平成15年度 1級電気工事施工管理技術検定試験 学科試験問題 (午後の部)


※ 問題番号〔No.57〕、〔No.58〕の2問題は、全問解答して下さい。

〔No. 57〕 制御装置の器具番号と器具名称の組合せとして、「日本電機工業会規格(JEM)」上、不適当なものはどれか。

    器具番号       器具名称
   1.   27      交流不足電圧継電器
   2.   51      交流過電流継電器又は地絡過電流継電器
   3.   55      交流電圧継電器
   4.   67      交流電力方向継電器又は地絡方向継電器


〔No. 58〕 請負契約に関する記述として、「公共工事標準請負契約約款」上、誤っているものはどれか。

   1. 発注者は、請負者が正当な理由なく、工事に着手すべき期日を過ぎても工事に着手しないときは、契約を解除することができる。
   2. 発注者は、主任技術者が工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるとき、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
   3. 現場代理人、主任技術者(監理技術者)および専門技術者は、これを兼ねることはできない。
   4. 請負者は、発注者が契約に違反し、その違反によって契約の履行が不可能となったときは、契約を解除することができる。



※ 問題番号〔No.59〕〜〔No.67〕までの9問題のうちから、6問題を選択し、解答してください。

〔No. 59〕 水力発電所の水車の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

   1. ケーシングは、溶接時に変形を最小限におさえるため補強方法や溶接順序を考慮した。
   2. 配管には、コンクリートミルクが入らないよう、十分な防護を施した。
   3. ケーシングは、コンクリート打設時の浮力、圧力に耐えるよう、十分な補強を行った。
   4. ケーシングは、現地にて溶接を行ったので、溶接部の検査を省略した。


〔No. 60〕 屋外変電所における油入変圧器の現地組立作業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

   1. 絶縁物の外気露出時間を極力短縮し、変圧器タンク内部作業時間には加湿器を使用して乾燥防止を図った。
   2. 変圧器タンク内に、じんあいや異物が混入しないよう周囲に作業用テントを設け、作業環境の整備に十分配慮した。
   3. 絶縁油は、絶縁破壊電圧値、油中水分量及び油中全ガス量を確認した。
   4. 絶縁油は、十分に脱気ろ過循環して浮遊している微小なじんあいを除去し、残留気泡をなくすよう十分な静置時間をとった。


〔No.61〕 架空電線路の支持物に施設する支線に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものはどれか。
ただし、臨時電線路及び木柱に施設する支線を除く。

   1. 素線に直径が2mm以上で引張強さが0.69kN/mu以上の金属線を用い、3条以上をより合わせたものとした。
   2. 車道を横断するので地表上4mの高さに施設した。
   3. 支線の安全率は、3.0とした。
   4. 地中の部分及び地表上30cmまでの地際部分に耐蝕性のあるものを使用した。


〔No.62〕 金属ダクト工事による低圧屋内配線に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものはどれか。

   1. 電線は、ビニル電線(IV)を使用した。
   2. 接続点が容易に点検できる場所で、電線を分岐した。
   3. 金属ダクトを、人が触れるおそれがないように施設したので接地工事を省略した。
   4. 電線を外部に引き出す部分の貫通部は、電線が損傷するおそれがないように施設した。


〔No.63〕 高圧受電設備の受電用遮断器の遮断電流を決定する場合の要素として、適当なものはどれか。

   1. 高圧負荷容量と変圧器容量
   2. 受電点の三相短絡電流
   3. 電力会社との契約容量
   4. 変圧器二次側の三相短絡電流


〔No.64〕 低圧屋内配線に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、誤っているものはどれか。

   1. CD管相互を専用のカップリングで接続して、ビニル電線(IV)で二重天井内に配線した。
   2. 照明器具に至る配線を、「電気用品安全法」の適用を受ける2種金属線ぴ内で接続点が容易に点検できるように分岐した。
   3. 事務室内の柱の埋込みコンセントに至る引下げビニルケーブル(VVF)配線の、金属保護配管の長さが3mであったので、D種接地工事を省略した。
   4. 対地電圧が100Vの機械器具を、水気のない場所に施設したので、その電路の地絡遮断装置を省略した。


