著作兼印刷配布者 虚無生夢酔
発行者 森本 優
1988年6月30日発行
1996年9月21日改訂
初版単行本 1部999円
一、「私有財産」の起源とその発展
二、両性具有論
三、今・人類は何をなすべきか
四、戦略と戦術
五、黒蓮華の詩
六、星火燎原
ーー理想社会への長征の第一歩として
七、理想社会への道
ーー「ノアの方舟」建設へ向けて人類の生き残り策を論ず
あとがき
想念の世界も次ぎ次ぎ物質と
化して栄えむ言霊の幸に
ーー天祥地瑞(出口王仁三郎)
終りあれば初めあり。
全世界の破局を迎えつつある現代、その面のみに注意が向けられて悲観し、自暴自棄に陥っていてはなりません。そのようにして、やがて来る新しい光を見失っていたのでは、本当に人類滅亡の事態をも迎えなくてはならなくなるのです。今こそこの破局の中で我々は、新しい理想的な社会を創り出す準備を整えてゆかねばならないのです。
その第一歩として、この小論文集を世に問いたいと思います。これは、一九八五年秋から一九八八年春に亘って書かれた未発表の小論文から成り、創作順に収録してあります。
私としては、少数ではあっても複数の者達には理解してもらえることを希望します。それらの者達から、これから招来されるであろう事態に対処してゆかねばならないからです。全体的・普遍的認識に立って初めて我々は、総合的・有機的に全世界を救済してゆく神業に参加することが出来るからです。
これらの小論文の哲学的背景は、一九八五年に幸洋出版から出された『虚空を掴む』です、徹底したい方はそちらも併読をお願いします。
この小論文集の構成は、まず、何故現代のような地獄図が描き出されて来て、遂には破局にまで至ることになるのかを、その過程を原理論的に辿ってみます。
次に、その闇の中での切迫した「水平的」動きとは全く別な、「垂直的」動きがあることを、即ちそれこそが宇宙の理法・惟神の道であり、生命の開花であることを示します。
そして以上から、第三番目の論文で、人類の取り得べき唯一の道を原理論の段階で述べようと思います。
それ以降の論文では、抽象的原理論を具体的な現状の中で、何の様に適用し展開してゆくか試みています。まず大局的な戦略・戦術を述べ、そこから次に、様々な個人や団体・組織そして国家の現状を踏まえつつ、理想社会をこの末法末世の中から何の様に転じて実現してゆくか、その対策を最悪の事態を想定しながら練ることにします。
一九八八年春
虚無生夢酔
序ーーおわり