title 高速道路利用の別側面

 
 このコンテンツは、高速道路に対して思うことを、道路公団民営化促進委員会の猪瀬氏をはじめとしてマスコミなどに訴えかけることで、もっと行政や世間の人々に道路や自動車の利用について考えてもらおうという目的で書かれたものです。ですからあくまでも367個人の意見であり、100%正しい主張であるとは申しません。煽動しているわけじゃありませんので、正義感に燃えられても困ります。
 
 「文句言っているばかりではなくて、少しは自分でも出来ることを考えてみようよ。世間に問いかけてみようよ。」というくらいの気持ちで書いていますので、長いですがとりあえず読んで、そして少しマジメに考えてみてもらえれば幸いです。
 

はじめに

 現在道路公団の民営化等について様々な議論がなされておりますが、新聞等で見聞する限りに置いては「道路運営のあり方」に関する論議が中心を占め、「道路(とりわけ高速道路)がどうあるべきか」の議論がおざなりにされている感が否めません。現在の道路交通の混乱は、道路公団の行ってきた開発の不適切さ、チェックの甘さなどに主に起因し、それはすなわち現在に至るまでの開発が道路を開発する者の立場からのみ行われ、実際の道路利用に対する考察が不十分であったことに他なりません。今後道路公団民営化促進委員会の尽力により道路公団が民営化され、コストの削減や組織の効率化が図られたとしても、道路を利用する者を無視しては決して理想的な道路交通とはならないでしょう。私は道路行政に直接関わりのある人間ではありませんが、一人のドライバーとして理想と思われる交通システムの改善策を考えました。この提案はこれまでに考えられてきた道路のあり方とは全く視点の異なるもので、道路行政のみならず一般のドライバーに対する提案でもあります。無駄な投資や組織防衛・関連企業の優遇などの非効率な道路開発が是正された後の道路のあり方として、ひとつの参考としていただければ幸いです。

要旨

T.都市高速を除く高速道路の通行料金を原則として無料とする。
U.ガソリン税など燃料税の増税により高速道路建設費の償還と道路維持を行う。
V.新たな道路建設は一般道路建設費から調達し、国費で建設するものとする。
W.SA・PAを一般道と連結し、インターチェンジとして利用する。
X.SA・PAへの出店を促してテナント料として収入を得、道路管理費に充てる。
Y.多大な危険性を孕むETCを廃止する。
Z.都市高速道路は料金制度は現行のまま国の直轄とする。
 
このうち最も重要なことはTとUの両方を行うことであり、Uのみを行えば国土交通省および道路公団が国民の信頼を回復することは不可能となるでしょう。とりわけ重要なのはUの考え方であり、ここで述べる燃料税の引き上げとは2割以上の大幅な増税を意味しています。その中には経済的な問題を遙かに超越した非常に大きな意義が含まれていますので、Uの部分が骨子であるとお考えください。

解説

T.都市高速を除く高速道路の通行料金を原則として無料とする

 高速道路の意義とは、広く走りやすい道路もしくは高速度で走行可能な道路であることよりも、むしろ信号や右折・左折・歩行者の横断などにより途中で停止することなく走り抜けられることにあります。言い直せば目的地までの途上に用事がない車が、都市部の渋滞や山間部の峠道などを通過するために存在します。バイパスを望む声は非常に大きいと思われますが、高速道路も見方を変えれば長距離を結ぶバイパスに過ぎません。バイパスにより市街地の渋滞が大幅に緩和された例は枚挙に暇がありませんが、同様のことは高速道路においても考えられます。つまり高速道路は、実際に高速道路を利用する者のみならず、知らずのうちに一般道の渋滞を緩和する効果を持っています。しかしながら現状では通行料金が高すぎるために高速道路を利用しない、もしくは出来ない者が多く、その意義が大きく損なわれていると言わざるを得ません。そもそも道路の通行料で利益をあげようという考え方自体道路の目的にそぐわず、流通網をスムースに運用することで地域の交流と発展を促し、国全体の流通を健全化するのが道路の第一義です。高速道路を原則として無料にするのは絶対条件と考えられます。
 
