森の中は自然がとても綺麗だった
とてもホモ小説の舞台になった場所だとは思えない
小さな沢を見つけたからついでに額を冷やしておく
水は凍るように冷たかった
気分爽やか
出だしは最悪だったけれど、結構いいキャンプになるかもしれない
俺は足取りも軽くテントへと戻る事にした
「…………」
ちょっと目を離してるうちに炎でテントが燃えちゃいました、
何てことになったらヤバいなということで、かなり離れた所
に焚き火を作っておいたら
思いっ切りテント見失ったよ
今にも消えそうな風前の灯火状態の焚き火をやっとの事で探し出した時には既に何も見えやしねぇ
これでこのまま焚き火が消え失せてしまったら完全なるダーク・ワールドにヘイ、らっしゃい
……俺、ピンチ
「何はともあれ炎を巨大化させなきゃね」
その辺にあった木の枝や葉っぱなどをポイポイ投げ込んでいくと、
その場にそぐわねぇ程の巨大なキャンプファイャー
が発生した
うおう
威力はファ○ラか、ベ○ラマ程度だろうか
……ネタの分からない方、すみません
どっちにしろ、この中に飛び込んだら最後、命はないのは確かだろう
「燃〜えろよ燃えろ〜よ〜炎よ燃〜え〜ろ〜♪」
何となく唄ってみる
こうしていると、楽しい気分になってくるものだ
「火〜の粉を巻き上〜げ〜
山ごと燃やせ〜♪」
最後が危険過ぎる
「これくらい明るくなったらテントだって見つけられるよね」
危険なほど毒々しい朱に染まった森の中は以前とは比べ物にならないほど明るい
つーか早く消さないと本気でヤバい
燃え盛る炎の中
所在無さ気に佇むテントを発見し位置を明確に把握したところで俺は炎を消した
「いやぁ〜危うく焼死するところだったよ」
殺傷能力のない程度にまで焚き火を小さくして、ほっと一息
意気揚揚とテントに向かう
ちょっと重いけどテントの位置をもう少し焚き火の近くに移動させた方がいいかもしれない
……山が全焼す
る前に
さて、現在テントのすぐそばまで来ております
俺はといいますと今すぐにでもこの中に入って、
必要な荷物をとっとと持ち出してテントを移動したいのでございますが
……
あの……
テントが……
さっきから、ごそごそ動いているんですけど……
――…中に何かいる!?
「何か……物凄くコワいんですけど……」
だって宿泊客は俺一人のはずでしょ?
……じゃあ、この中にいるのは誰?
何奴!?
「……何か、あんまし深く考えない方が俺の平静上よろしいかもしれない……」
でも、このままじゃ寝られない
俺は決死の覚悟でテントの中でもぞもぞしている物体に向かって
手刀を放った
どうなる、俺……