「ほら、レン!!
何もしないから安心して寝ろ!!」
あんたが明日しようとしてることが不安で眠れねぇんだよ
絶対、断ってもついて来るよな……
こうなったら仕方が無い
明日、こいつが起きる前に出発しよう
「レン、明日は9時に出発するぞ!!」
あと5時間しかないんだけど…
レグルスが寝たらすぐ出発しよう……
俺は頭から布団をかぶると寝たフリを決め込んだ
「……レン……」
あれから一時間は経っただろうか
窓の外から差し込む光が青白く色を変えている
そんな中、レグルスはなぜか俺の寝顔をじっと見つめていた
早く寝てくれ……
寝たふりもそろそろ限界なんだけど
レグルスの手が、俺の髪を優しく撫ぜた
「……レン……」
熱い吐息が耳元を擽る
ちょっと待て
俺はこのまま寝たフリをしていていいのだろうか?
…………でも…………
ここでいきなり喝ッ!!とか言って飛び起きたら絶対驚かれるよな…
ちょっとやってみたいような気もするけど
…って、いかんいかん現実逃避
してたよ
今はそれどころじゃ
ない
レグルスは指先で俺の髪を弄んでいる
あぁ……俺は大丈夫なんだろうか……
毛先を軽く引っ張られる
あぁぁ…これは何の合図なんだろう…
「…いいなぁ…レンの、
ふわふわキューティクルヘアー…」
……………………。
……気にしてたのか……つんつんヘアースタイル……
その後俺は実に2時間の間、延々と髪の毛を引っ張られる事となった…
……ぐったり……