通行料の無料化により次のようなことが予想されます。

1.料金所・検札等が不要となり、これらの場所で起こっていた渋滞が解消される

 料金所における渋滞が大きな問題であることは誰しも共通の認識であると考えられます。たとえレーンを増やしたとしても、合流するときにはどうしても渋滞が起きてしまうので、実際的な対応策とはなりません。緩和策としてETCの普及が考えられたのでしょうが、料金所自体が不要となればその効果はETCの数倍となることは想像に難くありません。ただし一般道に直結すれば、スピード感覚が戻らない可能性が高くなりますので、減速のためのカーブを設ける必要はあると考えられます。また、この目的は高速道路の通行料金を値下げすることでは全く達成できないので、全国一斉に無料化することが出来ないのならば、建設費償還が済んだ区域から少しずつ無料区間を設けていかなくてはなりません。

2.料金収受の職員が不要となる

 料金の受け渡し時には必ず停車しますので、職員は最も環境や人体に悪影響を及ぼすと言われるアイドリング状態の排ガスを多量に吸い込むことになります。料金所ごとに相当額の対応策が採られていると推察されますが、そもそも職員がいなければ省略化でき、健康面と経済面の両面から効果的であると考えられます。

3.長距離トラックが高速道路を使うため、一般道の渋滞と環境汚染が緩和される

 トラックは車重も重く、信号などのストップ&ゴーに最も適さない車種と言え、そのため環境に与える悪影響は計り知れません。他にもそのボディの大きさから他の車の視界を遮り走行を危険なものにし、また渋滞を引き起こしたりもします。上り坂では後続車の無理な追い越しを誘発することもしばしば発生します。小回りの効きにくいトラックがなるべく広く長い高速道路を走るようになれば、市街地の渋滞や環境汚染は大幅に緩和されると予想されます。長距離トラックに限らず一般の車両も高速道路に流れるようになるため、一般道の渋滞はかなり緩和されることでしょう。

4.高速道路利用者が増えるため、流れの速度が低下する

 高速道路の通行量が増加すれば流れの速度は必ず低下します。高速移動に関しては悪影響とも考えられますが、現状では通常の流れが制限速度+10〜20km/h程度であり、制限速度の設定そのものに問題が生じています。高速道路の流れが低下すれば必然的に安全速度での流れに落ち着き、通行量が多ければ200km/hなどの悪質な速度超過をしにくくなります。軽自動車などのスピードを出せない車両でも容易についていくことが出来るので、流れよりも低速で走るいわゆる邪魔な車両の存在を減らすことにもつながります。また、万一の事故の際にも速度が低ければ影響が軽微となる可能性が高くなります。80〜100km/hの流れは多くの車にとって最も低燃費で走ることが出来る速度領域なので、個々の車両にとって経済的とも言えます。

5.高速道路上での渋滞が発生しやすくなる

 通行量が増加すれば交通集中による渋滞が発生しやすくなります。これはWの対応策によりインターチェンジの量が増加することにより回避が可能となります。なお、長い上り坂での自然渋滞や見物渋滞などについては、スピードメーターの確認励行や事故現場を覆って見えなくするなどして防止する必要があります。

6.建設費と利用頻度において不公平が生ずる

 具体的には本州四国連絡橋や東京湾アクアライン・道央道などに関することで、これらは現在においても議論されていることと思います。道央道などは利用人口そのものが細小であると考えられ、高速道路として料金収受を行っていても利用者が増えないのは火を見るよりも明らかです。それよりは無料開放して、使われずに放置される事態を避けるのが賢明かと思われます。瀬戸大橋や鳴門大橋に関しては、もし無料となれば利用する者は非常に多いと考えられます。ただしフェリー料金との兼ね合いやメンテナンス費用を加味して大幅な値下げをするのが最善と考えられます。しまなみ海道は島内の高速道路が完成していない区間が多いため、料金所などの費用は節約できません。そこで、向島から因島へ渡る因島大橋と、大島から今治へ渡る来島海峡大橋に集中させて課金するのが適切かと思われます。

