エコ運転の前に

 
 エコ運転に興味を持つきっかけはいろいろあって、人それぞれ違った思いで低燃費を目指そうとしているのだろう。エコ運転をする目的は高尚だろうが低俗だろうが全く関係がなく、どちらにせよ燃費良く走れりゃそれでいい。でも実際にエコ運転をする前に、少しだけ考えておいてほしいことがある。それは、エコ運転自体がどれくらい大切なものなのかってこと。このサイトは勿論エコ運転を推奨(ってほど大袈裟でもないけど)しているのだから、こんなこと書くと「この人いったいナニが言いたいの?」って思われちゃうかも知れない。でもほら、どれくらいってところを強調して書いてるでしょ。要するに、エコ運転は「何よりも優先されるほど大切」とまではいかないってことだけは認識しておいてほしい。「何がなんでも…」とか思い込まれちゃうと困ったことになるからね。まぁ格好つけて言えば、エコ運転前の心構えみたいなものかな。
 
 心構えなんてご大層な言葉を使ってみても、そんな大それた内容じゃない。367は大上段に構えた言い回しをたいそう好むから、サラリと受け流してくれたらそれでいい。だって「そんなこたぁ分かってるよ!」と言い返したくなるくらい当たり前のことだから。いったい何かというと、燃費良く走るよりも安全運転の方がずっと大事だってこと。それから、他車に迷惑を掛けないこともね。あまりにも単純すぎてアホくさくなっちゃったかな?でもこれって大事だからはじめに強く言っておきたい。
 
 エコ運転をすると大概の場合アクセルの踏み方がゆるいので、瞬発力に欠けるきらいがある。スタート時に踏み込まないのは低燃費の基本とも言えるが、交差点の右折をノロノロやっていたら危ないでしょ。そんなときはエコのことなどスパッと忘れてアクセルをきちんと踏んでやらなきゃいけない。ガソリン数ccケチって事故起こしたんじゃ、何のためのエコ運転だか分かりゃしない。今ここを読んでくれている人は、まだアクセルを踏みつけて勢い良く発進する人が多いと思う。でも367はエコ運転ばかりやっているせいか、アクセルを深く踏むことに多少の抵抗感がある。だから急いで走り抜けなくても良い状況かどうかをとにかく確かめるようにしているし、イザというときには踏み込む覚悟を決めて走る。冗談と思うかも知れないけれど、これはいろんな事を試してエコを追求すればするほど強く実感できる。要するに、現在の様々なタイプのドライバーがひしめく車社会では、残念ながらエコ運転さえしてりゃいいってわけにはいかないんだ。みんながみんなエコ運転するようになれば、それで良いんだろうけど。
 
 運転操作に関しても同様で、ガソリン使いたくないからって、下り坂をニュートラルで下りるようなことはしちゃいけない。こうやって偉そうに書いてるけど、367は実際怖い思いをしたことがあるんだ。大学時代にバイトの配達を終えて大津から京都へ戻る途中、山中越えの頂上でガソリンがスッカラカンになったことがあった。軽トラに荷物満載でだよ。ガソリンスタンドがどこにあるか分かんないし、とりあえずニュートラルで下ってみる…と、これがまた加速すること止まらないこと!とっさに「下り坂では登りと同じギヤで…」なんていう教習所のおやじの言葉を思いだし、セカンドに入れてクラッチを繋ごうとするが、回転数があわずにギャーギャーなるわ、当時はエンジンの力を伝えれば加速するとか思い込んでいて、なかなかペダルを戻せないわでどうしようもない。あまり長い距離を走らなかったのでなんとかフットブレーキで止まれ、ガソリンが無くなる前にスタンドへ飛び込めたからよかったものの、死ぬかと思ったねわたしゃ。その上ホッとして「10リッター」とか言ったら、軽油入れられちゃうなんておまけ付き。やっぱり安全運転に限るよ、ホント
 
 他車への迷惑を考えるのも安全運転と基本は同じ。いくら燃費が良いからといって高速道路の追い越し車線を延々80km/hで走るわけにはいかない。他人のスピード違反をどうこう言う前に、追い越し車線の意味を弁えてさっさと走行車線に戻るべし。信号の多い都会でチンタラ走って、渋滞の元凶となるのもよろしくない。自分の車は燃費が良くても、他の車も全てあわせれば確実に逆効果だ。いろいろ工夫すれば交通量の多い中でも流れに乗りつつエコ運転できるけど、あくまでも安全とマナーを重視する方が優先事項だ。エコにあんまりこだわりすぎて、運転の本質を見誤ることだけは避けてほしい。もっとも、367が他車に迷惑かけたくないのは、クラクション鳴らされるのが嫌いだってのが最初の理由だったんだけどね。一方通行ばかりの京都で配達の軽トラを乗り回してたこともあって、昔は他の車のことなんて全然考えてなかった。でも後ろでプープーいうの聞いてたらだんだん腹が立ってきて、せっかくの運転が楽しくなくなっちゃうでしょ。こりゃつまらんって思って、クラクションかまされるようなことしないようにしたら、あら不思議、自分勝手に走ってた頃よりもずっと走りやすい。もしかして今まで怒って邪魔してたのかしらん?情けは人のためならずってこういうことを言うのかね?まぁ367のきっかけは論外としても、他の車のことを思いやりながら、ある程度流れに乗って走るのは車社会では最低限必要なことだ。自己満足で周囲の反感を買うことだけは遠慮したいね。
 
 ここで挙げた状況はあくまでもほんの一例だけど、エコ運転といえども状況によっては変化させざるを得ないってことだけは、頭の片隅にでも留めておいてもらいたいな。