曹禺のこばやしひろし宛書信
(2026年10月7日ネット転載)
劇団はぐるまの『雷雨』公演(1962年12月9日、岐阜市公会堂)に向けて曹禺が劇団主宰者のこばやしひろしに送った書信。劇団はぐるま『雷雨』上演プログラム掲載。劇団はぐるまより提供を受けた。
曹禺の中国語原文はすでに失われているものと思われるが、この書信は曹禺の書信を網羅的に収録した『曹禺全集』第11巻(北京十月文芸出版社、2023年)に未収録であるため、このホームページに転載することにした。
劇団はぐるまは岐阜の劇団で、山口県のはぐるま座とは別団体。
(瀬戸宏)
こばやしひろし先生
お手紙受けとりました。貴劇団の“雷雨”上演を知り、たいへん嬉しく思
います。
劇“雷雨”に反映される時代は、凡そ一九一九年前後、つまり中国の五・
四運動の時期であります。曽て“雷雨”を上演いたしました北京人民芸術劇院
に、必要な資料をすべてあなたにお送りするよう頼んでおきました。
最近ずっと病床にあり、御依頼の原稿の件御期待に添いかねると思いま
す。
中日両国人民の深い友情は、わたくしたちの文化交流に伴い、時と共に益
々発展し、鞏固なものになっていきます。中日両国演劇人が、どこまでも相互
に支持し、極めて親密に連繋をたもち、不断の交流を強めていくならば、当
然、われわれ両国人民の戦いの友情に、益するものと思います。
貴劇国の“雷雨”上演の成功、ならびに貴劇団事業の不断の発展を祝し
て、貴劇団に属するすべての芸術家とその友人諸氏に対するご挨拶に代えさせ
ていただきます。
さらに、あなたが、創作において一層多くの成功をおさめんことをお祈り
します。
一九六二年十一月一日
曹禺
訳・岡本靖