7.通行料による収入がなくなる

 高速道路はそのものが利益発生のためにあるのではなく、流通の効率化により地域経済に貢献するのが第一義なので、地域住民をはじめ国民が気軽に利用できる存在でなくてはなりません。道路公団の利益のために国民の利益を損ねるようなことになってはなりません。私の考えでは燃料税によって建設費償還を行いますので、通行料収受撤廃によるメリットを考え合わせれば、通行料収入がなくなっても問題はないだろうと思われます。

U.ガソリン税など燃料税の増税により高速道路建設費の償還と道路維持を行う

 高速道路の通行料が無料となればそれに代わる財源が必要となりますが、ガソリン税・軽油税など燃料にかかる税金を増税し国家予算で賄うという方策には、数字に表れない大きな利点が生じてくるものと思われます。このとき、高速道路を利用しない国民から非常に大きな反発があるものと予想されます。しかし一般道しか用いないという国民でも、間接的には必ず高速道路の恩恵を蒙っています。高速道路の無料化によって、実際に高速道路を利用する者のみならず一般道の車両にとっても大きなメリットが生じるので、高速道路と一般道を分離して認識すること自体全く理にかなっていません。高速道路は国民すべてに恩恵を与えており、むしろ問題なのはその投資方法が杜撰であったことだと考えるのが妥当です。日本道路公団が建設してきた高速道路は、本来ならば国が建設すべきであったのですから、道路公団が抱えた負債を国が返済してもよいだろうと思われます。
 しかし燃料税の増税には経済的な側面よりもむしろ環境的側面が強く、また国民の道路社会との関わり合いを転換させるという教育的側面があります。現在道路関係の諸問題に取り組んでおられる方々は、失礼ながら経済的側面にのみとらわれており、長期的に見てより重要と思われる環境的・教育的側面をほとんど見逃しているように思われます。燃料税の増税は日本の構造を根本から改革する手段となりうると考えております。
 車種により重量税などを変えるのは一見良さそうですが、実情を加味しているとはとても言い難いものです。なぜならばどんなに燃費が悪く環境に悪い車でも、走らなければ排ガスもガソリン代もありませんし、検査時に規格に適合してさえいれば、改造して走行時にその性能を満たしていないとしても咎めることができないからです。走行スタイルや車種を問う前に、燃費はエンジンのかかっている時間と直結していることを考えると、燃料の消費量に応じて負担を増減するのが最も実際的ではないでしょうか。
 
燃料税の増税により次のような影響が現れると予想されます。

1.ガソリン使用量に応じて負担が増加するため、無用なアイドリングが減少する

 環境に最も悪影響を与えるのはアイドリング時の排気ガスであると言われております。そしてアイドリング時の燃費は、最新式のどんなに低燃費の車であっても0km/Lです。燃料税を引き上げて、「ガソリンが高い」という認識が全国のドライバーの間に根付けば、無駄に燃料を垂れ流すアイドリングは必然的に減少します。アイドリングストップの重要性は現在でも盛んに叫ばれていますが、環境問題に興味のない者は全く実行せず、アイドリングストップ運動そのものが掛け声だけになってしまっております。実際にアイドリングストップを普及させるには、アイドリングがドライバー自身にとって無駄であるとの認識を持たせることが必要で、そのためには燃料代に直接関係していることを再認識させるのが最も近道と言えるでしょう。また、夜間停車中のトラックや自家用車がエンジンを切ることになれば、環境への悪影響を減らせるのみならず、騒音公害も低減させることにもつながります。

