、PLUTOさん、つんつんくん
■コースタイム:
  自宅発(5:05)〜(名阪道)〜福住IC(6:30)〜和佐又ヒュッテ着(8:00)〜
  和佐又ヒュッテスタート(8:10)〜笙の窟(8:50)〜お地蔵さん(10:00)〜
  大普賢岳頂上〜(10:30〜昼食〜11:40)〜石の鼻(12:40)〜
  和佐又ヒュッテ着(14:15〜15:00)〜自宅着(18:00)

【和佐又への道】 4:45起床。ちょっと遅くなった。カロリーメイトを飲んで出発。
途中でサンドイッチにおにぎりと非常食を買う。こんな時間も営業しているコンビニ
頭が下がります。出発して30分程で中国豊中IC。近畿道から西名阪そして名阪国道へ。
福住ICでおりる。「広域農道」に出るのに道を間違えて針方面に向いているようで
ちょっと手間取った。榛原付近では桜井におりているのに気づいてまた引き返す。
その後はスムースにR370、R169を行く。R169に入って吉野川に沿って行くが
さすがに険しい谷が続く。釣り人や河原でのキャンプ人が多い。ダムの工事などが
長々と続いて「21世紀に開ける吉野」という看板もある。住む人にとっては生活が
かかっているから、たまに来るものがどうこう言うべきではないが、残念。
交互通行が2カ所あって長い新伯母峯トンネルを抜けると、すぐにヒュッテへの林道。
この林道も結構長い。途中でホタルブクロが咲いていた。
 
【和佐又ヒュッテ】8:00ちょうどにヒュッテにつく。あきゆきさんが既に駐車場前で
待っておられて駐車スペースに誘導頂いた。駐車場は満車状態。
あきゆきさんの奥さん、PLUTOさんご一家にあいさつして、ヒュッテに駐車代を払いに
行く。\500で緑色の「整備協力券」をくれた。支度をして早速出発。
 
【ブナの木】キャンプ場を抜けて山道に入る。アジサイが多い。
和佐又山への分岐からは緩い登り。こけの生えた木肌のブナの木は久しぶり。
いかにも山の中という感じでいい道だ。晴れていい天気だが山道は木陰が続き
気持ちがいい。ひぐらしの「カナカナ」という声が夏の山を彩ってくれる。
それでもだんだん汗が出てきた。
 
【つんつんくん】今日の先頭はつんつんくんだ。私の息子と同じ年だけど、
文句も言わずどんどん歩いていく。こんなんだったら山に行くのも気疲れせずに
いいなぁと思いながら、元気な後ろ姿について行く。何てったって、この山は
私より先輩なのである。
 笙の窟で休憩、見上げると高い崖の上から、水滴がひっきりなしに落ちてくる。
窟の奥には水滴を集めてボールに溜めてある。唯一の水場ということで、
ちょっと飲んでみる。思ったほど冷たくはないが、おいしい。
日本岳とのコルへの登りは濡れた露岩もあって要注意。この斜面は日陰で水気もあり
独特の雰囲気。
 
【お地蔵さん】小普賢岳の肩を過ぎて、コルまで下りまた登る。いくつかのハシゴを
登ると道脇にまだ新しい30cm位のお地蔵さんがある。PLUTOさんとあきゆきさんが
線香に火をつけて順次お祈り。2年前の3月にこの道の下の谷でなくなられた山の仲間
だという。線香は持ってきていなかったけれど私もお祈りさせていただきました。
このあと少し行ったところでPLUTOさんに現場を教えてもらう。夏でも覗くとずっと
下まで吸い込まれそうなところだ。まだ雪の残っていた時期だったそうだ。
 
【オオヤマレンゲ】ハシゴがなくなってから平らな道を少し行くと、あきゆきさんが
「オオヤマレンゲの木だな。」とおっしゃる。花はついていない。と、ほどなく、
行く手の上の方に白い花、オオヤマレンゲだ。一つだけ咲いている。道から高い
ところなので初めて見る花がやけに気高く感じられる。ここまで登ってやっと
お目にかかれた。道脇にはコアジサイが静かに咲いている。
 
【大普賢岳頂上】奥駈道との出合いから左に登って5分位で山頂。それ程広くない。
眺めはいい。稲村ガ岳、弥山、大台ヶ原。深い山がそれぞれ大きく横たわっている。
日なたは暑い。トンボがたくさん飛んでいる。少し早いが昼食。おにぎりとお茶。
あきゆきさんから天ぷらとおにぎりのお裾分けを頂く。つんつんくんはみんなに
フルーツぐみを配ってくれた。
 頂上から七曜岳への道をちょっと行くと西側の視界が開けるところがある。
ここで、それぞれの峰を教えてもらう。
 
【小普賢岳】大普賢岳山頂のすぐ下にあったオオヤマレンゲを撮影するあきゆきさんを
抜いてゆっくりおりていく。下りのハシゴもまた格別のスリルである。
普通におりればそれだけだけど、ちょっとバランスを崩したりすると、
そこは切り立った谷なのである。それにしてもハシゴのない昔の修験道では
どうやっていたんだろうか、ホントに命がけだ。
 小普賢岳の肩であきゆきさんを待つ。コルの向こうに姿が見えて、あと10分位は
かかるかなと思ったら以外に速く追いつかれた。

【石の鼻】ここでひと休み。岩の上に登って、小普賢岳・大普賢岳・日本岳・和佐又山・
台高方面が望める。なかなかいい眺めである。木の枝先にシジュウカラかヒガラの
ような小鳥がとまっていた。しばし、ぼーっと景色を眺める。
 あきゆきさんの奥さんから頂いた、冷凍ミカンの缶詰は生き返りました。
うちも今度試してみよう。
 
【和佐又ヒュッテ】笙の窟を過ぎてロープを解かれたつんつんくん。まだまだ元気で
先頭をどんどん歩いていく。ブナのある林を抜け、14:15ヒュッテ着。
今日の山は、なんか違うなと思ったら、自分でルートを気にすることが全くなかった。
というのに、今気づきました。(^^;  そう言う意味では気楽に行けました。
 
【夕立】帰り道はPLUTOさんに先導してもらって名阪国道まで。
途中、R169で雲行きが怪しいなと思ったらすごいどしゃ降りの雨。雨の多い所だから
はんぱな夕立じゃない。
 あきゆきさんの車は大滝で見失いました。ずっとR169で行かれたんでしょう。
PLUTOさんも名阪国道に入るとぶっちぎり。あれよあれよと見えなくなってしまいま
したが、おかげですんなり名阪国道にたどりつきました。
 近畿道は空いていて、生駒山のテレビ塔が乱立しているのが良く見える。
その南側には入道雲がもくもくと浮かんでいました。


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1996.7.20. BY M.KANE