title 見落としがちなタイヤ様

 
 車ってのはどうやって走るんだろうか?運転している最中にそんなことに思いを馳せた人はいるだろうか?人でも動物でも、走るときには地面を蹴って、その反動で(正確には違うのかも知れないが)前へ進むことが出来る。これは物理学的な話だから、なにも動物に限った話ではなくて、どんな物のどんな動作にも当てはまる。むろん車にもだ。エンジンを回してその駆動力でシャフトを介してタイヤを回し、地面を蹴って走る。こんなことは当たり前のこととして皆さんも認識しているだろう。しかし、タイヤ4つだけで地面とのコンタクトを取っているにも関わらず、そのタイヤのことをあまり気に掛けない人が多いのはどうしたことだろう?極端なことを言えば、いや極端というわけでもなく、自分の命を乗せて回っているのに!?だからここでは、ちょっとでいいからタイヤ様の事を考えてみよう。
 タイヤの役割はざっと分けて
  1. 車を駆動する(動かす)
  2. 車を制動する(止まる)
  3. 車の進む方向を変える(曲がる)
  4. 車の荷重を支える
  5. 路面からのショックを吸収する
と、これだけある。
記号 最高速
N 140
P 150
Q 160
R 170
S 180
T 190
H 210
V 240
Z 240〜
W 270
Y 300
 
タイヤ一本で地面と接している面積はほんのハガキ一枚程度。つまりこれだけの仕事をハガキ4枚の面積で支えているんだ。このことを踏まえてタイヤのことを見てみよう。タイヤには195-50VR16といった数値によるサイズ表示がされている。この例でいうと、タイヤの幅195mm、サイドウォールの高さ(タイヤのゴムの部分の太さ)がタイヤ幅の50%(これを偏平率という)、この場合なら195×0.5=97.5mm、Vは速度記号(既定の条件下での最高速度)で、Rはラジアルタイヤを意味している。最後の16はホイールのリム径だ。
 
 タイヤの幅が広くなるほど幅広タイヤということになり(当たり前か)、接地面積が広くなるため上のA〜Cに関して有利になるので、安定して速く走ることが出来る。特に加速に重要な駆動方向のグリップが向上するから走行性能が上がる。だから高性能のスポーツカーのタイヤはみんな幅広だよね。でも幅広タイヤのメリットは、地面とタイヤとの摩擦が大きくなることからもたらされるんだから、幅広タイヤになるほど燃費は当然悪くなる
 
 次に偏平率だけど、この数値が低くなるほど平べったいタイヤってことになる。偏平になればなるほどサイドウォールが低くなり、ホイールの径は大きくなる。サイドウォールが低くなれば横方向のグリップが向上するし、ホイールが大きければ大径のブレーキを内蔵することが出来るようになる。つまりB・Cに有利になるってこと。大概の場合は幅広で偏平のタイヤだから、走行性能全体が上がることになる。だけどサイドウォールが狭くなれば、路面からのショック吸収力が弱まるから、乗り心地は悪くなる。RVなんかにも使えないのは一目瞭然だ。逆に言えば幅狭でサイドウォールの高いタイヤを履けば、燃費と乗り心地は良いけれど走行性能は低下するんだ。
 
 要するに、タイヤの役割のどれかを上げるとなにかしらデメリットが生じるってこと。この頃は見てくれ優先の幅広タイヤ装着車が多いけど、かっこよく見えるのは確かだから、燃費が悪くなるなんて理由で「履くな」なんてことを書くつもりは毛頭ない。むしろこんなものは見た目で選ぶものだと思っている。だけどもしタイヤサイズの変更を考えるならば、ここら辺のメリット・デメリットも考えておいた方がいい。どんなタイヤでも走りはするけれど、クルマの目的にあったものを選択するのが最も重要だ。幅広タイヤになってグリップするようにはなったけど、ホイールハウスにぶつかってハンドルが切れないなんてのはシャレにもならない。ヘビーデューティーのRVに細っこいタイヤ履かせてパンクしても、誰も同情してくれないよ。新品のHRのタイヤで250km/h出したら、バーストして死にかけたなんてことがあっても、タイヤメーカーにはなんの落ち度もない。まぁそんな人いないだろうけど。
 
 余談だけど、タイヤの大きさが変わるとスピード計やトリップ計が正しい数値を指さなくなることがある。車の後ろで巻き尺巻いてる訳じゃないんだから、タイヤの回転数から距離が計算される。その径が変わればおかしな数値を示すのは当たり前だね。また、いわゆるスポーツタイヤは確かにグリップが良い。グリップが良いってことはそれだけ表面が良く溶けて粉塵をあげるってことだから、寿命が短いし燃費も悪化する。F1のタイヤ交換を見ていれば分かるよね。値段のことも考えると、普通の人は無視して通っても良いだろう。
 
 タイヤ交換なんて考えたことない人にはつまらなかったかも知れないね。エコランにもっと重要なことはへ。
 
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