ZAYOのエッセイ

 

 
 

 私ことザヨの、とある一日の朝をエッセイとして活字に記してみました。

 

  

ザヨの優雅な朝

 

 

 

 
 

 

 夕闇が少しずつ和らぐ朝の色は淡い藍色

 寝室の白い壁は朝の色に抱かれ涼やかに染まる

 窓から微かにそよぐ風は薄いレースのカーテンをなびかせる

 風に乗って微かな花の香りが眠る私のもとへと舞い降りる

 

 私の朝は6時50分、携帯電話の奏でるアラームによってゆっくりと始まる

 

 

 

 
 

 

 

まぁ、アラーム音は『チョコボのテーマ』なんだけどね

 

 

 

 

 

 

 

 まだ少し眠い私は未だまどろみから覚めぬまま、手探りで携帯電話を探す

 ふと指先に暖かい感触を感じ、うっすらと瞳を開けばそこには

 

 
 

シベリアンハスキーが二匹。

 

 
 

 まぁた勝手に私のベッドに上がりやがってこ犬畜生めが。

 

 

  

 

 彼女(犬)たちの名前はクラヴィスとオスカー

 今日も私を起こしに来てくれたのね

 愛らしい私の宝物たち……

 

 

 

 

 犬をベッドから蹴り落として私は身支度を整え

 

 

 

 

 

 今日はお気に入りのピンクのフレアスカート

 白いキャミソールの上にレース編みのカーディガンを羽織っていつもの私

 
 

 ドレッサーの上にあるバニラの香りのアロマキャンドルに火をともす

 

 

 

  

 

 昨晩はこれでスルメを焼いてチューハイで一杯やってたのは秘密

 

 

 

  

 部屋に甘いバニラの香りが満ちる

 

 

 

 

 

 

 ついでにちょっとスルメ臭も……

 

 

 

 

 

 読みかけの文庫本を手にとると、私は朝の読書へと没頭してゆく

 

 バニラの香りと微かな朝の光が私を小説の中の世界へと引きずり込む

 まるで本の中の主人公になったかのような幸せな時間……

 
 

 

 

 

 

 ちなみにこの文庫本のタイトルは『危ない百合と薔薇の園』である

 

 

 
 白いレースのハンカチを膝に広げて

 自家製のハーブで作ったミントクッキーを啄む

 音楽が欲しくなってCDをセットする

 

 
 

 

 PS2よ、今日もありがとう

 

 

 
 

 この朝のひと時

 うっすらと藍色に染まった空間にぴったりだから

曲調のイメージは海がいい

 

 

  

 

 『近海産アメーバー』を聴こう

 

 

 
 

 テンポの良いリズムに合わせてページをめくる

 物語の舞台は学園

 主人公は高校生の少年だ

 少年は知り合ったばかりの先輩と丘の上を歩いている

 先輩の手には私の膝の上と同じレースのハンカチが

 長い髪の年上の学生は主人公の怪我にそっとハンカチを巻きつける

 ほんのり甘く色付く空気

 

 うっとりとその光景を空想し私はページをめくる

 

 物語はクライマックスへと進んでゆく

 そして

 

 

 
 

 

 先輩は素手で熊を倒、それを剥製にしていた

 

 

 

 

  

……まじですか。

 

 

  

いえ、いいんですけどね別に……

 

 

 

 

 

ドアの外から微かに香ばしいパンが香る

そろそろ朝食の準備が出来たのかしら

 

暖かな木製の階段を下りると真紅の薔薇が鮮やかに視界を横切る

 

今では母親がこんがりと焼けたトーストを皿に乗せていた

母は私に目で席を標し、朝食を並べてキッチンへと向かっていった

 

 

今朝の朝食はトーストに生卵に…

 

 

  

 

………。

 

 

 

 

 
 

 

 

生卵!?

 

 

 

 
 

 

あの……

 

 

 

  

 

 

お母様……

 
 
 

思わず引き止めた母親は何を思ったのか私に

 

 
 

 

醤油を持ってきてくれた

 

 

 
 

 

 

いらねぇ

 



 
つーか

 

 

 

 

 

かけろと?

 

 

 
 

 

 

…………。

 

 

 

 

 

 

 

朝はやっぱりトーストと紅茶ね

甘めに作ったロイヤルミルクティーにバターたっぷりのトーストはとてもお似合い

このひとときは嫌な事やアホなことも全て忘れて楽しめるの

 

 

食後にはまた紅茶をいれなおすのよ

さっぱりとしたミントティーを

その後はどうしようかしら

小説の続きを読もうかしら

描きかけのイラストを完成させようかしら

 

穏やかな休日の朝

せっかくのお休みですもの

とても有意義な一日にしたいわ

 

  

そうね……

 

  

コスチュームプレイ用の服を作ろうかしら

 

 
 

 

 まだ今日は始まったばかり

 お母様のゲームキャラの口真似を聞きながら

 ミントティーを片手に一日の予定を思案する

 

 これがいつもの朝の光景

 私らしい朝の過ごし方

 

 どう?

 

 優雅でしょ?

 

 
 

 皆様はどう思いまして?