UY247Bシングル羊羹箱・2Wモノラルアンプ

初版 Dec.20,2007
更 新:Feb.21,2008(回路図を追加しました)

 このアンプは、手持ちのナス管で音を出したらどのような音色となるのだろうとの興味から、出力管に直熱五極管のUY247を使うと2Wぐらいの枕元アンプにはなるだろうと思い立って作った物です。
 回路構成は、当初UY227-UY227-UY247で設計したのですがゲインが足りなくてNFBが不十分となるため、2段の227を見かけも良いグリッドキャップが頭に出たUZ57Aの五極管型に置き換えて見たのですが、57を247の近くに置くと247のプレートから57のグリッドに飛びついて発信する症状が出て、不格好なシールドケースが必要となることと直線性があまり良くないため、最終的にUZ57Aの三結ーUY227-UY247Bとしたものです。回路図はこちらです(画像をクリックしても可)。
 最初は、電源にもナス管のKX112Bを入れていましたが、2.5Vフィラメント対応の並四ラジオのジャンク電源トランスのB電圧が低いため整流管の電圧降下が無視できなくて、泣く泣くシリコンでブリッジ整流することとしました。直線性も改善できるのでお助けトランスでB電圧を250Vに変更することを計画しています。
 アンプの出力は、247のプレートに「ノグチ」の出力トランスPFM-6Wを入れB電圧195Vを与え、A級自己バイアスでノンクリップ2W程度となりました。227と247はともにジャンクで昭和一桁生まれだと思いますが、意外に元気だったのもめっけものでした。57Aは昭和30年代のNECの箱入り新品です。
 正弦波、三角波、方形波をソースとして入出力特性をオシロスコープで見たところ、帯域は出力トランスそのもので直線性もまあまあでした。残留ノイズは、五極管を止めたのでマイクロフォニックは減り、整流回路の電圧降下を少なくするため平滑チョークをおごったので静かに仕上がりました。ただし、247が振動を拾って音に替えるようなのでアイソレーションする必要があるようです。
 音の方は、幸いなことに2段のドライバ回路が不安定になることもなく、出力トランスは小型でもそれなりなものなので、心地よい五極管サウンドです。どちらかというとシングルコーンスピーカとの組み合わせが得意のようですが、球の寿命が心配なのでたまに火を入れている状況です。
 部品は、手持ちの中からとにかく年季が入った良品を選んで使いました。外観は、真鍮ブラシで汚れを落とし、ヘアラインもどきの磨きをかけたジャンクシャーシのボロ隠しのために、頂き物の羊羹が入ってきた白木の箱をシャシーに合わせて切り詰めたカバーにおさめ、音量調整は戸棚などの補修用に売っている木目調つまみとしてノスタルジックにまとめてみました。
 このアンプをST管で差し替える場合は、UY-227は27か56(ゲインが少し上がります)です。UY-247Bは47B、3YP1でも良いでしょう。電源トランスに6.3Vヒーター巻き線がある場合は、UZ-6C6-UY-76です。6ZDH3(A)をお持ちの場合、6C6-76の2段を6ZDH3Aの1段で置き換えた方が良いかもしれません。また、57を58、6C6を6D6に差し替えると音が歪みますのでご注意願います。






UY247Bシングル羊羹箱アンプの回路図


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