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 和賀山塊・堀内沢・・・カシミール3Dと2万5千数値地図により作成した遡行図

 紙ベースの2万5千分の一図・・・上の堀内沢の遡行図を作成する場合は、地形図を4枚も貼り合わせることが必要だった。さらに距離はキルべメーターを使い測定、標高も等高線を読みながら主要地点の標高を書き込む、あるいは標高差を一つ一つ計算していた。

 カシミール3Dと数値地図を使えば、これら面倒な作業が全て不要になる。つまり、従来の遡行図作成より遥かにスピーディかつ正確に作成することが可能だ。さらに50m標高のデータと重ねれば、より立体的な遡行図を作成できる。多機能な割りに操作も簡単だ。これが、趣味で作っているフリーソフトなんて・・・凄いの一言だ。

 ただし2万5千分の一数値地図は、秋田県全部で3枚のCDを購入する必要がある。一枚7500円だから、22,500円。まだ個人で購入するには高い。そこで数値地図とコンテンツが使い放題の山旅倶楽部(年会費2940円)に入会すれば経済的かつ便利。
 カシミール3巻完結記念セット・・・残念ながら完売したようだ。何が凄いかというと、おまけのCD-ROM。全国の20万地形図、5万地形図、50mメッシュのデータが付録でついて、6,800円と格安。このソフトを使いこなすには、最低「カシミール3D入門」ぐらいは書店で買った方がよいだろう。

 GPSは、使えば便利だろうが、安易に頼るのはかえって危険だと思う。電池切れあるいは故障ともなれば命取りになりかねない。山では、経験と勘が全て・・・カシミール3Dで作成した遡行図と磁石、標高付きの腕時計でチェックしながらのんびり歩きたい。
 2.5万地形図で遡行図を作成している画面・・・白神山地大川から石の小屋場沢を経て赤石川源流へ抜ける遡行ルート。起点で右クリックすれば作業メニューが表示される。遡行図作成でよく使うメニューは、登山道・道路作成、地名作成(山名、沢名、標高など)。マウスの移動に応じて、右に緯度、経度、標高が表示される。従って等高線で標高を読む必要もない。
 ルートの断面図・・・区間ごとの距離、標高差、推定時間まで瞬時に確認できる。初めて歩くルートなら、遡行図と断面図を一緒に持ち歩くと心強い。
 ルートを3D表示で確認する。標高が50mメッシュでやや荒っぽいがリアルに確認できる。10mメッシュが数値化されれば、リアルさはパーフェクトなのだが・・・。
 遡行図作成例・・・白神山地大川〜赤石川源流(2.5万図)
 白神山地二ツ森からの眺望・・・たとえ見える山々の名前が分からなくとも、撮影地点で3D表示すれば、山名、沢名を瞬時に確認できる。画面は赤石川源流部。右奥に見える山は岩木山。
5万図と無料閲覧2.5万図の活用
 カシミール3巻完結記念セットの付録についていた5万図でルート、主要地点の標高、地名を書き込む。画面は日高・新冠川源流。
 無料地図閲覧・・・「地図を開く」-「ラスター地図のみ」-「地図閲覧」2万5千地形図を選択。「現在位置を中心に開く」にチェックが入っているのを確認し「OK」ボタンをクリックする。
 同じ場所の2万5千地形図が表示される。ただし、緯度、経度は表示されるが標高データがない。また50m毎の太い等高線表示もない。50mメッシュとの合成もできないから立体的な図面作成は不可。しかし、5万図で作成したルート、地形、標高、沢名などは全て重ねて表示されるので、携帯する遡行図としては十分使える。
 無料閲覧で作成した地形図。自由自在に選択範囲を決めて保存し、印字。
 市販の2万5千地形図を利用して作成した遡行図。これまで歩いた沢を山地ごとに分類してファイリングすれば、遡行計画も楽々。立体的な地図を眺めていると、岩魚や山菜、きのこ、美しい滝が地図から浮かび上がってくるような錯覚さえ覚える。ぜひ皆さんも挑戦してみてはいかがだろうか。
カシミール3D- 風景CGと地図とGPSのページ・・・山釣り、沢登り、登山の定番フリーソフト。5万図、2.5万図の数値地図と50m標高のデータを用いて立体的な遡行図を作成する場合に便利。使えば使うほど凄いソフト。
地図閲覧サービス・・・カシミール3Dで閲覧すれば、一枚一枚つながったデータとして閲覧でき、必要な部分だけ切り取り保存できる。
地図センター・・・数値地図2万5千図CD-ROM 7,500円/枚等をオンラインで購入できる。
山旅倶楽部・・・国土地理院の地図に換算するとCD-ROMにして90枚分の膨大な量の地図を提供している。年会費2,940円。

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