2.ガソリン使用量に応じて負担が増加するため、燃費の良い運転が普及する

 運転方法を改善することによって燃費を1割程度向上させることは、実はさほど難しいことではありません。加速の仕方やエアコンの使い方など細かく挙げれば切りがありませんが、エコドライブというのは本人が心がけない限りはできません。また、道路社会全体として取り組まないと効果が出にくいという側面もあります。全国のドライバーのあいだに節約の意識が高まれば、自然とエコドライブへの関心が高まりますので、結果的に道路社会全体として効率的に環境問題に取り組むことができると考えられます。また、エコドライブとは他人の気持ちを考える運転に他なりませんので、安全運転とも密接な関係があります。経済的で安全な道路社会が実現できることでしょう。

3.環境適応型の車が普及するようになる

 燃費に対する関心が高まってくれば、車を買い換える際には低燃費の車を選択する可能性が増えます。現在でもグリーン税制などで排気ガスのクリーンな車への買い換えを奨励していますが、ここできちんと考察しておかなければならないのは、燃費の良い車に乗ることがすなわちエコドライブなのではないということです。先ほども書きましたように、どんな高性能の車であってもアイドリングしたまま車内で寝ているようでは、環境にも家計にも悪影響しか及ぼしません。排出ガスや燃費の良好な車種に乗ったならば、その性能を発揮させるような乗り方を心がけて初めてエコドライブと呼べるのです。そのためには燃料の節約をドライバーの頭に描かせるのが最適と考えられます。また、需要が伸びれば自動車メーカーの技術開発も急速に進歩することが期待できますので、現在でも優位に立っている日本のメーカーがさらに発展できるかもしれません。

4.パーク&ライドが一般的になる

 マイカーを減らし公共交通機関を利用するように多くの自治体が働きかけていますが、なかなか国民の意識には浸透しにくいようです。なぜならマイカーのメリットが大きいからで、ちょっとした距離であればバスや電車などよりも安価で便利だからに他なりません。マイカー利用による負担が公共交通機関よりも大きくなってくれば、自ずと無意味・安易なマイカー利用が減りますので、結果的にパーク&ライドが一般的になってくるかと考えられます。電車やバスの利用率が上がれば、経営的に頻繁な運行が可能となりますので、利用者にとってもより便利になる好循環が生まれます。

5.環境問題で非常に大きな成果をあげられる

 先の京都議定書による温室効果ガス削減目標の達成には国民の協力が不可欠ですが、残念ながら「環境のため」というスローガンでは同調する国民は少数です。しかし家計に直結するとなれば否応なしに自動車との関係を配慮するようになります。現在と同じ自動車で同じように利用しても、運転のしかたで燃料消費はすぐに1割程度削減が出来ます。国民の協力さえあれば温室効果ガス削減目標の達成は容易なものと推察されます。削減目標が達成できれば議長国として面目を大きく躍如し、今まで遅れをとってきた環境問題への発言力も強まると思われます。また、二酸化炭素排出権を他国から購入しなくてもよいとなれば、国費を総合して考えても大きな節約となります。

6.自動車の数が減少する

 マイカーの利用が負担になってくれば、自動車の所有を諦める者も出てくるでしょう。自動車を使用することが少ないのならば、必要なときにだけレンタカーを借りるという選択もあります。効率面から考えてどちらが有利かは人それぞれでしょうが、車とのつきあい方を今一度鑑みるのは重要かと思います。実際に車を手放す者はそれほど多くないでしょうが、税金収入は減少することになります。

7.新しい燃料が使用されるようになり、燃費も向上するため燃料税収が将来減少する

 現在使用されているのはガソリンと軽油がほとんどですが、これらにかかる税金が増税となると、代替えの燃料を使用する自動車が増加するものと思われます。具体的には天然ガスや電気自動車などの需要が増え、インフラ整備も進むことが予想されます。しかし走行量に伴った課税が基本となるため、これらの新エネルギーに対しても増税の必要性はあります。ただ、環境負荷の少ないこれらのエネルギーへの転換を促すために、期間を区切って補助制度を設けるなどの措置は必要でしょう。また、国民の低燃費に対する意識がいっそう高まれば、メーカーの新技術開発と相まって燃料消費が減少することになり、結果的に将来税収が大きく減少することになります。道路建設費の償還が終了すれば燃料税増税の必要性はなくなりますので、徐々に税収が減少するのは望ましいとも考えられますが、償還が完了しなければ収入の減少はさらなる悪循環を招きかねません。債務返済が可能なだけの増税額をよく見極める必要があると考えられます。

