開発の手止まぬ川西・知明山          

冬枯れ  
一庫ダム側から知明山を望む 
■目的地:知明山(349.2m)<山域:北摂・川西市>
■日にち:2000年1月16日(日)
■天気:曇り後雨
■同行者:単独
■コースタイム:
  一庫公園 丘の駐車場[約225m](10:35)〜見晴らしの丘(10:40)〜知明山(10:55)〜
  北の鞍部 [約275m](11:15)〜雨森山真東のピーク[約320m](11:30)〜
  ヒノキ林の谷(12:00)〜炭焼き窯跡(12:10)〜
  410.2mピーク南東の谷中腹(12:15-12:30)〜湖岸道路(12:45)〜
  丘の駐車場ゲート[約165m](13:05)〜丘の駐車場 着(13:15)

【知明山】 川西市北部の一庫ダム、妙見山や高代寺山の西にダム湖、知明湖がある。
その名の由来となったのが今はダム湖の中に聳える知明山。(...だったと思います)

【県立公園】「県立一庫公園」の案内板にそって、知明湖東側のりんどう橋を渡ると
いきなり左手にゲートがある。湖畔の駐車場に向かうゲートである。今日は、閉じ
ている。看板は「1/14〜3/25 工事中車通行止め。丘の駐車場へ回って下さい。」
ちなみに駐車場利用可の時間は9:00〜17:00、今のところ無料。

【丘の駐車場へ】 ということで、右折して湖岸道路を少しだけくねくねと行けば
左に丘の駐車場へのゲートが現れた。有料駐車場のカード発券機のような機械がある
ので、今は無料だがいずれ有料になるのかもしれない。
 つづら折れの道を車で高度を上げると、がらんとした高みの駐車場。3台停車中。
ここだけでざっと30台は駐車できそうだ。でも、春秋などの行楽シーズンは足りなく
なるのだろうなぁ。便利だけれどその分、雑木林はなくなりました。
冬枯れ  
見晴らしの丘あたりからの高代寺山 
【見晴らしの丘】 丘の駐車場から親切な道標を見て、見晴らしの丘へ向かう。
そこを経由して知明山へ向かう。途中、何やら騒がしい音がする。近づいてみると
人工のせせらぎが、誰もいない公園の中を流れていた。実に不自然。この標高でどう
してこんなに水量があるのだろう。ポンプアップしているとしか考えられない。
しかも人の居ないこの時期に蕩々と水を流している。このご時世、エネルギーの無駄
遣いはやめましょう。
 肝心の見晴らしの丘はまずまずの眺め。高代寺山が大きい。
遠く五月山連山の鉢伏山は、いつもと違った角度でかしこまって見える。西に目を
向けると冬枯れの立木越しに雨森山や経堂ノ空が良く見えるが、夏はそれほどの眺め
ではなかろう思われる。

【落ち葉道】 見晴らしの丘から直ぐ北、入り口に鎖が張られた階段がついている。
「危険なので立入禁止」の札があるが失礼して登っていく。公園の土手から雑木林に
入ると何とまぁなかなかいい落ち葉道。ただ、整備のためか角杭が道の真ん中にポツリ
ポツリと飛び出しているのには閉口した。R173の方からエンジンの音。
 おじさん一人とすれ違う。ピンクのツツジをチラリチラリと見かけて驚く。

【三角点】 小広い背に着いた。白いヒモや黄色のテープがたくさん張ってある。
ここかなと思ったが、もう少し北へ歩いて直ぐに三角点。四等。
 そのすぐ先は金網で遮られている。疎らな林の向こうに高代寺山が鋭鋒に見える。
西には経堂ノ空。ここも車の音が届いており、それほど静かではない。
尾根の真ん中を金網が続いているので、素直に脇を沿って歩く。

【塀越え】 途中、トラロープが張ってあり、その内側は深い穴が口を開けていた。
廃坑跡らしい。歩く人は足を取られないように気をつけて下さい。
 さらに金網に沿って歩く。下り加減になって前方に高代寺山。ん?なんか変。
方位を確認。尾根から逸れて東へ下っている。もう一度、三角点までもどって金網
フェンスの範囲を見てみた。最初はゴルフ場との境界かと思ったが、これはどうも
「県立一庫公園」の境界のようだ。そうと判ればその向こうへ越えていきましょう。
良い子は真似をしてはいけません。
冬枯れ  
北の鞍部付近から知明山を振り返る 
【雑木林】 池田炭の元になったであろうコナラなどの雑木林が広がっている。
地図を見ながら落ち葉を踏みしめて、見え隠れする踏み跡を辿る。下りとなる。
どんどん下るとササが徐々にはびこってきて、鹿の糞もおびただしい。北の鞍部
 [標高約275m]は、微かな車の音さえなければ深山の雰囲気がある。道もけもの道の
ようなものばかり。少し登り返すと廃道のようなくぼみが続いている。登っていくと
ササは少なくなり、替わって常緑樹でうす暗くなる。

【ゴルフ場の下】 さらに登るとゴルフ場のフェンスが出た。ここから尾根より西は
ゴルフ場なので、東の斜面をトラバースしていく。最初は踏み跡があったのでなんと
かなるとたかを括っていたが、低木の枝が幾重にも折り重なるヤブが延々と続く。
何度か上に登ってゴルフ場を確認し、尾根を外さないようにする。ヒノキの植林され
た谷で正午のサイレンを聞く。と前後してパラパラと雨粒が落ちてきた。この先も
ヤブは勢い衰えず難渋して漕ぐ。
冬枯れ  
偶然出合った炭焼き跡 
【炭焼き跡】 いつの間にか、またいい感じの雑木林になってきた。すると仕事道の
ような踏み跡が下から上がってきて合流。そのまま尾根の中腹を巻くので辿る。
 葉を落とした明るい林の先に大きな炭焼き跡があって、小広い踊り場。しかし、
雨足は衰えない。もう少し北へ歩くとシイの木だったか、常緑高木があったので
この下で雨の様子見を兼ねて昼食とする。まわりは落ち葉が降り積もっている。

【退却】 やがて上の木からも滴が落ちてきた。雨は止みそうにない。ヤブも疲れた。
ここはあっさりとこの谷を下りよう。雨具の上衣だけをつけて、下りにかかる。
410.2mピークまでは行こうとも思ったがまた今度。
 露地に落ち葉か降り積もった景色もあっていい感じの谷である。やがて沢の脇に
仕事道が現れ、ほどなく舗装された湖岸道路に出た。妙見山が正面に見える。
冬枯れ  
谷の露地に落ち葉 
【舗装道歩き】 一庫ダムのダム湖、知明湖は車では通るものの、こうして歩くのは
はじめて。水が少ないのもあって道脇から急峻に落ち込む谷は、ダムができる前の
険しい面影を残す。こんなところでの炭焼きは大変であったろう。
 駐車場に戻るまでいくつもの尾根を巻くがそのたびに細い道が山へ入っている。
公園のフェンスやゴルフ場がなければいろいろと歩き回られたろうが、もう遅い。
こうして私らの様なハイカーは猪や鹿と同じように追いやられていくのだろうなぁ。

  知明山について   

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2000.2.5. BY M.KANE