雪の愛宕山と柚子の里 山行記 

 
  雪の灯籠、愛宕神社はもうすぐ。 
         
 
           1998.1.31. 
 
 
 

■目的地:愛宕山(924m) <山域:京都西山・京都市>
■日にち:1998年1月31日(土)
■天気:晴れ後曇り 山頂は小雪
■同行者:日下部さん
■コースタイム: 自宅発(8:05)=亀岡(9:15)

  JR保津峡発(9:50)〜落合橋(10:20)〜東海自然歩道〜清滝(11:00)〜
  愛宕表参道〜5合目(11:45)〜水尾の分れ(12:10)〜愛宕神社(12:35-13:30)〜
  水尾の分れ(13:55)〜水尾(14:30)〜JR保津峡着(15:30)

【愛宕山】 京の都の西にそびえる愛宕山は、火の用心の総本山。
慣れ親しまれている山だが、標高差の840mは手応えがありそうだ。
 今日は、メールで知り合いの日下部さんとの2回目オフ。ひとまわり近い若さに、
日頃のお手軽散歩で太刀打ちできるかどうか覚悟して出発。(^^;

【清滝川の流れ】 亀岡に車を止めてからJRで保津峡に移動。JR亀岡 9:35発
JR保津峡 9:43着。駅のホームから保津峡の写真を撮る。この駅は渓谷の上に架かる
鉄橋自体がそれである。ホームを出ると、すでに日下部さんが待合室で待っていた。
 大きな赤い鉄橋を渡る。右へ。カメラの話などで単調舗装道も楽しい。落合橋を過ぎて
道を間違ったのに気づき、引き返して車道から川に下る細い道に入る。ここは東海自然
歩道の一部。清らかな流れに紅葉の時などは人が多いのだろうが、今日は釣り人が一人
だけで後は誰もいない。静かでとても気に入った。明るい日差しの中、写真を撮り
ながら好調な滑り出し。
 
  清滝川から愛宕山の尾根が覗く。 
 
           1998.1.31. 
 
【愛宕表参道】 やがてひなびた旅館が見えてくると清滝。渡猿橋を渡り、藁葺きの 家が一軒残る。駐車場からの道と合流していよいよ鳥居のある登山口。食堂もある。  はじめはコンクリートの坂道が続く。登山者のマナーが悪くなった旨の立て札あり。 お助け水を過ぎると地道になってきた。車が一台悠に通れるほどの広い道。古くからの 人気がうかがわれる。合目の立て札と丁石がつく。  ほいほいと登っていく緑ズボンのおじさんがいた。あっという間に見えなくなる。 登りは続く。焦らずマイペースで登る。3合目・5合目と休憩所が多い。 大きな杉の木が両側に並んで展望のない広い道、だんだん汗が出てくる。上着を脱いで 体温調整。昼も近くなり腹がへる。きれいなササと雪が出てきた。風が冷たくなり今度は 上着を着る。 【水尾の分れ】 大きな荷物を担いだ人が休む七合目をすぎるとまもなく水尾の分れ。 ここにも休憩所がある。このあたりになると雪が踏まれて凍ってきた。アイゼンを 着ける人が多い。我々はなし。だんだん人が多くなってきたように感じる。  杉の間から亀岡方面が覗く。滑りそうな登りを慎重に歩く。黒い総門が目に入ると 力が湧いてきた。 【愛宕さん】 石段を登ると雪をかぶった灯籠が並ぶ。地面は一面の白。 左に登山者用トイレと休憩所がある。社務所の前のベンチで昼食。ベンチの上に被る 雪を払いビニル袋を敷く。動きが止まるとだんだん冷えてきた。おまけに小雪が パラパラ。日下部さんの暖かいカレーをいただく。おいしかった。  しかし、私は寒さと疲れのためか元気がない。計画時は余力あらば竜ヶ岳へもと 思っていたが情けない始末であった。食事が済むと本殿へお参り。けっこう石段が 続く。お賽銭で安全下山を祈願し、近くの奥さんに記念写真を撮っていただく。 石段を下り、左に雪で覆われた白い道があった。道標は「月輪寺へ」とある。パス。 【凍った道】 来た道を脇のロープにつかまりながら下りる。道々、縄を靴に巻いた 人や縄をぶら下げて登る人を見かけたのを思い出し、二人で山を甘く見ていたのを 反省。滑らないように慎重に下る。なんやかやで水尾の分れに無事到着。右の水尾へ 下ることにする。ここもしばらく凍った坂道が続く。やがて植林が開けて切り株の ある絶好の展望地に到着。前後でも4人が休憩中。南に小塩山やポンポン山。 すぐ手前は牛松山だろうか、いい眺めだが送電線も目立つ。(^^; 【展望斜面】 伐採で開けた良い道がしばらく続く。足下も落ち葉の道でなかなか 気持ちがいい。遠く亀岡の街が広がり、眼下に水尾の里が覗く。振り返って見上げる と、愛宕山山頂あたりは斜面がせり出して見えないが、鉛色の空。また雪がぱらつく。  快適落ち葉道からやがて檜の植林に入り、柚子の果樹園の中を過ぎると民家が出て きて南天の赤い実が目立つ。
 
  柚子の里・水尾を見下ろす。 
 
           1998.1.31. 
 
【水尾の里】 柚子の香りが漂ってくるような斜面に寄り集まった里。狭い車道を 歩いていると軒先で特産品が並んでいる。おばさんから柚子のジャムと味噌を買い 求める。南天が多い訳を聞くと、以前に正月用として栽培していたなごりだという。 もらった「洛西の秘境 水尾」のパンフレットにとても良いくだりがあった。  「・・・しかし他の観光地でありがちな、名高くなり来訪者が増えるにつれて、   純真さが消え、自然も人心も荒れはてるようなことが、我が水尾では絶対に   起こらぬようにと自戒しています。    それもご来訪遊の皆様方のご協力がなくては、実現できぬことですから、   この事をよくよくご理解下さるよう、お願い申しあげます。」 そうだそうだ、まったくだぁと、ますますこの里に惹かれる。  民家が途切れるとすぐ、白い梅の花が咲いている。手を変え、品を変え楽しみ多し。 長い舗装道だが話し相手があれば苦にならない。舗装道の下の川沿いに近道がある。 明智越えの入り口を示す標識を過ぎ、マイクロバスが往復。見覚えのある保津峡の 赤い橋を渡ると駅。日下部さん、ご苦労様。明日は足を労ってあげてください。(^^) ホームからは大きな愛宕山が居座って見えた。

  愛宕山について   

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1998.2.1. BY M.KANE