6V6GTシングル・4Wx2ステレオアンプ

初版 Dec.16,2007
更 新:Feb.16,2008(アンプの回路図を追加しました)


 ジャンク箱に何故か新品の「タカチ」の機器ケースがあったのでこれを利用してみようとあれこれ考えたあげく、私としては滅多に無いことですが、16cmのパイオニアシングルコーンスピーカをペアで持っているので、これをパソコン用に使えるセットとしてまとめてみる気になりました。
 パソコン用なので小出力で良いこととし、数本持っている6V6GTと6DJ8に見栄えが良くなるように整流管5AR4を加えて、ごく当たり前のステレオアンプを構成してこのケースでまとめることとしました。しかし、当たり前ではおもしろくないので上蓋に部品を載せることとし、しかも縦長に使い、本来ならサイドとなる部分を正面として、ここを斜めに傾斜させ、マッキン275風にすることとしました。さらに、外観をきれいにまとめるためトランス類一式を「ノグチ」から購入してしまいました。
 回路構成は、6DJ8の半分ずつを左右の電圧増幅として6V6をビーム管出力とする、ごくありふれたものですが6DJ8の性格が良いのか、出力トランスが良いのか、結構心地よい6V6サウンドが出てます。
 外観もなかなか良く出来たと思っていますが、もっと良かったのはスピーカとの相性で、ビーム管の堅めの音が押さえられた、とても気持ちの良い音を流してくれています。これをパソコン用にしておくのは一寸もったいないと思っています。
 ちなみにPAX20Fや3ウエイピーカシステムでは三極管のアンプと比べるとボーカルの子音が強調された感じの音となりました。



 写真は配線の様子とリアビューです、本来ケースのフタとなる化粧パネルに全ての部品を載せてます。外観上一寸残念だったのは、チョークコイルをコストパフォーマンスで選んだため、他のトランスとデザインと形状がミスマッチになったことです。
 このアンプで力を入れた部分は初段の6DJ8の定数を、適度なゲインと6DJ8の直線性を損なわないように決めることで、完成してからオシロで波形を見た範囲ではねらい通りとなりました。
 後に、6DJ8はさらに改良された6RHH8で差し替えると良い音になると言う噂があり、テレビ球の箱の中に新品に近い物が多く見つかったので交換しましたが、私にはその違いは解りませんでした。しかしながら、6DJ8系の手持ちが少ないのでこれからは6RHH8を多用する予定です。




 システムインタフェースの入力端子には測定器と相性の良いBNCを使用してます。RCAプラグとの接続はBNCへの変換アダプターを使ってます。BNCは信頼性が高く比較的安価なので最近はこちらを利用しています。また、一昔前のネットワークで使っていたBNCプラグのついた同軸ケーブルがいっぱいあるのでこれも再利用してます。
 AC電源のコネクタは最近出回っているノイズフィルター入りを使用してます。これはパソコンで使用する3PのACケーブルを共有できるので、3PのOAタップを使用している私にとってありがたい物の一つです。
 計測器やPCの世界では当たり前な物なのですが、一部マニアの間では「ホスピタルグレード」とかで騒いでいるようです。ACラインのインピーダンスを下げるのなら大型機器用パワーコネクタの方が良いと思います。できればバッテリで直に駆動するべきです。


6V6GTシングル・4Wx2ステレオアンプの回路図

 回路構成は、6RHH8の半分を電圧増幅としてと6V6-GTを出力とするオーソドックスな構成としました。設計では6RHH8ではなく6DJ8でしたが
本文のように6RHH8を使うこととしました。6RHH8は6BQ7や6RHH2などのμが30ぐらいのチューナー球の中から好みのもので置き換え可能です。
図面はJPEG画像なので少し見にくいようですが悪しからず。

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