〔No.65〕 架空単線式の電車線に関する記述として、「普通鉄道構造規則」上、誤っているものはどれか。

   1. 電車線は、公称断面積80muの溝付硬銅線とした。
   2. 電車線の高さは、レール面上5.0m以上5.4m以下とした。
   3. 電車線の偏いは、パンタグラフを使用する区間において、レール面に垂直の軌道中心面から250mm以内とした。
   4. 電車線のレール面に対する勾配は、列車が50km毎時を超える速度で走行する区間がカテナリちょう架式であったので、5/1,000以下とした。


〔No.66〕 光ファイバケーブルの配線に関する記述として、不適当なものはどれか。

   1. 電磁誘導の影響を受けないので、電力ケーブルと並行して布設した。
   2. コネクタ付なので、コネクタを十分に保護して布設した。
   3. 成端処理に必要な余長を含んで布設した。
   4. 張力の変動を吸収するために、延線用撚戻し金物を使用して布設した。


〔No.67〕 ブロックハンドホールの施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

   1. 根切りの深さを、レーザ鉛直器を用いて検査した。
   2. 底面に割り石を敷込み、目つぶし砂利を充てんして締め固めたのち、捨コンクリート地業を行い、水平を調節した。
   3. 捨コンクリート表面に墨出しを行い、正確に設置した。
   4. 管路を接続後、根切り土中の良質土をランマーを用いて締め固めながら埋め戻した。



※ 問題番号〔No.68〕〜〔No.79〕までの12問題は、全問解答してください。

〔No.68〕 施工要領書の作成における留意事項として、最も不適当なものはどれか。

   1. 工事施工前に作成する。
   2. 他の現場においても共通に利用できるように作成する。
   3. 施工方法は、できるだけ部分詳細、図表などを用いて、分りやすく記載する。
   4. 図面には、寸法、材料名称、材質などを記載する。


〔No.69〕 消防用設備等において着工届が必要なものとして、「消防法」上、定められているものはどれか。

   1. 誘導灯
   2. 非常コンセント設備
   3. ガス漏れ火災警報設備
   4. 無線通信補助設備


〔No.70〕 施工計画に関する記述として、最も不適当ないものはどれか。

   1. 資材管理の目的の一つは、適正な数量の資材を搬入し、工事を円滑にすることである。
   2. 仮設計画には、火災予防、盗難予防の対策は不要である。
   3. 実行予算の作成の目的の一つは、工事原価の検討と確認を行い利益の見通しをたてることである。
   4. 安全衛生計画は、労働火災を未然に防止するばかりでなく、作業環境の適正化を図るものである。


〔No.71〕 工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

   1. 総合工程表は、経済的な人員配置になるように作成する。
   2. 工程表は、一日平均作業量と必要作業量及び作業可能日数を考慮して作成する。
   3. 工程表は、建築工事や他の設備工事と作業順序を調整して作成する。
   4. 総合工程表は、作業の進ちょくを大局的に把握するために作成するものであり、仮設工事や清掃作業の項目は記載しない。


〔No.72〕 工程管理における施工速度に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

   1. 直接工事費は、一般に施工速度を速め突貫工事にすると安くなる。
   2. 施工速度が早まり経済速度を超えると、品質や安全性の低下につながりやすい。
   3. 工事費が最小となる最も経済的な施工速度が経済速度である。
   4. 間接工事費は、一般に施工速度を遅くすると高くなる。


〔No.73〕 バーチャート工程表と比較した、ネットワーク工程表の特徴に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

   1. 工程の進ちょく、遅延が分り、効果的な対策時期の把握が容易である。
   2. 資材、機械、器具の調達時期が不明確である。
   3. 複雑な作業間の相互関係、順序関係を結びつけた手順計画である。
   4. 数字の裏付けをもった信頼度の高い計画が可能である。


