No1.高田家文書とは
 本宿にある高田家には、江戸時代初期から大正時代までの多くの文書が残されていました。高田家は、江戸時代には本宿村の名主を努め、本宿村・的場村(現在の清水町的場)・安部郡四ヵ村(現在の静岡市内)の年貢の取りまとめや本宿村の運営を行っていました。

 高田家文書は、当時の村の様子を伝える資料であり、そこから日本の地方の歴史をかいま見ることが出来るといえます。資料は一万点以上に及び、歴史的資料として大変貴重なものです。そのため、東京大学に懇望されて国史研究室(現日本史学研究室)に譲られ、現在は吉田伸之大学院教授により整理され、貴重書庫に保管されています。

 また、同大の大学院生として、高田家文書に接した佐々木潤之介一橋大学名誉教授は、資料に感激し、その後近代文書をまとめた「日本の歴史」(15巻 大名と百姓 中央公論社)の中で、高田家文書について紹介しています。

 次回から、高田家文書についてシリーズで紹介していきます。