エコドライブ

本気!?エコドライブ! 実際に活用できなきゃ意味がない!


遅いのは錯覚


『車間を開けよう』とか『2秒』とか言われても、その通りにやろうって人はまだ少ないだろう。気持ちはよく分かる。要するに、遅いような気がするのだ。
 
前に向かって走っているのだから、少しでも先に進んでいる方が、前の車に近づいている方が、幾分でも速く感じる。その感覚はある意味で正しい。
1mでも前にいる方が目的地に近い。眼の前に空間がある分だけ目的地は遠い。これは確かな真実。
 
しかし同時に錯覚でもあることに気づいているだろうか?
ある瞬間には先に進んでいても、すなわち次の瞬間も先にいるとは限らない。最終的に早く目的地へ着くとは限らないのだ。
 
それどころか、先に進むスペースがないために却って遅くなるケースもある。よくある。認識してる人が少ないだけで、実際にはかなり多い。
せっかく追い抜いた車に信号で並ばれて、挙句にのんびりしたペースで抜き返され、イラッとしたことはないだろうか?これなどは典型的なケースだ。大概は『運』のせいにして気持ちを抑えることになるが、実のところ位置取りをミスして動けなくなっただけのことが意外と多いのだ。
 
とりあえず『2秒遅れ』のふたつのアニメを単純にくっつけただけのものを見てほしい(左折の車が消えるのはご愛敬)。
一度の減速で簡単に抜かされてしまう
前の車に近づいて走っていると、何事もないときこそ少し先を行っているが、前の都合でちょっと減速させられるだけで簡単に抜かされてしまう。もちろんアニメには何の裏工作もない。左折車を信号に置き換えれば先ほどの典型的イラッとケースになる。
 
今回は止まりかけるくらい減速しているが、そんな極端なケースでなくても、単に遅れる程度が変わるだけ。減速は一瞬に思えても、取り戻すのはすごく骨なのだ。そしてその小さな遅れが積み重なって、後方で渋滞が発生することもある。
渋滞が起きるのは、車間を広々開けて悠々と走っている車のせいと考えてしまいがちだが、実は逆。車間を詰めて前の車に振り回され、速度が安定しないから渋滞になるのだ。車は(というか運転する人間は)想像を遥かに超えてとても大きな影響を前の車から受けるのである。
 
納得できなければ、歩くときを思い浮かべてほしい。
前を歩く見知らぬ人にピタッとくっついて歩く人は誰もいないはずだ。靴を踏んづけたり手や膝がぶつかったりで、まず普通には歩けない。そもそも変質者として通報されてしまう。だから誰もが自然と空間をとって歩くし、実際その方が速いということにも異論はないだろう。
(ちなみに、歩くときは『1秒後に前の人がいた場所へ進む』のが最も効率よい)
 
車でも同じなのだ。ただ、人の歩みと違って車はスピードがかなり速いから、とっておくべき空間は当然ながら広くなる。しかし最近の車は性能がヨロシイので車内は至って静か。スピードが出ているという感覚に乏しいから、それほど広い空間は必要ないと錯覚しがち。
 
そんな風にドライバーが勝手に錯覚しても、車の動きはぶっちゃけ物理の法則だ。必要なだけの空間がなければ、思うように進めず動きがギクシャク。無意味に減速したり止まったり。効率が落ちてトータルの速度も低下。もしくはその遅れをカバーしようと無駄な加速でガソリンを消費する羽目に。多くの人が思い当たるはずだ。
 
結局のところ、少しばかり前に詰めたところで大して速くない。追い越さない限りはどっちみち前の車の後ろでしかないんだから。だったらきちんと車間をとって、無意味な加減速なく走る方がずっと楽だしお得で意外と速い。
しかも、遅い「気がする」だけで、実は別に遅くなんてない、ということは、多くの人が心配する後続車への迷惑も意外と少ないのだ(これについては後ほど補足する)。
 
騙されたと思って(騙してないが)、自信を持って『2秒遅れ』の走りを実践してほしい。