キャラ語り 〜リノライ・ナザレイ編〜


 ディサ国城主カイザル王子の片腕
 補佐官として職務を支える一方、教育係として、
 そして恋人としても常にカイザルの傍らに控えている存在




キャラ語り


 水属性魔法使いという設定から、中性的で優しそうなキャラ…という人物像を
 連想されがちかと思い、だったらそのお約束を取り入れつつ、
 拙者ならではの遊び心も織り交ぜて作ったキャラにござります

 ちなみに水属性なのに雷使いという設定にした理由は、
 優しさと厳しさの両面を併せ持つ…という雰囲気を出したかったからじゃ

 普段は静かな水面のように微笑んでいて、
 しかしいざとなると嵐の如く荒れ狂い容赦なく雷を落とす…という感じじゃな




小ネタ


 物語の最初ではリノライはカイザルのことを『カイザル王子』と呼んでおりまする
 しかし物語の途中から突然フレンドリーに『カイザー』と愛称になっておるのじゃよ

 これは作中では語られておりませぬが、恋人同士になった際にカイザルが提案したものなのじゃよ


 本当は敬語も止めてフレンドリーに接して欲しいとカイザルは言ったのじゃが、
 そこだけは絶対にリノライが譲らず、結果として呼び名を愛称にするという結論にまとまったのじゃ

 リノライがカイザルを愛称で呼ぶことによって、
 文面から二人の仲が親密になった事を匂わせる効果も狙っておりまする




名前の由来


 リノライという字を強引に漢字に当てはめると『理』と『雷』となるのじゃよ

 彼の知的な性格を象徴した、道理を含ませるという意味合いで『理』と、
 あとは彼の魔力の本質であり特技でもある『雷』の二文字を使った名前にしたいと

 そうして誕生した名前が『リノライ』にござります
 『ライリ』、『リライ』などの案もあったのじゃが、『リノライ』が一番しっくり来る気がしたのじゃよ


 ちなみに『ナザレイ』というのは『ナザレ』から取っておりまする
 『ナザレ』というのは聖書に出てくる『イエス・キリスト』の故郷の名なのじゃよ

 魔王の子カイザルを神の子キリストに見立てて、
 その故郷の名をリノライの名に織り交ぜる事によって、
 リノライの存在はカイザルにとって家であり故郷のようなもの、
 彼の傍らという場所が、カイザルにとって最も心地良い場所であるという意味合いを含ませておりまする



 ―――…と、尤もらしい説明をさせて頂いたのじゃが…
 実はこれ、後になって考えたものなのじゃよ

 実際の名の由来は↓にござります



 常日頃からカイザルの御無体さに振り回され、
 しかも二十代中頃になるまでは恋愛対象として見向きもされず、
 本来の役目である教育係としての職務を全うしようとしても当のカイザルは勉強嫌い

 それでも挫けず、たとえ馬の耳に念仏だろうと、
 暖簾に腕押しだろうと挑戦し続ける彼に作者が送った一言、

「いつかは実を結ぶ日も来るじゃろうから、何度でもリトライなされぃ」


 リトライなされぃ → リノライ・ナザレイ


 …所詮、現実なんてこんなものじゃよ…
 世の中には知らない方が幸せということも数多くあるのじゃな