8.自動車の利用を必須とする事業者から反発が出る

 燃料消費に伴い納税額が増加しますので、運送業や農業その他自動車の使用を前提とした事業者から反発が出るのは必至と思われます。しかし現在ではどのような事業者でも多かれ少なかれ自動車を利用していますので、納税時の控除で対応するのが適当かと思われます。

V.新たな道路建設は一般道路建設費から調達し、国費で建設するものとする

 現在までに作られてきた高速道路の採算性の問題から、今後作られるべき高速道路の建設を行えないと言うのでは、これまで道路建設を待ちわびてきた地方自治体の納得は得られないでしょう。建設を後回しにされたあげく、道路建設凍結や自治体の出費で作れというのではものの道理が成り立ちません。しかしながら財政上新たな高速道路建設が難しいことも確かですので、時代錯誤した建設計画をそのまま推し進めるのもおかしな話です。道路公団民営化促進委員会がされているように、必要性に応じた建設計画の見直しをした後に、優先度の高い順に建設を行っていくべきであると考えられます。ただし、道路公団が建設したのでは無駄が多いということがすでに明るみに出ているのですから、今後は道路公団が採算性を考えながら建設するのではなく、国が責任を持って税金で建設すべきであると考えます。これまでに述べてきましたように、高速道路と一般道は常に持ちつ持たれつの関係にあり、別個のものとして捉える考え方自体が理にかないません。ですから高速道路建設の予算は一般道路建設費から捻出するのが妥当です。高速道路の問題点ばかり話題に上りますが、一般道や農道建設のあり方にも疑問の残る点が多いので、これを機に日本の道路全体についてその是非を問うていくべきではないでしょうか。また、高速道路の通行料が最終的に無料になることを目指している以上、一般道路財源で建設をすることは正当でもあります。道路公団が民営化されたとしても、現在の状況から見て破綻は免れず、結局は国庫から何らかの支援がなされるであろうことは想像に難くありません。ならば民営化の意味すらありませんので、はじめから国の責任で建設するように変えるのが妥当ではないでしょうか。
 道路公団の民営化についての論議において、道路公団やファミリー企業の不合理なシステムを、民営化して競争原理を働かせることによってコストダウンを計るというものがあります。しかし一番の問題であり、国民の不満の種となっているのは、どうして国営企業、もしくは公団には民間企業のようなシビアな合理化ができないのかということに尽きます。それは税金によって運営が保証されているため、危機感というものが感じられないためです。責任の所在も明らかではなく、組織を守る意識だけ強いために何をしてもうやむやのまま闇に隠されてしまいます。これは道路公団内部の資料が提出されるのに時間がかかったことからも伺えます。ですから新たな道路建設や公団のあり方についての議論よりも、現在の状況に至らしめた道路公団関係者や国土交通省・政治家たちの責任をきちんと追及することが先決と思われます。さもなくば今後どのような改革を行ったとしても、「失敗しても国民が尻ぬぐいをするだけ」との印象のみが残ります。現在においても高速道路が50年後に無料化されるという政治家の話を信用している国民はほとんどいませんが、今後の改革を進めていくためにはまず責任というものを確立すべきでしょう。

W.SA・PAを一般道と連結し、インターチェンジとして利用する
X.SA・PAへの出店を促してテナント料として収入を得、道路管理費に充てる

 この二つはTの高速道路無料解放と組み合わせて施行することにより、大きな成果を得られると考えられます。現在の高速道路はインターチェンジの数が少なく、その結果無駄な迂回や渋滞を招いています。インターチェンジの数が少ない一番の理由は通行料を収受しなくてはならないためで、インターチェンジの数だけ料金所や係員などを配置するのは大きな負担となります。しかし高速道路を無料にできればこれらの懸念は無用となりますので、より利用価値の高い高速道路となることが期待できます。SA・PAを一般道とのアクセスに利用すると、現在でもインターチェンジ間にSAやPAが一つか二つ存在していますので、インターチェンジは倍から3倍に増加することになります。
 
