title なんぼでカッ飛ぶ?

 
 低燃費運転を目指すには、実際にどれくらいのスピードで走ったら良いんだろうか?はじめに断っておくと、何km/hで走るのが最も効率的だと言うことは出来ない。警察の「安全運転のしおり」なんかを読むと、「80km/hが経済速度です」ってなことが書いてある。ある意味では間違いではないのだが、経済速度なんてものは車の種類によってマチマチだから、そう簡単に決めつけちゃっていいの?とも感じる。
 
 そもそも燃費を左右するファクターって何だろう?それは大ざっぱに分けると走行抵抗とエンジン回転数ってことになると思う。この二つの兼ね合いから車ごとの経済速度が決まるので、それが時速何kmなのかは各々で判断していただくより他ない。だからここでは、だいたいこんなところに注意してスピードを決めたらいいよってことを書こうと思う。
 
 まず走行抵抗だけれども、これは車が走ることによってどれだけの空気抵抗があるかってことが重大だ。スピードが遅いうちはたいしたことないけれど、速度が上がっていくに従って無視できない存在となるんだ。というのは、空気抵抗は速度の二乗に比例して大きくなるから。例えば80km/hのときの空気抵抗を1とすると、100km/hにスピードを上げると100^2/80^2=10000/6400=1.5625倍となる。120km/hなら2.25倍だ。だから、なるたけスピードを出さないで走った方が空気抵抗は少なくなると言える。だけど車の形によって、空気抵抗を受けやすいボディとそうでないのがあるよね。F1カーとかスポーツカーなんかは平べったくて見るからに抵抗を受けなさそうだし、逆にキャブオーバーのトラックや背高のRV車は風をモロに受けながら走っている。この空気抵抗の受けやすさの指標が空力特性値(cd値)で、これが小さければ小さいほどスピードを上げても抵抗を受けにくい。例えば飛行機の翼なら、薄くて表面が滑らかでしかも断面が魚のような流線型となっているから、0.1くらいととても小さい。逆に普通の平板状だと1.25くらいだ。乗用車の場合は0.3〜0.55程度の範囲に入るが、この頃の車はコンピューターで念入りに計算し、風洞でチェックするので素晴らしい空力特性を持つものが多い。中にはポルシェ 911のように「バックで走った方が空力がいい」と言われるようなクルマも有るけど…(裏付け無し)。言い換えると空力特性が良ければ、エンジンが最も燃費の良い回り方をする速度で走ってやったら、経済燃費に近くなるということだ(勿論エンジンによって例外はあるけど)。逆にcd値が大きいRV車なんかだと、エンジン自体は130km/hが最適だとしても、それだと空気抵抗が大きすぎるので、もっと低い速度で走ってやらなくてはならないなんてことになる。本来は燃費全体を考えるならばcd値と前面投影面積(つまり風の当たる顔の大きさ)を掛け合わせて比較しなくちゃいけないけど、ここでは一台の車での最適速度を考えているので無視しよう。
 
 次にエンジン回転数だけど、これまたクルマによって全然違う。同じ80km/hを出すのに、エンジンをブン回してやらなきゃいけないダイハツ ミラと、そんなにアクセルを踏んでいるつもりもないのに知らないうちにスピードが出ているトヨタ セルシオとでエンジン負荷が同じ訳ない。280psも出るインプレッサ WRXなんて、どれくらいの回転数で100km/h巡航するんだろう?要するにエンジンのことだけ考えるなら、スピード云々と同様「何回転」とかいう議論は全くもって無駄なんだ。だからここはひとつどんな感じで回っているのがいいのか考えよう。
 
 「ドカンは禁物」のところでもちょっと書いたけど、一番燃費が良いのは高速定速走行。一番高いギヤで、アクセルペダルを踏んでいるか踏んでいないかの微妙なところの回転数が最も燃費が良くなる。排気量の小さなクルマならスピードは低く、大きければ速く走れるはずだ。あとは道路のアップダウンにあわせてデリケートなアクセルコントロールをすればいい。例外として、回転数が2000r.p.m.を下回るようならシフトダウンする。普段はあまり役に立たないけど、高速道路を走るときにはやってみてほしい。
 
 さて、一般道ではどうするか。エコ運転の情報を読むと、「シフトアップは早めに行い、高めのギヤを用いることでエンジンの回転数を押さえて走る」のが良いとされている。一方で「エンジンブレーキを使用すべし」というのも決まり文句となっている。でもちょっと待ってくれ、高いギヤだとエンジンブレーキがかかりにくいじゃないかと、賢明な読者の皆さんなら気付くことでしょう。そこで367の結論は、
  • 平地では速度にあわせてアクセルを踏むか踏まないかの回転数を維持。
  • トルクに余裕がある場合は高めのギヤを選択。
  • 上り坂では踏み込まなくてもトルクが維持できるよう低いギヤを選択。
  • 下り坂ではエンジンブレーキ主体なので、スピードに応じた低めのギヤを選択。
  • いずれの場合も2000r.p.m.を切らないように注意する。
 と、これだけ注意したら結構イケルと思う。気持ちの上では
  • アクセルを踏むのは仕方ないが、踏み込むのはなんとしても避ける
  • 2000r.p.m.を下回ってはいけない。
  • 意地でもエンブレを使う。
 てなことを心掛けておけばいい。あれ?高速道路と基本的には変わらないね。ここでエンジンブレーキを使うのがどうして燃費向上につながるのか疑問に思う人がいるだろうから説明しておこう。確かにエンブレがかかっている時ってのは、低いギヤを選択しているから、回転数が高い。回転数が高ければそれだけ多くの回数燃料が噴射されるから燃費が悪くなる。だから高いギヤの方が有利なんだよね。しかし、エンジンブレーキ時ってのは車の惰性でエンジンを回してくれている状態だから、あまり燃料噴射しなくてもいい。そんなわけで最近の車はアクセルペダルを全部戻すとガソリン供給がストップされる仕組みになっている。燃費は無限大になるって訳だ。ただ、あまり回転数が落ち込んでくると不安定になってくるので、2000r.p.m.くらいを切ってからスロットルを全閉にしても、アイドリング分の燃料供給はされるようになる。それにあんまり回転が落ちると、いざアクセルを踏んで加速しようとしたときにトルクが細くてつい踏み込んでしまいがちだ。だからある程度の回転数は維持しなくちゃいけないってことだ。ただし、この2000r.p.m.というアイドリング燃料供給の回転数は車種によって異なり、新しいクルマになるともっと低い回転数でスロットル全閉にしても燃料カットをしてくれる。これはコンピューターの演算速度が昔よりも格段にアップしたためらしい。タンポポ号も本来もっと低い回転数に設定されているのだろうけれど、低回転まで落ち込むと加速がトロく感じられるので、やはり2000r.p.m.あたりを目安にしている。いろいろ試してみると2000r.p.m.くらいのエンブレが最も走りやすいみたいだからね。エンジンの低速トルクの強さによって走り易さは変わってくるから、自分の車で試してみてほしい。
 
 随分と込み入った話になっちゃったけど、アクセル踏まずにエンブレ効かした運転を心掛け、あとは車の形に応じてスピードを変えればいいってことだ。「なんとなく車が楽に走っているような気がするスピード」って表現して、果たして理解してもらえるだろうか?MTでの話をしているようだけど、ATだってオーバードライブをOFFにしたり、シフトレバーを操作してやれば驚くほど燃費が向上する。一度やってみて下さい。
 
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