〔No.74〕 品質管理の用語に関する記述として、「日本工業規格(JIS)」上、不適当なものはどれか。

   1. 誤差とは、測定値から真の値を引いた値である。
   2. 公差とは、規定された最大値と最小値との差である。
   3. 平均値(平均)とは、測定値を全部加えて、その個数で割った値である。
   4. 許容差とは、測定結果の正確さと精密さを含めた、測定量の真の値との一致の度合いである。


〔No.75〕 品質管理用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

   1. 測定範囲をいくつかの区間に分け、測定値の度数に比例する面積の長方形を並べた図はパレート図である。
   2. 二つの特性を横軸と縦軸とし、観測値を打点して作る図は散布図である。
   3. 連続した観測値を時間順に打点した、上下一対の管理限界線をもつ図は管理図である。
   4. 特定の結果と原因系の関係を統計的に表した図は特性要因図である。


〔No.76〕 接地抵抗計による接地抵抗測定試験に関する記述として、不適当なものはどれか。

   1. 接地抵抗計のレンジが電圧レンジになっていることを確認し、補助接地極に接続した。
   2. 接地端子に接続された被測定接地極に、電圧が出ていないことを確認し、レンジを測定レンジに切替えた。
   3. 既存の補助接地極があったので、これを使用した。
   4. 電位降下法により、直流電流を用いて測定した。


〔No.77〕 作業主任者を選任すべき作業として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。

   1. 高所作業車の運転を伴う作業
   2. アセチレン溶接装置を用いて行う金属の溶接、溶断、加熱の作業
   3. 地下ケーブルを収容するためのピット内部の酸素欠乏危険場所における作業
   4. 土止め支保工の切りばり又は腹おこしの取付け又は取りはずしの作業


〔No.78〕 停電作業を行うとき、事業者が講じた措置として「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

   1. 作業開始前に作業の方法及び順序を周知徹底させ危険予知を行った。
   2. 開路した高圧電路について、検電器具で確実に停電を確認したので、短絡接地を省略した。
   3. 開路するために用いた開閉器に、作業中、通電禁止に関する所要事項を表示した。
   4. 開路した電路に電力コンデンサーが接続されていたので、安全な方法で残留電荷を放電させた。


〔No.79〕 労働災害の度数率を表す次式の(  )内に当てはまる語句の数値の組合せとして、正しいものはどれか。

     

        イ      ロ
   1. 労働損失日数  1,000
   2. 死傷件数 1,000
   3. 労働損失件数  1,000,000
   4. 死傷件数    1,000,000



※ 問題番号〔No.80〕〜〔No.92〕までの13問題のうちから、10問題を選択し、解答してください。

〔No.80〕 建設工事に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

   1. 元請負人は、下請負人から建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。
   2. 発注者から直接電気工事を請負った建設業者は、その下請代金の総額が2,500万円となるときは、施工体制台帳を作成しなければならない。
   3. 元請負人は、請負代金の出来高部分に対する支払を受けたときは、下請負人に対して下請代金を当該支払を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならない。
   4. 建設工事の請負契約の当事者は、契約締結に際して工事内容等一定の事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。


〔No.81〕 建設工事の請負契約書に記載しなければならない事項として、「建設業法」上、定められていないものはどれか。

   1. 各当事者の履行の遅延その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
   2. 契約に関する紛争の解決方法
   3. 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
   4. 現場代理人及び監督員の権限に関する事項


〔No.82〕 主任技術者又は監理技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

   1. 1級電気工事施工管理技士を取得した者は、電気工事の監理技術者になることができる。
   2. 主任技術者及び監理技術者は、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び施工に従事する者の技術上の指導監督を行わなければならない。
   3. 下請負人として、建設工事の施工に当たる建設業者は、工事現場に主任技術者を置かなくてよい。
   4. 国、地方公共団体その他政令で定める法人が発注者である建設工事については、当該工事現場に専任で置かなければならない監理技術者は、監理技術者資格者証の交付を受けた者でなければならない。