通行料の無料化とSA・PAの利用方法を転回することで次のようなことが考えられます。

1.SA・PAを基点として地域発展が望める

 これまでのSA・PAは単なる通過点に過ぎないので、高速道路利用者を直接自治体に引き入れることは不可能でした。また逆に、インターチェンジでは高速道路と一般道のアクセスしか行いませんので、観光案内的な要素はほとんどありません。SA・PAをインターチェンジとして使用することにより、現在の施設を地域密着型の観光案内所として利用することが出来ます。一般道には「道の駅」というものがあり、旅行者や地元の人々に情報やレクリエーションの場を与えています。SA・PAにも同様の考えを導入すれば、今まではただ通り過ぎるだけであった旅行者を沿線の街へ呼び込みやすくなります。地域のメリットが非常に大きいため、一般道との連結は地方自治体の負担で行うことで賛同を得られるでしょう。

2.インターチェンジの間隔が狭まる

 SA・PAがインターチェンジとなると、インターチェンジの数が倍から3倍程度に増加します。必然的にインターチェンジ間が狭くなりますので、目的にあわせて細かくインターチェンジを選ぶことが出来ます。これまで遠回りを余儀なくされてきたドライバーにとって、非常に利便性が向上します。また、万が一事故が発生した場合にも救急車やパトカーの到着が早まり、病院への搬送も迅速に行うことが可能となります。他のドライバーも渋滞を避けるため部分的に一般道へ降りることができるので、高速道路上で身動きがとれなくなる危険性を減らすことができます。災害時の使用に際しても同様の利便性が考えられます。

3.SA・PAが上下線に一つで足りる

 高速道路が無料になれば、SA・PAが上り下り両方面にある必要はありません。これまで一カ所につき二つの施設を建設してきましたが、一つあれば足りることになり建設費を節約できます。また、進行方向を誤ったために次のSA・PAから逆走するなどというケースはなくなります。

4.SA・PAに出店を促し、テナント料で道路管理を行う

 SA・PAが地方へのアクセス拠点となりますので、高速道路の情報設備の他は地方自治体の管理下に置くことが望ましいです。道路公団としては地方自治体や企業にSA・PAの場所を提供することになり、そのテナント料で道路管理を行っていきます。SA・PAの一括的なサービスに不満を持つ国民は多いですが、一般企業の参入により競争が促され、サービスの向上が望めます。ただし酒類の販売は禁止としなくてはなりません。

5.駐車場の混雑や車両放置の問題が浮上する

 SA・PAの意義は長距離の運転による疲労を回復させ、場合によっては仮眠をとる場所を提供することにあります。しかしSA・PA自体が発展すると、駐車場が混雑して本来の目的を達成できない可能性が出てきます。また、従来よりも利用しやすい道路となるため、違法駐車や車両の放置が増加すると予想されます。休憩のためにSA・PAに入ってきた車両に駐車料金を課すのは、パーキングメーターの設置などの費用を考えてみても妥当とは思えません。SA・PAから本線へ繋がるレーンに一般道からのレーンを合流させ、一般道からのレーン途中にSA・PA利用者用に有料のタワーパーキングを設置するなどの工夫が必要となるかもしれません。高速道路は大型車の通行が多いので、場所によってはその対応策も必要となるでしょう。

6.SA・PAに交番の設置が不可欠となる

 違反車両や犯罪者の追求などのため、道路の封鎖が必要となることがあります。また、飲酒運転の取り締まりを抜き打ちで行うことも必要です。現在のSA・PAはトラックのドライバーなどにとって飲酒の場となっていることがあり、飲酒運転を取り締まるためにも交番の設置が不可欠と思われます。

