紅さす西南稜・武奈ヶ岳          

御殿山から武奈ヶ岳を望む  
御殿山から武奈ヶ岳を望む   
■目的地:武奈ヶ岳(1214m) <山域:比良・滋賀県大津市・志賀町>
■日にち:1998年11月2日(月)
■天気:曇り後時々晴れ
■同行者:単独
■アクセス:自宅発(6:30)=亀岡=R477=祖父谷口(8:25)=広河原=梅の木=坊村着(9:30)
■コースタイム:

  坊村発(9:45)〜大橋小屋道出合(10:40)〜御殿山(11:20)〜ワサビ峠(11:30)〜
  西南稜〜武奈ヶ岳山頂(12:00-12:30)〜御殿山(13:00-13:40)〜坊村着(14:40)

【丹波路】 周山を通って京都丹波を横断する。長い道のりだがこの街道が好きだ。
北山杉あり、大堰川の清流あり、里の暮らしあり。
 亀岡盆地にはいると朝霧。昨日の氷ノ山の続きか。(^^)
京都丹波の山間を抜ける。台風10号の爪痕はあまり見られない。途中の祖父谷口は
桟敷ヶ岳に伸びるようだ。φ(..) 
 かなり奥に来たなという感の久多峠。峠のまわりは黄葉真っ盛り。
この南が桑谷山に繋がる尾根である。φ(..) 
峠を越えるて直ぐの所で、朝霧残る久多の谷を前景に武奈ヶ岳がうっすら聳える。
朝霧残る久多の谷  
久多峠から見る武奈ヶ岳(最奥)  
【急登続く】 車は安曇川を渡った住民センターの広い駐車場に停めさせて頂いた。
明王院の門前を通り過ぎた先に御殿山コースの道標があった。
ポピュラーな山の登山口にしては、素朴な里山風の山道が取り付く。
 長い杉植林の急登が始まる。途中、熟年夫婦と3人組パーティを追い越す。
そんなに早く歩いているつもりはなく、ゆっくり踏みしめているのだが、
わずかなピッチの差なのであろうか。汗が流れ落ちる。
この後はワサビ峠まで誰にも会わなかった。

【黄葉とササ】 次第に雑木林に変わり登りも緩やかになってきた。
人の気配もないので、念のためクマ除けの鈴をつける。
小さな鞍部に腰掛けのような岩、黄葉が広がってきた。まだ青い葉も多い。
また登り。大橋小屋道と武奈を示す標識に着く。
大橋小屋方面の踏み跡はほとんど判らなくなくなっている。
 稜線の西側道から東に乗り越えての巻道になる。ササが多くなってきた。
枯れた沢に沿い稜線に向かって緩やかに登る。その次は素晴らしい黄葉の中を
エイエイと登る。これでもかこれでもかと長く感じる。誰もいない。
葉を鳴らして過ぎる風の音が冬を感じさせる。

【蓬莱山出現】 木の丈が低くなってきてえぐれた道を登り、明るい笹原に出る。
後ろを振り返るとどーんと大きく蓬莱山が貫禄だ。
前方にはこっちだよ〜と言うように、葉の落ちた自然林に覆われたドームの高みが
まだ先に見える。
低木の林、足元はササ。昨日の氷ノ山に比べれば可愛い笹丈。

【武奈出現】 やっとの思いで御殿山に到着。標石はない。
葉を落とした木の向こうに西南稜と武奈ヶ岳が見える。
久しぶりだなぁ。10年以上経ったかな。
 既に枯れ木の綿毛のような冬山の様相。
その綿毛にポツリポツリと杉の濃い緑と紅の葉が浮かぶ。
わびとさびの感覚。(それでワサビ峠というのかなぁ。そんなわけないかぁ。^^;)
ここまでの登りの疲れも吹き飛び、直ぐに行ってみたくなる。
紅葉  
西南稜の紅葉  
【西南稜を行く】 ワサビ峠はすぐ下だった。
えぐれた道を登り紅の林に入り、少しガレた登りを越えるとほぼ平坦なササの道に
なる。ススキもいい感じ。急に人が多くなった。月曜日だよ今日は。
景色を眺めながら歩くのでペースは落ちる。向かいのコヤマノ岳は紫がかった茶色。
もうそんな季節なんだぁ。足元には真っ赤な葉。
ツルベ岳  
山頂から見るツルベ岳と蛇谷ヶ峰(最奥)  
【賑やかな山頂】 山頂手前の急登。振り返ると尾根道が、谷が、蓬莱山が、
いい眺めだ。ロープウェイからの道と合流し丁度12時に山頂着。ざさと30名ほど。
風が強いので、フリースジャケットを着る。
元気な学生山岳部がパンツ一枚になって記念写真。まだまだ日本は捨てたもんじゃない。(^^;
 風を避けて落ち着くところを探す。寒い。
薄いカッパ代わりのウインドブレーカーを重ね着する。
家で沸かしておいたお湯を注いでのカップ麺。出来るまでにミカンをほおばる。
リトル比良の眺め、その先に琵琶湖が薄く見える。
 ツルベ岳へも行きたいが、今日は一人だし足も疲れているようなのでまた今度。
ひととおり眺めて来た道を下りる。

【秋山の時間】 御殿山は静かです。風もなく過ごしやすい。
ここでコーヒーを煎れる。クッキーを片手に武奈を眺めながら贅沢な時を過ごそう。
 堂満岳の岩肌もひょっこりと覗いている。
谷を風が通る。学生の歓声がこだまする。
ここへ来て薄日が出てきた。スポットが冬枯れを照らしていく。
黄葉  
大橋小屋道出合より上の黄葉  
【晴れ間に黄葉】 さてとぉ、寂しい黄葉の道を下るかぁ。
割と道筋を覚えていた。御殿山から誰一人と会うことがなかった。
日差しを浴びた黄葉が綺麗だ。やはり青空があると素晴らしい。暑い。
 大橋小屋道出合を過ぎると下界の工事の音が聞こえてきた。
明王院の門前にたどり着いた時は、心地よい安堵感と充足感でいっぱい。
 爽健美茶でのどを潤し、長い丹波道を戻る。

  武奈ヶ岳について 
 
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1998.11.7. BY M.KANE