〔No.83〕 自家用電気工作物に関する記述として、「電気事業法」上、誤っているものはどれか。

   1. 工事計画の事前届出を要する設置工事で使用前自主検査を伴うものは、工事完了後速やかに保安規定を届出なければならない。
   2. 自家用電気工作物を設置する者は、経済産業大臣の許可を受けて、主任技術者免状の交付を受けていない者を主任技術者として選任することができる。
   3. 保安規定には、工事、維持及び運用に関する保安のための巡視、点検及び検査の事項を定めなければならない。
   4. 工事計画の事前届出をした場合、使用開始後、その旨の届出は必要としない。


〔No.84〕 感電死傷事故が発生したとき、自家用電気工作物を設置する者が行う事故報告に関する記述として、「電気事業法」上、誤っているものはどれか。

   1. 報告は、所轄の経済産業局長に行う。
   2. 速報は、事故の発生を知った時から72時間以内に行う。
   3. 詳報は、事故の発生を知った日から起算して30日以内に行う。
   4. 速報は、電話で行ってもよい。


〔No.85〕 特定電気用品に該当するものとして、「電気用品安全法」上、誤っているものはどれか。
      ただし、定格電圧200V、50Hzの交流の電路に使用するものとする。

   1. 公称断面積14muの架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)
   2. 定格電流30Aの漏電遮断器
   3. 呼び方C39の薄鋼電線管
   4. 40W1灯用の蛍光灯用安全器


〔No.86〕 非常用の照明装置を設けなければならない建築物の部分として、「建築基準法」上、定められているものはどれか。
ただし、延べ面積は、すべて1,000uを超える建築物とする。


   1. 公立図書館の3階の閲覧室
   2. 小学校の1階の教室
   3. 病院の5階の病室
   4. 共同住宅の11階の住戸


〔No.87〕 「建築士法」で定められている資格に関する記述として、誤っているものはどれか。

   1. 建築物の増改築をするとき、一定規模を超える場合には建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。
   2. 一級建築士は、木造の建築物の設計及び工事監理を行うことができる。
   3. 建設設備資格者(建築設備士)は、建築設備に関する知識及び技能につき国土交通大臣が定める資格を有する者である。
   4. 建築士は、建築物に関する調査又は鑑定を行うことはできない。


〔No.88〕 防火対象物とそれに設置する消防用設備等に関して、「消防法」に規定されている組合せとして、誤っているものはどれか。

          防火対象物              消防用設備等
   1. 延べ面積4,000uの中学校         自動火災報知設備
   2. 延べ面積6,000uのマーケット       非常警報設備
   3. 延べ面積2,000u地下街           無線通信補助設備
   4. 地下1階、地上10階建の事務所ビル   非常コンセント設備


〔No.89〕 安全衛生管理体制に関する次の文章中、「労働安全衛生法」に規定されている(  )に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。
「特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者が同一のビル建設工事において作業を行うときは、これらの労働者の数が常時( イ )以上であれば( ロ )を選任しなければならない。」

      イ       ロ
   1. 30人  統括安全衛生責任者
   2. 30人  統括安全衛生管理者
   3. 50人  統括安全衛生責任者
   4. 50人  統括安全衛生管理者


〔No.90〕 ビル建設工事において、特定元方事業者の講ずべき措置に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

   1. 特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織を設置し、当該協議組織の会議を定期的に開催する。
   2. 随時、特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における、作業間の連絡及び調整を行う。
   3. 作業場所を毎週1回巡視する。
   4. 当該仕事の工程に関する計画及び当該作業場所における主要な機械、設備等の配置に関する計画を作成する。


〔No.91〕 使用者が労働契約の締結に際し、書面の交付により明示すべき労働条件に関する事項として、「労働基準法」上、定められていないものはどれか。

   1. 始業及び終業の時刻に関する事項
   2. 労働契約の期間に関する事項
   3. 福利厚生施設の利用に関する事項
   4. 退職に関する事項


〔No.92〕 分別解体等及び再資源化等を促進するため、特定建設資材として、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」上、定められていないものはどれか。

   1. 木材
   2. 石膏ボード
   3. コンクリート及び鉄から成る建設資材
   4. アスファルト・コンクリート














Ans.

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