Y.多大な危険性を孕むETCを廃止する

 鳴り物入りで登場したETCですが、その実態は百害あって一利なしというべきものです。国土交通省は渋滞緩和に有効としてETCを普及させたいようですが、このシステムは料金の問題以外にも多くの危険性を抱えています。そもそも高速道路が無料となればETCの必要すらなく、かつETCによって得られる渋滞緩和の数倍は効果があると考えられます。現在でも利用率は2%程度と低迷していますが、これはむしろ国民の賢明な判断と考えられます。今後ETCにのみ割引制度を適用したりすれば、国土交通省は一層国民の信頼をなくすことは明白です。
 
ETCには以下のような問題点があります。

1.システム搭載にかかる費用が非常識と呼べる高価

 ETCとは道路を走る全ての自動車に搭載されてこそ効果の上がるシステムです。日常的に高速道路を利用するドライバーならば装着するかも知れませんが、年に一二度の利用者ならば高い金額を出す意義を見いだせるとは思えません。しかも装着のメリットは料金所を早く抜けられることだけで、今後割引制度が設けられてもハイウェイカードとさほどかわりありません。普及が前提とされる装置が、普及を阻害する負担を利用者に強いるというのは、一般企業の通念では考えられないことです。国土交通省はメーカーのコストダウン不足に責任をなすりつけようとしていますが、そもそもETCの魅力をユーザーにアピールできない国土交通省の認識不足が招いた結果として責任追及をしなくてはなりません。

2.ETCシステム作動までの登録が煩雑

 ETCを装着しても登録が済まなければ当然装置は作動しません。またETCカードを忘れた場合も同様です。ドライバー自身がETCを装着しているつもりでレーンに進入すれば当然事故になります。また後続のETC装着車も走り抜けると思いこんでいますので、多重事故の恐れがあります。

3.ETCカードに含まれる銀行口座などのデータが盗難される恐れがある

 最も危険性が高いと思われるのがこの被害です。ETCは自動引き落としのシステムなので、銀行口座などの非常に大切なデータを含んでいます。高速道路に限らず車上荒らしの被害は多発しており、車内に貴重なデータを残しておくのは非常に危険です。国土交通省はETCカードをその都度出し入れして安全管理をするように呼びかけてはいますが、ETCのメリットを主張する声に隠れてしまっています。むしろ被害にあった場合の責任逃れのために言及しているに過ぎず、非常に無責任な態度と言えます。

4.ETCカードをその都度出し入れするのは面倒

 危険性があるのでカードをその都度出し入れしなくてはなりませんが、簡便性を求めたシステムにしては面倒な動作です。料金所の手前で抜き差しするのは危険なので、自動車に乗り込んだ際に入れることになりますが、ドライバーのほとんどはエンジンをかけたと同時に走り出したいと思っているものです。SA・PAで休憩する場合には身につけて出なくてはなりませんが、楽をするための装置で面倒な思いをするのはいやがるのが普通です。一旦ETCを装着したら「料金所を通り抜けられる車」になったと感じてしまうので、実際に抜き差しするのは人間の心理から考えて難しいものです。自宅に置き忘れたり差し込むのを忘れたりすれば、ETC通過時に事故の元となります。

5.渋滞は料金所手前だけではない

 ETCによって料金所を素早く通り抜けられても、その先の合流が渋滞しているのでは何の解決にもなっていません。むしろ装着しただけ無駄とも考えられます。そもそも料金所があるから渋滞になるのであって、それはレーンの数を増やしても解決策とはなり得ません。合流は運転技術の中では難しい部類に属しますので、8レーンから3車線へなどの急激な車線減少は必ず渋滞を引き起こします。根本的に考え方を転換させる必要性があると思われます。

6.渋滞しないインターチェンジではメリットを感じない

 地方の高速道路のインターチェンジでは、料金所で渋滞にならないため、料金所に不満を感じない場合が数多くあります。そのような利用者がETCを装着しようと考えるメリットはなにもありません。

7.ETC専用レーンを作れば一般レーンは渋滞する

 レーンの数を増やすのは難しいので、ETC専用レーンを設ければ一般車用レーンの数が減少し、一層渋滞を招くことになります。普及率の低いETCのために一般レーンを犠牲にする必要性は感じられません。また、ETCの装着率が100%になることは考えられないので、どれだけETCが普及したとしても一般レーンは必要となります。計画段階から中途半端なシステムであったと考えざるを得ません。

8.ETC/一般レーンは危険でありメリットも少ない

 ETC装着車を外見で判断することは不可能なので、一般車の後ろでETC装着車が停車しなくてはなりません。それではETCの価値は全くないことになります。一般レーンの渋滞を見過ごせぬということで採った処置と思われますが、ETCの目的を減じてしまっては一層装着する者は少なくなることでしょう。

9.ETCレーン誘導の看板がわかりにくく事故を誘発する

 料金所では100km/h程度から徐行までスピードを落とすことになり、その間に他の車との位置関係を確かめながら進入するレーンを決定しなくてはなりません。現在の看板は非常に分かりづらく、進むべき進路を決定しにくい状態です。料金所近くでの車線変更は非常に危険ですが、もし誤ってETCレーンに一般車が進入しそうな場合にはこの危険な行為をせざるを得ません。一度レーンに入ってしまうとバックはできませんので、後続のETC搭載車に迷惑と危険を与えることになってしまいます。自動車の密度が高い場所では判断を迷わせる要素を一つでも少なくしなければなりませんが、ETC誘導の看板はむしろ危険を作り出しています。

Z.都市高速道路は料金制度は現行のまま国の直轄とする

 現在の都市高速道路は使用した距離にかかわらず料金は一定ですが、インターチェンジ間が短いことを考えれば妥当と思われます。都市高速道路以外の高速道路は原則として無料開放することにより一般道の渋滞を回避するのが望ましいですが、都市部の高速道路では問題が異なるため、有料道路としておくべきと思われます。また、建設費と通行料の兼ね合いから考えて、国の直轄とシステムを変えるのが適切かと思います。
 
都市高速道路を無料開放することにより生じる問題点は次の通りです。

1.高速道路上の渋滞は一層甚だしくなる

 現在でも都市高速道路の渋滞は非常に大きな問題となっています。特に東京都心部では首都圏の利用者と首都圏を通り抜けようとする利用者が集中するため事態は深刻です。無料化によって交通量が増加すれば、高速道路としての機能が失われかねないと思われます。

2.道路の耐久性が交通量の増加に対応しきれない

 阪神大震災において高速道路の橋脚が倒れたことなどから、高速道路自体の耐久性が疑問視されます。大型のトラックや過積載が道路に与える影響が問題となる中で、通行料の増加はすなわち重量の増加に繋がるということを加味しなくてはなりません。

3.道路公団方式の場合には収入源がない

 都市高速道路の場合にはPA・SAの利用による収入源は考えられません。燃料税で建設費の償還を行うことになりますが、そのためには道路公団方式ではなく国が借金を肩代わりして直轄管理を行わなければならないでしょう。首都圏の外環道など建設が強く望まれている区間がありますので、国が予算から管理費・建設費・返済費を出していくのが最も適切と考えられます。
 道路公団民営化促進委員会が設立されてすぐに首都高速道路公団が値上げの方針を打ち出しました。これは一見すると、国民からも促進委員会の方々からも、首都高速道路公団の身勝手としか映りません。しかし道路公団は国から道路を建設するよう指示されて、借金をして道路建設を行います。他の高速道路と異なり路線の拡張が料金収入の増加には繋がりませんので、一律料金値上げを行わなければ建設費返済の目途は立ちません。はじめから建設計画に無駄のある区間もあることでしょうが、「道路は作れ、収入はそのまま」では道路公団の反発は必至と思われます。これは道路公団方式の矛盾点でもありますので、全国の道路は一般道・高速道路問わず国が一括して管理するのが望ましいと考えます。
 
title